TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する






:みっち視点に戻ります:


朝方。


俺は、自分の仮部屋にこもっていた。


なんでって?PCを使って父さんの位置を特定するためだよ。


あと、クロの正体。


でも、いくら探しても出てこない。


「マジでどこなんだよ…。」


俺がそう嘆くと、隣にいたココくんが「やっぱ分かんねぇ?」と言って俺の顔を覗いた。


「…疲れる。」


「ほんとそれ。」


「「あ‶ー休みてぇ…。」」


俺らはそう言うとお互いの顔を見た。


「…二日ぶりに外出るか?」


「俺は毎日出てるけどね。」


俺はそう言って立ち上がり、大きく伸びをした。


ココくんも立ち上がる。


「買い出し行くか。」


「うん。」


俺らはパソコンをつけっぱにしたまま、買い出しへと出かけた。




二時間後。


俺らが帰ると、中は静かだった。


全員、どこにいるのか分からないくらいだった。


ココくんは携帯を握っている。


俺が窓を開けたその時、そこには物色をしている何者かがいた。


その人は「ちょい待ち!」というと、急いで外から出て行った。


ココくんは携帯をポケットにしまい、俺は構えを解く。


「何だったんだ、あいつ。」


「さあ。誰なんだろうね。」


パソコンの画面を見ると、そこには特定された何者かの位置が示されていた。


しかも、丁寧に両方。


「誰の位置だ?これ。」


ココくんは画面を睨みながら言う。


そして、目を見開いた。


「おい、これ、俺らがずっと追っていた位置じゃ?」


そこには、明らかに俺の父さんの名が記されてあった。


「なんで…。」


「なんにせよ、これで追えるな。」


ココくんは冷静にそう言い、再び画面とにらめっこを始めた。


俺は、少し部屋から離れて、自宅へと向かった。


今、父さんは自宅にいない。


なら、今がチャンスだ。


俺は忘れ物を取りに駆けだした。




庭には相変わらず晒し首がある。


俺はそれに手を合わせ、奥へと向かった。


勝手口から中に入ると、未だ脱出していなかった柚葉さんとアッくんたちがいた。


「よかった、いた~…。」


「どうしたの?ここに帰ってくるなんて。」


柚葉さんはそう言って、俺の手を握った。


「いや、今、俺が滞在してる場所があるから、そこに連れて行こうと思って。」


俺がそう言うと、五人は顔を見合って、「ごめん」と告げた。


山岸が言う。


「ここの管理体制が厳しくなってな…。俺らはもうここを離れられねぇんだ。そして、俺らがお前の敵に回るのも…時間の問題だ。」


ま、根は変わらねぇからさ、と笑う山岸の顔は、どこか寂しげだった。


「どういうことだよ、それって。」


俺がそう聞く。


すると、アッくんがこちらを見て言った。


「飲まされたんだよ、洗脳薬を。」


俺は動きが止まる。


「おい、嘘だろ…。」


俺は信じられなくてそう伝えた。


「エイプリルフールじゃねぇんだから嘘なんてつかねぇ。これは本当だ。現にこう話せるのも最期だと思っていい。」


「ちょ、言い過ぎだって…。」


「知ってから戦われるのと、知らないで戦わされんの、お前らはどっちがいいんだよ。」


「それは…。」


皆の間の空気がピリピリとしびれる。


俺は、溢れそうになった涙を堪えて、笑顔を浮かべて言った。


「ありがとな、忠告してくれて。その…憶えてくれてると、ものすごくうれしい。」


無理だろうけど、という本音はしまって。


「あ、あと、このボイスレコーダーも渡してくれるかな?」


俺は柚葉さんにそう頼むと、柚葉さんは「任せときな」と言って引き受けてくれた。


「じゃあね、またいつか。」


俺はそう言って、勝手口から家を後にして、ココくんたちのもとへと戻った。


明日の会議で、伝えなきゃ…。


俺は、目から涙を零しながらそう思った。




:景章さん(みっちパパ)視点:


自宅に戻ってきた際に置いてあった、謎のボイスレコーダー。


その内容は、武道からのものだった。


―――――――――――――――――――――――――――

ねえ、父さん。元気?

まぁ、元気じゃなくていいんだけど。

あのさ、父さん。

千冬、憶えてるよね?

忘れたなんて言わせないよ?

なんで…殺したの?

父さんのことだから、きっとあの速度も反応できたはず。

なのにしなかった。

これは、宣戦布告ってことでいい?

いいよね。もし違っても、そうさせるから。

それならさ、父さん。俺からも言わせてもらうよ。返答として。

首をはねられる覚悟はできているんだろうな?

もう、容赦なんてしないから。

7月25日、夜11時。

どっちかが死ぬまで終わらない戦争を、始めようか――。

――――――――――――――――――――――――――――


俺は軽く嘲笑う。


「それはお前だ、武道…。」


置いてある薬を一瞥して、俺は言った。


洗脳薬。


盤面はそろった。


虐殺までのカウントダウンが、今始まった。


















マイキー殺害まで あと 


         9日――













君のその眼を殺します。~END~

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

1,500

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