テラーノベル
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一部R18あるので注意です
・僕にだけ”特別”(加日)
朝、オフィスの入口
ドアを開けて入ってきた日本が、それぞれに挨拶をしている
「おはようございます」
なんて事ない、ただの挨拶
僕にも同じ挨拶をするんだろうな
この時は、そう思っていた
「あっ!カナダさん!」
「おはようございます。…あの、今日ってご予定ありますか?」
……え?僕だけ名前呼び?しかも予定聞いてくるって…
これもう確実に僕のこと好きだよね!?
嬉しさに跳ねる心臓を抑えるのに必死な僕に、彼は気づいていない
「最近できたパンケーキ屋知ってます?一緒に行きたいなって…」
「あ、でも最近僕太っちゃったんですよね…」
「ほら、肉つまめちゃう…」
シャツをめくって、白い腹を曝け出す彼
突然のチラリズムに思考が時を止めた
「……あの、大丈夫ですか?」
反応のない僕を覗き込む日本。ハッと現実に引き戻されて、慌てて冷静な素振りをする
「………ああ、ごめん。ちょっと放心してた」
「大丈夫だよ。日本痩せてるから、そのくらいが健康そうでいいと思う」
「そんなもんですかね」
シャツをズボンにしまいながら、日本が返す
肌とおなじ白いシャツに、僕は先程の光景を思い出していた
あの白くて柔らかい肉…齧りつきたいくらい魅力的だったな
邪な思考が、悶々と頭を支配する
けど、日本には、バレたくない
だから僕は、「パンケーキ、楽しみだね」と笑って誤魔化した。
・まだ、憧れでいさせて(中日)
多くの人で賑わう社員食堂
その中で、中国は一人で黙々とご飯を食べている
すると、隣の席に日本が静かに腰を落とした
「お隣失礼しますね」
「…今日はちゃんとした飯を持ってきたんだな」
「たまには料理しなきゃと思いまして」
テーブルに置かれた二つのタッパーには、白米と麻婆豆腐
想像していた日本の弁当とは少し違って、珍しい、と思ってしまう
蓋を取ったタッパーから香るスパイシーな香りが、中国の心に眠る、いつかの記憶を呼び起こした
「昔あなたに教わった麻婆豆腐、結構上手く作れたんです」
「ほら、食べてみてくださいよ」
スプーンで1口掬って、中国へ差し出す。驚く中国だったが、すぐに冷静さを取り戻し、それを口に含んだ
「……美味い。我のには到底敵わないが」
「ふふ。いつか超えてみせますよ」
日本が、強気な発言とともに、不敵に笑う。
言うようになったもんだ。中国はどこか嬉しそうに「……そうか」と呟いた
ご飯を食べ終わって、立ち上がる二人
その時、日本がふらりとよろける
まずい
日本は何とか体を支えようと、近くにいた中国にしがみついた
「………っ!?」
「あ…す、すみません!こんな…」
離れていこうとする、背に回された冷たい手
日本の体温の低さに気づいた中国が、不意に表情を曇らせる
「…いい。貧弱なお前のことだ。また倒れるかもしれない。我に掴まってろ」
ぶっきらぼうな物言いだが、その口調は気分のいい時のもの
“何か困ったことがあったら、まず我を頼れ”
同じ声調で言っていた、大昔の彼の言葉が日本の脳内にふと蘇った
「…頼りになりますね、中国さんは」
「誰かがすぐに頼りにしてくる程にはな」
ふっ、と目を細めて、日本を見つめる
これほどまでに穏やかな笑みは、久しぶりだと日本は密かに嬉しさを覚えていた。
・見せたい独占欲(独日⚠R18)
軋むベッドに2人きり
昼の姿を脱ぎ捨てたドイツさんが、僕を覆う
中途半端にはだけるシャツが、妙な色気を醸し出していた
ナカを穿つ快楽に反る上半身へ、赤が散りばめられていく
二つの刺激が同時に押し寄せ、大きな声が出そうなるのを、何とか持ちこたえた
「んん゙…っく、ふぅ゙…っ!」
「こら、日本。唇を噛むなと言っているだろう」
血が出たらどうする
そう言って、彼は僕の両腕をネクタイで縛って、口に親指を挟み込んでくる
これじゃ、彼の指を噛んでしまう
口を塞ぐ手段を失って、途端に羞恥が湧き出した
「やだ…こえ、でちゃう」
「いいんだ。我慢は体に悪いぞ」
腰を大きく引いて、強く打ち付ける
腹の奥から押し寄せる大きな快楽が、そのまま音となって出てしまった
「あッ♡やら…っ!!どいつさ…!!」
「うん、いい声だ。可愛い」
「その声、もっと聞かせてくれ」
嬉しそうで、楽しそうな彼
