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桜の花が堕ちるまで

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桜の花が堕ちるまで

19 - Episode L③

♥

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2025年04月03日

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︎︎⚠︎︎注意⚠︎︎

・ご本人様方には一切関係がない

・捏造、妄想要素が激しい可能性あり

・特徴を捉えきれていない部分が多々あり

・恋愛要素が今後恐らくきっとほぼない

・868のBOSSたちがロスサントスに入国する以前の物語

・投稿頻度がノロマかつ不定期


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こんちわです〜。

行ってらっしゃいませ( ◜ᴗ◝)و







ロスヨントス警察署に勤めてから何ヶ月が経っただろう。自分の感覚的には、ここまでかなり短かったように感じる。独りの時間が前より減ったからか、はたまた犯罪対応が忙しすぎるからか、とにかく時間を気にするのはアタック禁止の条件を提示された時くらいだった。そんな目まぐるしい日々は大変な思いばかりだが、孤独を感じさせないから嫌いじゃない。

(俺の家、こんな静かで寂しかった…か?)

叔父さんのせいで住まざるを得なくなり(L②冒頭参照)、この一室を借りて暮らしている。しかし、深夜に帰ってきては数時間だけ仮眠をとり早朝に出勤というのを繰り返すため、確実に家賃の元は取れていない。そんないつもの家に、最近違和感を感じるようになった。幽霊的な意味では決してないが、玄関と廊下の電気を付けっぱにしてしまうほど、この狭い一室は妙な物足りなさと不安を感じた。仲間の温かさと光を知ってしまった俺は、1人になる度にトラウマを思い出してしまうらしい。慣れというのは全く怖いものだ。









いつもの俺の出勤時間、朝早すぎるからか比較的に人はいない。しかし、タコさんはいつもこの時間クラフトをしに行っている。何度も手伝ったことがあるから知っている訳だが、今日もタイミングが良かったようで、一緒に来てくんね?と誘われる。俺は快く了承し、ありったけの素材をタコさんのバンに詰め込んだ。先日の大型犯罪の対応中、一部の署員がギャングに銃やアーマーを盗まれる事件が起こり、物資が一気に激減してしまった。ただでさえ、自分たちで業務の合間に調達しなければならないのに、やはり犯罪者は残酷だ。クラフト場が警察署に近いのは、せめてもの救いである。


「そういや蓮くんさ、最近寝れてる?」

「え?なんすか急に。」

「んーいやさ、いつも深夜に家帰って早朝来て、ってやってるじゃん。面倒くないの?」

「んーまぁ面倒くさくないって言ったら嘘、になるっすね。」

「そうよなぁ…。ちなみに仮眠室があることはご存知?」

「ンヘッ(笑)知ってますよそんくらい。」

「じゃあ来い!」

「はい?…いや〜先輩たちが使ってるだろうし、俺いたら邪魔じゃないっすか。」

「それ部活で休憩してる時の部室ッ。せっかく今度ハウジングするのに、誰も使ってないとか寂しいやん!」


あまり気乗りはしなかったが、あとから考えれてみれば効率良く睡眠が取れるし、物件を売れば家賃を払わなくて済む。正直、新人の俺にはありがたすぎる話だった。検討しておくという旨を伝え、俺とタコさんはひたすらライフルとアーマーを量産する。




深夜3時、一通りの対応が終わり報告書はやれるだけやった。最後にタブレットを確認すると、ところどころ誤字をしていることに気づく。睡魔に襲われていた時のミスだと察し、訂正する気は余計に失せてしまった。どうせ睡魔が再来するのなら、このまま目を閉じてしまおうかと葛藤していると、レダーさんに声をかけられる。


「牢蓮(ろーれん)…大丈夫?」

「レダーさん、俺…もう無理…っす。」

「ふはっ(笑)大分眠そうだねぇ〜。あれだったらやるの代わろうっ」

「はいッ!!是非お願いしますッ。」

「早いな。」


詳細は俺しか分からないため説明はしつつも、レダーさんにミスした箇所と最後の欄の修正を入れてもらう。どうにか自分のノルマは達成(?)し、退勤して帰宅しようとする。しかし、眠気が限界まで来ており足取りがおぼつかない。それを見たレダーさんは、俺の腕を支えてこんな提案をしてきた。


「牢蓮さ、仮眠室使いなよ。今日はそんなに人いないと思うし。」

「あ〜。(今朝、成瀬さんも仮眠室がどうとか言ってたな。)」

「家帰る気力もうないっしょ。」

「うっ……(それはそう)、じゃあ使わしてもらい…ますわ。」


レダーさんに連れられ仮眠室のドアを開けると、そこには2段ベットが2つ置かれ、MAX4人が寝れるようになっている。かなり狭いスペースではあるが、数時間寝るだけならむしろ充分すぎるくらいだった。虚ろな目を擦りベットに腰を下ろそうとすると、芹沢さんと刄弐が眠っていることに気付く。


「いい顔して寝てるわ(笑)そういやこの2人の報告書、やけに簡略化されてると思ったら、絶対早く寝たいからやん。」

「サボってるマ!?終わってるっす。」

「まぁちゃんと書いてはいるし誰も見ないからいいんだけどさ。はい、これ毛布。」

「あざす…。」


空いているベッドに寝転ぶとレダーさんが毛布をかけてくれた。動く度に軋む音、硬めのマットレスはなんとも寝心地が悪そうだ。しかし、向かいで寝ている2人を見ていると、段々と意識が遠のいていく。もうすぐ瞼が閉じるという時、突然頭に温かさを感じた。髪をくしゃくしゃと撫でるその手に安心して、つい嬉しさも込み上げてくる。こうされるのはいつぶりだろうか。その温かい手に身を委ねたまま、俺は深い眠りについた。








目を開けると、そこにはタコさんの綺麗な顔があった。確か自分は報告書を書いてて、その後仮眠室で寝てそれで、と昨日の出来事を振り返る。その次に浮かんだのは今が何時か、ということ。


「お、おはようございますッ!」

「おはよ〜う、よく寝れたみたいで良かったよ〜。」

「今、何時っすか…。」

「ん?あぁ、今皆昼休憩してる。」

「ェ!?そ、そんな寝てたんっすか俺。」

「いやいや、そんくらい寝んのが普通よ。」

「で、でも…。」

「マジで大丈夫だから。ほら行くよ、蓮くんお腹空いてるべ。」


タコさんの後ろに付いて行くと、辿り着いた先には音鳴さんと刄弐が居た。寝坊助くんだ〜とか寝癖凄いで牢蓮とか言われたが、回らない頭は空腹に気を取られていて、返す言葉が出てこない。すると、大型犯罪の通知が来たようで、2人は颯爽と行ってしまう。その背中を見て、忙しくて大変ないつもの始まりを悟った。でも、今日はすこぶる気分が良い。


「はい、これさっきレダーさんが買っててくれたやつ。あたしらもパトカーで向かうよ、ほら無線も入って。」


お母さんのような世話を受け、気づけばパトカーの助手席に乗ってホットドッグを食わえている。マスタード特有の鼻から抜ける香り、少しの辛味で充分目は覚めた。シートベルトを締めながらも、パリッと皮を破って出てくる肉汁を堪能する。口の周りに付いたケチャップを拭き取り、咳払いをしてから挨拶をした。


『おはようございます!牢王蓮、出勤しました!遅れてすんませぇん!』


いくら街に犯罪が溢れていて、身体に限界が来てしまっても、変わらず仲間の声が返ってくるのなら頑張れる気がした。無線から聞こえる騒がしい声は、しばらく止みそうにない。

桜の花が堕ちるまで

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