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11話の続きから行きまーす!
今更ながら2人とも愛重めだな、と思います。
ま、この小説も全て主の癖で出来ているのでお気になさらず。
まだまだ暑い日々ですが、中一の私は今日も大忙しです。
みなさん、頑張りましょう!
では、どぞ!
おんりー視点
夏の日差しがキラキラと光る。
暑いね、なんて言いながら2人で空を見上げた。
眩く光る太陽が眩しくて思わず目を細める。
でも、隣に立っている君も同じくらい眩しくて、お互いに笑い合う。
、、、でも、もうすぐそんなことも出来なくなることを、僕は、僕だけは知っていた。
この青空を移したような眼も、日光を浴びて輝く白髪も、少し高めの可愛い声も聞けなくなることを知っていた。
全て夏の陽炎が奪い去って、何もかも朱に染める。
目の前で笑う君が消え去ってしまう、そんな非現実的な現実を僕は何度も見て、体験してきた。
何度も頑張ってきた。
「、、でももう疲れた」
思わず声に出してしまって慌てて口を塞いで前を向くとおらふくんが真剣な眼差しでこちらを見ていた。
「、、、、、おんりー、隠し事してるやろ」
いつもとは違うワントーン落ち着いた声でおらふくんが言った。
「あんなおんりー、こんな鈍い僕でもそんな怖い顔してたら大事なこと考えてんやろなって分かる。だから、僕に言ってみてくれん。1人で抱え込まないで、頼ってもええんよ。 疲れたなら、僕にも一緒に背負わして」
言い聞かせるように言われる言葉は今まで忘れてたことで、ハッとした。
君を助けることばかりに夢中で、目の前の、今の君を忘れていたのかもしれない。
「、、分かった、帰ったら全部話す」
「やった!良かったわ。じゃあ、今は楽しも! 」
ぱあっと笑って手を差し伸べたおらふくんの手を取る。
そして信号を渡って、迷わず君を押しのけた。
「え、、」
そして自ら、迫ってくるトラックに飛び込んだ。
やることは最初から決めていた。
分かってたんだ、これが一番の解決策だって。
怖かった、自分で死を選ぶのが。だからいつも、死んでいくおらふくんを見ているだけだった。
でも、気づいた。僕は全ての不幸をおらふくんに背負わしていた。
だから、今度は僕が君の代わりに不幸を背負おう。
ああ、身体中が痛い。道路に仰向けに倒れても自分から出る赤い液体が見えた。
でも後悔はない。これが今の僕にとっての『幸せ』なんだ。
泣きながら駆け寄ってくるおらふくんの姿が霞む視界に見える。
ごめんね。こんな悲しい思いをさせちゃって。大丈夫、きっともう君が死ぬことは無い。大丈夫だよ。ごめんね、ありがとう。最後に、
「大、好き」
掠れた声はちゃんと届いたかな。
願わくば、目が覚めたらこの悪夢から覚めていますように。
そして、君が幸せに暮らせるように。
そっと目を閉じた。