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「柚葉……好きだよ」
今夜の柊(しゅう)君は、いつもと違ってた。
最近仕事が忙しくてすごく疲れてるはずなのに、彼の部屋に入った途端、いきなり強く抱きしめられた。
そして、荒々しくキス。
「……ちょ、ちょっと待って……。ねえ、どうしたの?」
柊君は、そんな言葉なんて全く耳に入らない様子で、今度は私の首筋にキスをした。
「僕は、柚葉(ゆずは)の全てが欲しい」
あまりにもイケメン過ぎる柊君の艶っぽい表情にドキッとし、体中に熱い血が駆け巡った。
ベッドに横になる時間も惜しむように、立ったままの姿勢で、いつの間にか柊君の艶やかな唇は私の胸の辺りに移っていた。
「ダメだって……。そんな慌てないで……」
不思議だ。
そう言って嫌がりながらも、柊君のいつもと違う愛し方にゾクゾクしてしまう。
「お願い。もっと、して……」
「ああ。柚葉をいっぱい気持ち良くしてあげるから」
体中を這う唇。
いやらしく舐めまわす舌。
快感に導く細くて長い指。
細部まで神経質に愛撫され、私の感覚は恐ろしいほど研ぎ澄まされていった。
めちゃくちゃに感じてしまう自分を恥ずかしく思う隙も与えられず、淫らにもだえ、何度も絶頂に達した。
全部、柊君のせいだよ。
本当に……今日は、どうしちゃたの?
どれくらい愛し合ったのか、クタクタになってお互い見つめあった時には、もう、夜中の1時を回っていた。
「愛してるよ、柚葉。君に出会えて本当に良かった。ずっとずっと永遠に一緒にいたい」
柊君……
私はね、あなたのそのカッコいい顔が好き。
たまらなく好きなんだ――
「うん。私達、結婚するんだから、これからはずっと一緒にいられるね」
「そうだね……。これからも……ずっと一緒だ」
柊君は、また私にとびきり熱いキスをした。
ひとしきり愛されたはずなのに、私の体はまだあなたを求めている。
「柊君、大好きだよ」
「ああ、僕もだよ」
柊君は、ベッドに寝転ぶ私の上に重なった。
さっきまでの、体の奥の奥まで熱くなる感覚がすぐに再燃した。
「私、柊君の奥さんになれるんだよね。幸せ過ぎて怖いよ」
お願いだから、ずっとこのまま私を抱きしめて離さないで――
心の底からそう願った。
「僕の奥さんは柚葉しかいない。たとえ、どんなことがあっても、一生君を幸せにするから。嘘じゃないよ。絶対に離さない」
「嬉しい……。私、良い奥さんになれるようにいっぱい頑張るね。いろいろ家事も勉強して、柊君に居心地がいいって思ってもらえるような、そんな温かい家庭にするから」
「頑張らなくていいよ。僕は、柚葉が側に居てくれればそれだけで幸せなんだから」
「嬉しい……」
微笑みながら優しく私の髪を撫でてくれる柊君が、とても愛おしい。
一人暮らしの部屋には帰りたくなくて、その夜は、柊君の体温を感じながら朝まで一緒に眠った。