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【短歌】
一緒なら少し遠くも歩けそう君と話せば道も短く
【短歌をテーマにした物語】
その日は、朝からよく晴れていた。
「今日は、どこ行く?」
駅前で待ち合わせた私は、隣に立つ君に聞いた。
「前に話してた公園、行ってみない?」
「いいね」
駅から公園までは、歩いて三十分ほど。
普段なら、少し遠いと思う距離だった。
でも、今日は不思議と気にならなかった。
二人で並んで歩き始める。
「そういえば、昨日の宿題やった?」
「やったよ。君は?」
「……途中まで」
「やっぱり」
「なんで笑うの?」
「なんとなく」
そんな他愛のない話をしながら歩く。
学校の話。
最近見た映画の話。
好きな食べ物の話。
次の休みに行きたい場所の話。
話題は次々と変わっていった。
気づけば、駅からかなり離れている。
「ねえ」
「ん?」
「まだ半分くらいかな?」
私が聞くと、君はスマートフォンで地図を見る。
「もうすぐ着くよ」
「え?」
私は少し驚いた。
時計を見る。
歩き始めてから、もう二十分以上経っている。
「早くない?」
「そう?」
「だって、全然疲れてない」
「話してたからじゃない?」
君が笑った。
「確かに」
私も笑う。
それから少し歩くと、公園の入り口が見えてきた。
大きな木々の間から、風に揺れる葉が見える。
「着いた!」
「やった」
二人で顔を見合わせる。
目的地に着いただけなのに、なぜか嬉しかった。
公園の中を歩きながら、ベンチを見つける。
「ちょっと休もうか」
「うん」
二人で並んで座る。
風が気持ちよかった。
「今日、来てよかったね」
君が言った。
「うん」
私は公園の景色を眺めながら答える。
「でも……」
「何?」
「帰りも歩くんだよね?」
「もちろん」
「……ちょっと遠いなあ」
「さっき全然疲れなかったじゃん」
「それは……」
私は少し考えてから笑った。
「君と話してたからだよ」
言ってから、少し恥ずかしくなる。
君も一瞬黙った。
「……じゃあ、帰りもいっぱい話そう」
「うん」
二人で立ち上がる。
帰り道は、来たときとは少し違って見えた。
夕方の光が道路を柔らかく照らしている。
歩きながら、また話を始める。
「次はどこ行く?」
「海とか?」
「いいね。でも遠くない?」
「じゃあ、また歩けばいいよ」
「また?」
「うん。君と一緒なら」
その言葉に、私は思わず笑った。
たぶん、遠い場所でも大丈夫なのだろう。
目的地までの距離が短くなるわけではない。
足が疲れなくなるわけでもない。
ただ、隣に君がいて、くだらない話をして、時々笑って。
そうして歩いていると、いつの間にか目的地に着いている。
それが嬉しいのだ。
「ねえ」
「ん?」
「今日みたいに、また歩こうね」
「うん」
君が笑う。
私も笑う。
夕暮れの道を、二人で並んで歩く。
まだ駅までは少し距離がある。
でも、不思議と急ぐ気にはならなかった。
君と話せる時間が、もう少し続くから。
一緒なら、少し遠くても歩けそうだ。
君と話せば、長いはずの道も短く感じる。
そんな何気ない幸せを、私はこれからも大切にしていきたいと思っ
コメント
1件
読み終わったよ〜〜!!🥺💕 このエピソード、めっちゃエモかった…「一緒なら少し遠くも歩けそう」ってタイトルが最後にじんわり効いてくる感じ好きすぎる😭 歩いてる間の他愛ない会話が、距離を短く感じさせてくれるんだよね。現実の距離じゃなくて、心の距離も縮まってるのが伝わってきて、胸がぎゅってなったよ✨ こういう「何気ない日常の中の幸せ」を描くの、本当に上手すぎるよ水曜さん…!次のエピソードも楽しみにしてるね🌸
羊と亀のお遊戯会
23
奏音•*¨*•.¸¸♬︎💙
10
映え無し

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