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【さこ視点】
グルグルグル…
部屋に瀬戸の喉の音が響く。
K「それ人間の姿でも鳴るの」
せと「んぁ、無意識」
ねろ「わかる。俺もたまに鳴る」
ハチ「ねろちゃん鳴るの?!人間の区分じゃないんだ…」
いや人間ではないだろ。ねろちゃんも一応人間ではないだろ。まぁたしかに俺と瀬戸みたいに純動物って訳でもないけど。俺らよりは人間よりか。
ねろ「俺は人間から生まれてはいるのよ、一応。不老だけど。」
K「瀬戸はたって不老だっけ」
せと「ん?不老ではあるだろ、もう30年生きてんだぞ」
K「そうでしたそうでしたw」
そっか、もう30年生きてるんだ。なんかそんな実感わかないな。この30年、何があったかな……。
プテ「思い出話に花を咲かせる感じ?これ」
さこ「いいね、咲かせてあげる」
ポン酢「咲かせてあげる……?」
さこ「瀬戸と初めて会ったのは森の中で、俺は人間の姿だったんだよね。最初はめちゃくちゃ警戒されてて、触るどころか近づくことすら出来なかった。多分、元々魂が人間嫌いだったんだと思う。」
せと「虐待されたし捨てられたし可愛がるくせにろくな飯くれんかったし」
ねろ「うわ……エグすぎる。」
さこ「俺はね、めちゃくちゃ甘やかしたよ、瀬戸のこと。ご飯と、寝床とって色々準備してあげて。そしたら徐々に警戒が解けてきて、甘えられるくらいまでになったんだよね〜」
せと「猫の本能には逆らえなかった」
K「はたさこって、ただの魔物じゃないよねぇ」
俺の話をボケーッと聞いていた奏が急に口を開いて、図星をついてきた。
俺はただの魔物じゃない。まぁ単純に考えて、八つの魂の意思に一つの魂の意思が勝つってありえないしな。
せと「え、はたさこ魔物じゃないん?」
さこ「いや、魔物ではあるんだけど〜……」
K「はたさこの人格ってなんの魂なん」
さこ「え〜、おいなりさん」
K「おい予想外すぎる神の使いマジか」
え?神と神の使い以外にそんな強い魂持つやついる?少なくとも俺は思いつかないんだけど。予想外って、え?まぁいっか。
そう、俺は元々おいなりさん。あるとき狐の憎悪に飲み込まれて、九尾の狐となった存在。最初は飲み込まれたけど、段々と俺の意思がきくようになってからは、ほとんど今まで通り暮らしてきた。まぁ、神の声は聞こえなくなったけどね。
プテ「瀬戸は普通の魔物なの?」
せと「普通の魔物ってなんだよ。それで言ったら俺は普通ではなくね?」
影。「まぁ、確かに生まれ方は普通じゃないけど。」
みや「魔物に普通もなにもないでしょ」
影。「それもそうか。」
今でも、もしかしたら瀬戸は人間を警戒してたんじゃなくて、普通とは違う空気をまとった俺を警戒してたのかな、とか思う。でも、瀬戸が人間に対して不信感を持っていたのも確かだし、本当のことは分からない。
でも、瀬戸は俺に気を許すようになったし、急に家に押し入ってきた奏たちにも気を許してる。まぁ、人間じゃないとわかってたからの可能性もあるかな?少なくとも瀬戸は、少しずつ成長してるってことだね。良かった良かった。
せと「そろそろはたさこの親ヅラ何とかしたい」
さこ「成長したねぇ瀬戸〜」
ポン酢「仲良いなぁ」
せと「おい」