その笑みは穏やかだが、捕食者じみた興奮が隠しきれていない
恥ずかしいほど、大きな自分の喘ぎ声
耳も口も塞げなくて、彼に晒される痴態がありありと想像されてしまう
「んッ♡ぃや…こ、れぇ…♡はずしてよぉ…っ♡」
「拒否する。ほら、もっと大きな声で。俺に聞こえるように、喘げ」
声を押し出すように、怒張が奥の壁を何度もノックする
断続的な快楽の波に飲み込まれ、もう限界だった
「あ゛ッッッ♡♡!!」
絶頂とともに、視界がブラックアウトする
意識は、そこで途切れた
「…はは。ほんと、日本は体力がないな」
「次は長く楽しめるよう、寸止めでもするか」
ジュッ
熱気の籠る空間に響く、甘い音
白い首を撫でたドイツは満足気に微笑んで、静かに部屋を後にした
翌日、僕らはいつものように出社する
スーツを纏って、何事も無かったように
しかし……今日はなぜか、視線が痛い
違和感を覚えていると、台湾が僕を引き止めた
「ね、日本。首のやつ大丈夫?」
「へっ、首?」
「ここ、赤くなってるよ」
貸してもらった手鏡で首元を見てみると、目立つ位置に赤い痕
くっきりと残るこれは、明らかに…
「ああ…虫刺され、ですかね…はは…」
「…そっか、痒み止めあげるよ。絆創膏もね。結構腫れそうだし」
デスクに座る人影をじとりと睨む。あなたのせいだ
恨めしい視線に気づいたドイツさんが、こちらへにこりと微笑む
なんの事やら
しらばっくれるように、彼はすぐパソコンへ目を戻してしまった。
・不意の可愛さ(アメ日)
会社の廊下の一角。休憩がてら、軽くストレッチをする
その時、静かに近づく1つの気配
背後からやってくるそれは、アイツ…日本だ
コソコソやってくるなんて、何企んでるんだ?
絶対バレてないと思ってんな。可愛いやつめ
気づいていないフリをして、静かに待つ
真後ろまで近づいた日本が、少し立ち止まって、また、動き出した
「アメリカさん!!」
声と同時に、背に小さな温もりが触れる
細っこい腕が、遠慮がちに腰へと回されていた
「へへっ、驚きました?いつもの仕返しですよ」
予想外の出来事に、体が固まる
まるで、瞬間冷却でもされたみたいだ
「………アメリカさん?いや、でしたか?」
「こんなことしてごめんなさい……すぐ離れますから…」
日本が何か言っている気がするが、混乱している脳では、耳には何も入ってこない
日本が、俺に?あの、ハグで毎回照れる日本が?
なんだそれ。そんなの……可愛すぎる
奥底から湧き上がる熱は、一瞬で体を溶かして、燃え上がらせた
「Japan……!!」
「マジでお前可愛すぎるぜ!!」
瞬時に振り返って、抱き返す
日本が離れるよりも速く、埋もれるほどに強く
それほどに、”好き”の気持ちがとめどなく溢れて、我慢ならなかった
「お前はどれだけ俺を惚れさせたら気が済むんだ?底なし沼みてえで怖えよ」
「あ、アメリカさん…ぐるしい…」
「決めた。今日1日は絶対に離してやんねぇ。俺をこんなにした罰だ」
「ええ…今日の仕事できなっちゃいますよ」
「そんなこと言ってぇ〜Japanの顔、嬉しそうだけど?」
「う、うるさいですっ!!」
互いの鼓動が共鳴して気持ちを明瞭に伝え合う
トキメキが止まらない、そんな一日だった。
・小さくて可愛いやつ(露日)
オフィスの片隅
今日も、日本は忙しそうにちょこちょこと駆け回っていた
プリントを抱えて小走りに移動しながら、周囲に何度も会釈し、つまずきそうになりながらも姿勢を正して、次の仕事へと向かっていく
その背中を、俺は無意識に目で追ってしまう
あの動き。あの軽さ。あの慌ただしさ
……どう見ても小動物だろう
ふわふわの白ウサギか、餌を探すリスか
想像したらピッタリすぎて、にんまりしてしまう
そういえば、さっきは、上の棚に手が届かないらしく、背伸びしてぷるぷるしてたな
あの必死さ、反則だろ。誰かに助けられれば、照れた顔で「ありがとうございます」ってぺこっと頭を下げて、それがまた……もう
なんであんなに、毎回可愛いんだ
そんなことを考えていると、こちらに気づいた日本が満面の笑みを浮かべた
「ロシアさん!」
パタパタと駆け寄ってきて、クリクリの黒い眼を優しく向ける
小さな頭を撫でてやると、照れながらも嬉しそうに微笑むのが、どうしようもなく可愛い
「ふふ。なんかロシアさん、楽しそうですね」
日本に指摘されて少し驚く
俺、そんなに顔に出てたのか
