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((放課後。屋上。低く雲の垂れた空。リノが、両手をポケットに入れて佇んでいる))
🐰「……呼び出してごめん」
((🐶と🐿️が、少し距離を取って並ぶ))
🐿️「……いいよ」
🐶「聞くよ。ヒョンの言葉を」
🐰「俺さ……ずっと、誰かの気持ちから逃げてた」
🐰「過去のハンからも、今のスンミンからも、自分の気持ちからも」
🐿️「……」
🐶「それで、ヒョンはどうしたいの?」
🐰「……選ぶよ。自分の気持ち、もう誤魔化したくない」
((少しの沈黙。風の音がやけにうるさく感じる))
🐰「ハン」
🐿️「……うん」
🐰「おまえの気持ちは……ちゃんと嬉しかった。すげぇ救われてた。甘えたかった。弱さを見せられた」
🐿️「……でも?」
🐰「でも、あれは“恋”じゃなかった。俺の中で、もう終わってたんだと思う。ただ、それを認めるのが怖かった」
((🐿️は静かにうなずく。泣きそうな目で、でもちゃんと笑っていた))
🐿️「そっか……そっか。ちゃんと、言ってくれてありがとう」
🐰「……ごめん」
🐿️「謝らないで。今までの全部、ちゃんと好きだったから。後悔なんかないよ」
((🐿️が背を向け、そっと去っていく))
((屋上に、🐶と🐰だけが残る))
🐰「スンミン……」
🐶「……ほんとに、俺でいいの?」
🐰「おまえだけだよ。ちゃんと向き合いたいと思えたのは、初めてだった」
🐶「……信じていい?」
🐰「うん。全部見せる。かっこ悪いとこも、情けないとこも」
🐶「……ずるいなあ、ヒョン」
🐰「え?」
🐶「そんなの、もっと好きになっちゃうじゃん」
🐰「……だったら、もっと好きにさせてみろよ」
((ふたりが、ゆっくり手を重ねる。今度は、もう迷いのない力で))