死ネタ
kntが病気にかかって死んじゃうみたいな
奈羅花卒業が悲しすぎてやばい
夜に見た方が泣けるかもです
頑張って感動系にしました
nmmn注意
地雷の方回れ右
ここから先伏字なし
[余命半年です]
「 え 」
体に違和感を覚えたのは1ヶ月前
咳が止まらず体に怠さを感じて風邪かと思い病院に行くとこのザマだよ
「ただの風邪じゃないんですか?」
[何度も説明する様に貴方の体は限界を迎えています]
医師の言葉など聞こえるはずもなく呆然と結果の紙を眺める
「半年、」
[薬を飲めば咳や体の怠さは治りますが、貴方の核が損傷しているのでそのままでは半年しか耐えられません]
「入院はしなくてもいいですか?」
[いいえ、出来れば5ヶ月後には入院して頂きます。それまでは月に1回、検査に来ていただきます]
死ぬまでの1ヶ月は入院か、
「分かりました」
席を立ち扉に手をかける
[あと、貴方と同じ病気になった方々はみな言います。死ぬ日は直感で分かる。と]
[お大事に]
どうやって帰ったかなんて覚えてない
あいつらになんて言おうかな
もし言って、気にかけてもらうのもいいけど
特別扱いされても得なんてしない
逆に死の実感が湧いてきてただ虚しくなるだけじゃないか
なら、あいつらには黙っておこう
入院する前日とかに言おうかな?それか姿を消して静かに死のうかな?
うん、あいつらには悪いけどかっこ悪いところ見せたくないし
初めの2ヶ月は順調だった。
配信だって、ダンスだって、任務だって、店のことだって、全部こなした
でも死に近づくにつれて一分一秒大事にしたい
いつ死ぬか分からないんだったら今を楽しみたい
生きるのに縋りたい
その感情だけがぐちゃぐちゃになりながら徐々に大きくなって俺の体を蝕む
入院まであと1ヶ月
マネージャーに卒業したいと話した
最初は驚いてたけど、自分で決めたことなら。と運営に相談しに行った
最後の配信は入院の二日前にする予定
この卒業のことはみんなには伝えてない。だって、絶対止められるもん
入院まであと3日
にじさんじのdiscordに最後の配信のURLと卒業するという連絡を送った。
Twitterにも待機所のURLを貼った
個別では心配の連絡がたくさん来る
[大丈夫?]
[なんで?]
[相談のるよ]
[奏斗の事最後まで推し続ける!!]
[これからも大好きだぞ!]
[最後の配信絶対見る!]
今日はリスナーのみんなの温かさに甘えたいな
みんなから来る通知を見て泣きながら眠りについた
卒業したくないなぁ
入院まであと2日
配信開始ボタンを押す
時間ピッタリ
「どもー!にじさんじ所属VOLTACTIONの風楽奏斗でーす!!!!」
[いつも通りで安心した]
[卒業悲しい]
流れていくコメントを見ながら話を進める
「今日はね!最後の配信という事で!事の経緯はあんまり話せないけど、僕個人の問題だからあんまり荒らさないで欲しい、のと!切り抜き禁止です!!そして今回は、逆凸して行きたいと思いまーす!!!」
[把握!]
[逆凸?!]
[人見知り大丈夫か?w]
「ちょっとーw人見知り発動しないように頑張りマース」
「1人目誰行こうかなー」
[VOLTACTIONでしょ]
[ひばいこ!]
「雲雀行っちゃうー?w」
リスナーと話しながら雲雀に通話をかける
「んー出なさそー、他はー?」
[え?!出ないんだ]
[最後に締めくくるでひばにかけ直そ!]
[カゲツとか明那とか!]
[アルスいこー!]
「明那先輩出るかなー?」
「 あっ!もしもーし!配信音乗っけていいですか?」
『童志諸君ごきげんよう!にじさんじ所属のバーチャルライバー三枝明那でーす!!!』
「明那さーん!」
[きちゃ!]
[でた?!]
[でたわね?!]
『なんで卒業しちゃうんだよー!!!』
「まぁ色々あってね」
『それでも俺は奏斗の事大好きだからな!また気分がのったら帰ってきてもいいぞ!』
「はい!」
1人目から泣きそうになる
これから先泣くの耐えれるかなー?
「もしもーし!音のっけていいですかー?」
『あーどーも葛葉でぇーす』
[葛葉?!]
[ええ?!]
『KNTともっとヴァロしたかったー』
「俺も最近LOLやってるんでやりたかったすわー!」
『で、どうよ。にじさんじどうだった?楽しかった』
「はい、まだ配信続けたいです。めちゃくちゃ楽しかったです!!!」
[やばい泣く]
[普通に涙腺崩壊]
「ここらで終わりにしようかなー」
[結局ヴォルタ出なかったねー]
[まだ配信しようよ😭]
[これからもずっと大好きです]
「ねーあいつら何してんのー?リーダーの卒業配信ですよー?!」
ピーンポーン
なんか頼んでたっけ?
「ちょっと待っててね」
[まさか]
[え?]
[んなわけ]
[これでそうだったら泣く自信しかない]
え?みんななんか予想付いてるの?僕全然分かんないけど…
「はぁーい」
『『『奏斗ー!!!!』』』
「えええええええええ」
玄関を開けるとそこには俺の大事な、大事な、仲間たち
「おまえら?!なんで、」
リスナーを待たせてるからと配信部屋に行きミュートを解除する
「えぇーっと」
『VOLTACTIONの渡会雲雀とー!』
『同じくVOLTACTIONの四季凪アキラと、』
『えーVOLTACTIONのセラフダズルガーデンです』
[うわあああ!!!]
