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第4話

「影にひそむ、不協の音」

◇Scene 1:朝の教室にて

◇Scene 2:放課後・廊下

◇Scene 3:街の路地裏・ノイズ出現











◇Scene 1:朝の教室にて

チャイムが鳴る少し前、教室の窓から強い朝日が差し込んでいた。

ユユは席に座って、机の上にほほをつけていた。

昨日のノイズとの対峙。そして、ムノと一緒に歌ったこと。

夢だったんじゃないかと思うほど、現実味がなかった。

ユユ(心の声)「昨日のノイズ…あれ、僕の声でほんとに消えたのかな……」

そのとき、ポケットに入れていたイヤホンから微かに声が聞こえる。

クラネイス(イヤホン越し)「それが現実だ。…お前の歌は、確かに届いていた。」

ユユは少しびくっとしながら、思わず声を潜めた。

ユユ「……でも、怖かったんだ。僕、怖かったよ……」

ほんのわずか、教室の後ろの影が揺れた。

誰にも気づかれないように、クラネイスはその中から応えた。

クラネイス「それなら、無理はするな。…でも、“歌”は、お前の意志そのものだ。」


◇Scene 2:放課後・廊下

下校の支度をしていたユユの前に、ひとりの少女がふわりと現れた。

白い髪。不思議な赤と青のオッドアイ。──セカイ。

セカイ「今日の授業、少し難しかったね。君、居眠りしてた。」

ユユ「うぅ……バレてた……」

セカイはふっと笑い、少し寂しそうに目を細める。

セカイ「クラネイスってね、昔──」

???(クラネイス)「やめろ。お前、それ以上話すな。」

空気がぴんと張り詰めた。

セカイは肩をすくめて言った。

セカイ「No.140。過去の“エラー”は未来に繋がるかもしれないんだけど?」

クラネイス「……それでも、まだ話す時じゃない。」

ユユ「……クラネイス……?」

その空気を、セカイが静かにほぐすように続けた。

セカイ「でも、あなたに伝えておくね。“願い”は、“歌”になる。あなたが持っているのは──そういう“音”だから。」


◇Scene 3:街の路地裏・ノイズ出現

ユユは帰り道、ふと小さな公園の横道を通った。

風が止まり、空気がひやりと冷たくなる。

──ジリジリ……ジリ……

空の色がわずかに歪んだように感じた次の瞬間。

ノイズ「ジジ……ジリ……」

人影のような、けれど形を持たない“ノイズ”が現れる。

ユユ「……っ、また……!」

周囲に人影はなく、誰にも助けは呼べそうにない。

ポケットのイヤホンに手を伸ばそうとしたその瞬間。

ノイズが急接近してきた。

ユユ「ひ……!」

声が出ない。身体がこわばって、息さえ詰まりそうだった。

──そのとき。

クラネイス(背後から)「お前の中に、“伝えたい”気持ちはあるか?」

ユユ「……!」

クラネイス「ならば、恐れるな。…音を信じろ。」

ユユは震える手で、胸の前を握りしめる。

深く息を吸い込み、小さな声で──でもまっすぐに、歌い始めた。

ユユ「きっとどこかにある……終わらない夢の先……だから今、響け──僕の音……!」

ノイズがひとしきりうねったあと、ふっと光に包まれて、消えていく。

ユユは力が抜けて、その場にしゃがみ込んだ。

ユユ「……また……歌えた……」

クラネイス(影から見守りながら)「……それでいい。お前の“今”が、少しずつ答えになる。」


To Be Continued…


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