意を決して家族のもとへ向かった
雪奈はついてきてくれた
碧音: みんな ごめんなさい
手が震えた
姉: 何にあやまってるの?
どんな顔して
何を言われるのか分からなくて
怖くて怖くてたまらなかった
そんな時雪奈が手を握ってくれた
お陰で落ち着いて話せた
碧音: ほんとはずっと前に思い出せてたんだ…みんなの事
みんな驚いた顔をしていた
お姉ちゃんは少し震えてこういった
姉: …辛かったなら辛いって言ってほしかった
碧音: 僕、何回も言おうとしたよ
でもみんな自分の事ばっかで誰も聞いてくれなかった
姉: そう、だよね ごめんね 今更何言っても遅いよね…
そう言って涙をぽろりと流した
しばらく誰も話さなかった
沈黙を破ったのは雪奈だった
雪奈: やってしまったことを後悔しても、もう遅い 碧音に残った傷は二度と消えることはない
姉: ほんとにそうだよね…
涙を流して下を向いていた
雪奈はこう続けた
雪奈: でも 許すか、許さないかを決めるのは碧音だ
碧音はどうしたい?と目で伝えてきた
首を傾げて
優しく微笑んで
手をぎゅっと両手で握ってくれた
僕も目で
許すに決まってる
と答えた
碧音: この傷を見て
袖をまくって手首を見せた
碧音: これは僕が臆病な証 傷をつけることでしか自分の心が守れなかった
碧音: でもほんとは誰かに見てほしかった
気づいてほしかっただけだった
みんな涙を流した
いつもは顔を合わせない兄も泣きながら聞いてくれた
碧音: この傷はいずれ無くなると思う
だけど心の傷は無くならない
一生残り続ける
今までより声のトーンを明るくした
碧音: でもね みんなとこれからたくさん思い出作れたら 広い世界をしれて
僕の知ってる世界はこんなにも狭かったんだって思えるから
琴: 琴も碧音お兄ちゃんがいないと楽しくない
琴なりに色々悩んだのだろう
泣きつかれて最後には寝てしまった
碧音: 僕はこれからもみんなと生きたい
これが僕にできる最大の許し
認めることだ
姉: うんっ いっぱい思いで作ろう
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