[同期最高!!]
[泣くって!!!]
「なんで来たのさ?」
『いやー我らがリーダーがなんか卒業するらしいじゃん?』
「そうだけど、電話で良くない?w」
『直接言いたいじゃん!』
『ゲームしよー』
「自由かよ!」
『卒業するんだね』
配信が終わって寝静まった2人を見ながら話す
「ごめんねー伝えてなくて」
『いいって、卒業したらどうするの?』
「んー貯まったお金でどっか遠くに行きたいなー」
「セラは?」
『俺はまだ卒業する気ないから考えてないなー』
「僕がいなくてもやっていける?」
『もちろんw』
「末っ子のくせにー!w」
頭をわしゃわしゃと無でる
「みんなの事、頼んだよ」
セラの目の端がキラリと光る。これは面白くて笑ってるんじゃない。僕が泣かせたんだ、
床で寝てる2人も涙の後がある
ごめんね
入院まであと1日
入院に必要な物を持ってリビングで寝てるあいつらの顔をもう一度ながめる
「ごめん」
少し遠くの入院先まで大きなカバンを持って家を出る
あいつらにバレないように少し遠くの病院に入院する事にした。
遠くって言っても歩いて1時間半ぐらいの場所にしたのは僕が内心あいつらなら来てくれる、なんて思ってるからなのかもしれない
あーあ、昨日めっちゃ泣いちゃったし目腫れてる
いつもの上着とネックレスにインナー
今この瞬間まで風楽奏斗でありたい
たとえ、もうその風楽奏斗はバーチャルの世界に存在しなくても
死ぬまであと1ヶ月
病院のご飯は美味しいけど、雲雀の作った飯が食べたい
病院では仕事しないからアキラに愚痴を聞かされながら仕事したい
病院では運動しようと思っても伸び伸びとできない、またセラと訓練したい
死ぬまであと1週間
久しぶりにスマホの電源を入れてみた
入院してからずっと消しっぱなしだったから通知が何件も来てる
あぁ
あいつらに会いたい
死ぬまであと1日
病院の先生の言葉を思い出す。
病気に侵食された体は思う様に食を受け付けなくて、点滴で生命を維持してる
前まであった筋肉は無くなって、
薬を飲んでは苦しくなる毎日
[死ぬ日は直感で分かる。]
俺は明日死ぬ
死ぬまであと?時間
7時に起きて、点滴を抜く
いつもの上着を持って
病室の窓から飛び降りて走る
「はぁ、 はぁ 」
この時間は店の準備中なはず
裸足だから足が痛い
病院の服は走りにくい
朝だから少し肌寒くていつもの上着を羽織る
汚いフォームで我武者羅に走りながら来た道を思い出す
ここの角を左に曲がる
ただひたすらに思い出の道を走る
見覚えのある家、店、看板が見えてくる
帰ってきた
扉を無我夢中で開ける
リンリンリン
聞き馴染みのある音が店内に響く
『あー!まだ準備中で、』
カウンターの下から顔を覗かせた雲雀は大きく目を見開き口をパクパクさせる
『かな』
「雲雀ッ!!!!」
思いっきりジャンプして抱きつきに行く
『お前?!どこ行ってたんだよ?!』
「そんなことどうでもいいからさ!今はみんなとゲームしたいなー!」
『お前、』
雲雀は顔辺りに抱きつく僕のことを降ろしてスマホを弄ると呆れた顔で笑いながら頭を無でる
こういう所は最年長っぽい
『飯食う?』
「んーいらない」
いらないっていうか、食べれない
びっくりした顔で『そう…』と応える
いつもの僕ならきっと「え?!食べる!」とか言ってただろうな
リンリンリン
鈴が鳴って扉が開く
『奏斗!!』
「おぉー!やっほー」
僕を見るとびっくりした顔でこっちに歩いてくる
『聞きたいことはたくさんありますが、まずは』
アキラがメガネを上に持ち上げて言う
『病院から抜け出したらダメじゃないですか』
怒られると思って身構えたが予想は外れて優しい顔で困った顔をしながらも笑いかける
「え?なんで、病院」
セラに服を指さされて気づく
あ、病院の服で来ちゃった
『奏斗がいなくなってから凪ちゃんが死に物狂いで監視カメラハッキングして探し回って、月に1回あの病院に行くって分かってお医者さん片っ端から話しかけて事情を知ったんだよ』
セラが冷静に話す
なんだ、バレてたんだ
『それで?なんで奏斗は抜け出したん?』
「んー?わかんないけど、お前らに会いたくて」
そこからずーっと雑談したりゲームしたり、至福の時間が過ぎていった
みんなは泣きながらも笑ってる
はぐらかしたつもりだけど、こいつらにはバレてるだろうなー
俺、まだ死にたくないよ
やりたいゲームも歌いたい歌も、踊ってみたいダンスも、コラボも、大会も、リスナーに届けたいステージも、お前らとしたい事もいっぱいある
でも、死ぬ前にお前らに会えて良かったよ
お前らが俺の同期で、仲間で、友達で、上司で、仕事仲間で
俺さ、お前らのリーダーで良かったよ
「今日だけはさ、わがまま言ってもいい?」
END
コメント
2件
ほんとに感動です。素晴らしいのをありがとう。人類皆生きてくれててありがとう。