まって
たすけて
いやだ
たすけて
こわい
たすけて
助けてくれるって言ったのに
アリス「…ん、」
こんな夢にももうなれた。暖かいサルバに包まれて、目が覚めた。
なんだか、ずっとぼーっとしていて、気付いたら朝ごはんを食べ終わっていた。
ビリー「人間!何をしている!こっちだ!」
今日はビリーの日。
うるさいこいつの隣に居なきゃなんねぇのか…
そう思っていると、案外静かで。
何故か抱きしめられているが静かに本を読んでいたり、
何故か抱っこされているが静かに庭園を散歩したり、
何故か上手くいくと嬉しそうな顔でこっちを見てくるがサルバと一緒に弓道をしていたり、
アリス「…なんでこっちいちいち見るんだよ」
ビリー「…褒めてくれぬのか」
アリス「…は、?」
ビリー「ヴィリー様から人間はよく褒める生き物だと教えられた。違うのか?」
アリス「違うな、、」
くすくすと笑いながら楽しく話していた。
だが、時の流れは早いものだ。気付けば寝る時間。布団に入るが、いつも見る悪夢が怖くなり、いくら経っても眠れない。
ビリー「…眠れぬのか、」
静かにしていたから、眠っていたと思ったら、俺が寝るのを待っていたようだ。
ビリー「…俺の昔話をしてやろう。…」
僕はどれいじょうに生まれた時に売られ、日々粗末な扱いを受け続けた。
殴られ、蹴られ、食事に毒を盛られたこともあったな。
吸血鬼の回復能力を恨みたかった。
だが、ある日、その生活は一変した。
カーザ様、ヴィリー様、ルル、サヤが助けてくれたのだ。
カーザ「…無事か」
ヴィリー「よく頑張ったねぇ〜♡」
ルル「……僕は反対だよ。奴隷を拾うなんて。」
サヤ「いいだろぉ?楽しくなるじゃないか〜」
ちゃんとしたご飯を食べ、すくすくと僕は成長した。
特に…サヤが必死に世話を焼いてくれた。
ビリー「…人間は、サヤに似ているな。」
アリス「サルバにも言われた。」
ビリー「嗚呼…サルバはサヤに特別な感情を抱いていたようだからな。
さ、早く寝ろ」
ビリーは、子をあやすように頭を撫でてくれる。だんだんとウトウトしてきて、ゆっくりと目を閉じる。
ビリー「…人間、貴様のこと、少しは信用してやる。」
ほんと、犬かよ
コメント
5件
ウハァァァァァァァ!!!!!! 案外可愛いやつなんだなビリーは… 悪夢…まさかサヤの記憶…とか?