…まあ、事実だしな。お前が可愛いから、固まった表情筋でさえも動いてしまうんだ
「…ああ、そうだな。楽しい」
もう一度、頭に乗せた手をそっと動かす
安心しているのか、無意識に手に擦り寄る日本の幸せそうな表情に、俺は確信した
小さくて、ふわふわしてて、あたたかくて…どの瞬間も、愛くるしい
やっぱり、日本は小動物だ
ゲージに入れて飼いたい
そんなことを考えてしまうが、バレたら絶対に日本に嫌われる。だから…
「今はこれで我慢だな」
腕の中で独り占めしよう
いつか、日本が自分から、俺の元に居てくれるまで。
・手のひらの記憶(韓日)
茹だるような暑さの夏。快晴の青空の下
僕は、言いたいことがある
それは、目の前にいるコイツについてだ
「韓国さん!こんにちは!」
すぐ近くで、僕の目を見て、にへらと笑う日本
汗で張り付く白Tシャツ、汗の伝う首元から覗く鎖骨、膝上の短パン
まただ、何度言っても聞きやしない
「お前…また肌着着てないだろ」
「いやもうほんとに暑くて…できるだけ服を着たくないんです」
汗で湿り体に張り付くTシャツを摘む
体のライン出てるし、白い太腿が丸見え
なにより、胸の一部が浮き出てるのが……本当に、目に毒だ
「…韓国さん?僕の服をじっと見て、どうしたんですか?」
「えっ!?あ、いや…その…」
「もしかして服汚れてました?さっき走ってきたから…」
「ほら、走って心臓バックバクです」
薄い胸筋に指が沈む感覚が、過剰な情報を脳に送り付ける
ば、馬鹿!!胸触らせるんじゃねえよ!!
声にしたかった気持ちは熱となり、心臓を燃え上がらせてしまう
「韓国さん!?顔赤いですよ!!熱中症ですか!?」
「お前ほんとさ…ふざけんなよ…」
尻すぼみになる、文句の言葉
鼓動は僕の方がうるさくて、手のひら越しにバレないかだけが心配だった
灼熱の空気に焼かれ、ようやくたどり着いた自宅
玄関のドアを閉めた瞬間、背中から崩れ落ちそうになった
ようやく冷めた頬の熱
なのに、うるさい鼓動だけは、さっきから全然止まってない
「……何なんだよ、アイツ……っ!」
ぶつけどころのない苛立ちを、乱暴に脱いだパーカーにぶつける
そのまま冷房の効いた部屋に倒れ込み、ソファにうつ伏せで突っ伏した
あのときの光景が、まざまざと焼きついて離れない
あの服装。汗で透けて張りついたTシャツ
鎖骨と、白い太腿と、ほのかに浮かんだ胸飾りの膨らみ
しかも、だ
俺の手を、自分の……胸に……押し当ててきたんだぞ?
「……はああああああああああ!?」
ソファのクッションに顔を埋めて、思いきり叫ぶ
思い出す、僕の手をとって左胸に当てさせ、ほらねと無邪気に笑う日本の姿
一人きりの静かな部屋。誰にも聞かれないと思うと、逆に本音が漏れてしまう
「いや、いやいや、バカか!?ありえねーだろ!?普通あんなことするか!?」
「ていうか触らせるって、何!?なんで俺なんだよ!?……っつーか、ちょっと柔らかかったし……!」
そう叫んでから、ハッとする
ちょっと柔らかかったって何!? 俺は何を言ってる!?
自分で言った言葉が信じられなくて、頭が混乱した
「落ち着け、落ち着けって……俺は、別に……その……別に、あいつのこと、可愛いとか思ってるわけじゃ、ねーし……!」
さっきよりも、顔が熱い
手のひらに残る感触がリアルで、何度こすっても拭いきれない
「……っ、ちげぇ……ほんと、ちげーから……っ」
自分に言い聞かせるように呟いて、ソファで転がる
だけど…
脳裏に浮かぶ、にへらとした笑顔。人懐っこい声
そして、手を引いてきた時の温もり
「あー……ほんっと……うぜえ……一瞬でも嬉しいって思っちまったの、ムカつく…」
より強く、クッションに顔を押しつけて宙を蹴る
今日はしばらく、寝れそうにない
コメント
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なんかすごい満たされた気分です。今だったら全裸ブリッジで校庭一周できそう。 ありがとう。それしか言う言葉が見つからない。
独日と露日を同時に喰らって供給過多で、不思議な川が見えています。 ちょっと落ち着いたら感想ぶつけさせていただきます。
あ、貴方様はなぜ…こんな神作を 幾つも作り出すことができるのですか!?一つ一つの文章はとても短いのに、言葉選びが良すぎて頭の中でシチュエーションが簡単に想像できました…! (そのおかげで危うく昇天しかけまし…)))(昇天)