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互いの息遣いだけが聴こえるさ中に、シーツの上で両手が固く握り締められる。
「ふ、うっ……感じる」
「私も、だ……」
「感じてもっと……貴仁さん」
「んっ、だめだ……そんなに締めつけたら……」
「いい……このまま達って」
「このままで、いいのか……?」
「いいの……私も、もう……」
身体の奥が、張り詰めるような圧覚に満たされる。
「ああ……はぁ」
彼が吸い込んだ息を大きく吐き出すと、刹那に滾るような肌合いが体中を駆け巡った。
腕の中に抱かれながら、彼の胸へ頬をすり寄せる。
「……貴仁さん、私のこと好き?」
「ああ、好きだ彩花」
問いかけに、飾らない真っ直ぐな答えが即座に返る。
たったそれだけのことが、とても幸せに思えて……。
「ねぇ貴仁さん……」
甘えた素振りで唇を押し当てる。
「制御が利かなくなると、そう言っただろう?」
「なら、してくれないの?」
唇を離し、上目に顔を見つめると、
「いや、しないとは言っていない」
彼が首を振り、シーツに手を突き体を起こして、
「おまえが求めるなら、いくらでも応じよう」
上から覆い被さるように顔を迫らせると、
「ただ、私のセーブはできそうもない」
濡れた舌先を差し伸ばして、わずかに開いた唇の併せ目から舌を絡ませた。
「あっ……」と、喘ぐ声が喉元をせり上がる。
唇から首筋へ、火照りの残る素肌が再び翻弄されると、濃密で甘い夜がまだ果てることなく続くのを感じた──。