新詐欺師です。軍パロから転生し、現パロに移る感じです。貴方も詐欺師も前半で4にますので、ご注意を。エセ関西弁を含みます。また、○○というのは貴方の名前を入れて読んでください!
それでも良い方はどうぞ!
「走っていくから、待っていて。」
私は腕の中の彼に向かってその言葉を放った。
戦場の真ん中で、私はしかと彼を抱いた。
丸眼鏡に、赤がかかった水色の髪の毛、欠けた左足と右目。
そして、安心したかのような微笑み。
この戦争に勝っても負けても彼の元へと走っていこうと約束した。
「チーノ、やっと追いついたよ。」
チーノの背中に語りかけた。
花畑の良い香りが鼻を突く。
川の流れる音も、石を積み上げる音も、それを台無しにする音も、全てが綺麗に思える。
「○○さん…。待ってました。」
彼はこちらを向き、話す。
彼の髪にはもう血はついていないし、五体満足だ。
「土産話、持ってきたからさ、聞いてよ。」
敵国に勝ったこと、そのあと戦死したかのように偽装したこと、みんな私達二人が死んで悲しんでいたことなど。話すことは腐る程ある。
「勿論です。」
チーノはにこやかに答える。その笑顔がどこかで見たことのある笑顔だったが、どこで見たのかも忘れてしまった。
「チーノはここで待ってるとき、寂しくなかった?」
花畑座り、話し合う。
「寂しくなかったといったら嘘になりますけど…でも、おばあちゃんとか、おじいちゃんとか、犬とか猫とかに会えて、案外楽しかったです。」
チーノは話す。しかし、にこやかな顔が無表情になってしまった。
「…でもみんなすぐあっちに行っちゃって…。でも、○○さんが来て、もう寂しくないです!」
またにこりと返す。
素直ではないと思ってしまった。
目の奥は悲しいという感情で埋め尽くされた海で、荒れている。
「チーノ、無理させてごめん。信用してくれて、待っててくれてありがとう。」
思わず抱きしめた。
それしか自分にはできなかった。
チーノは涙が溢れ出し、泣き叫んでいる。
大きな体で不安や心配、寂しさにここで、一人で耐えていたと知り、自分も悲しくなる。
二人して抱きしめ合い、泣き叫ぶ。
「目、赤くなっちゃったな。」
両者とも、目を赤く腫らしている。
「別にええですよ、これくらい。あ”〜…。久しぶりに泣いたなぁ…。グスッ」
「…なあ、チーノ。あっちでもまた会おうな。約束。」
約束をしないと、お前に会う口実が出来ない。
「また約束ですか?w…忘れないでくださいね。」
「…忘れてたら、チーノが迎えに来て。」
「勿論、迎えに行きますから、待っててくださいね。」
指切りをする。
忘れてやるもんか。
何よりも大切な約束なんだ。
絶対に、なにがなんでも守ってやる。
「あ、あの!○○さん、ですかっ!?」
都内某所、大男に声をかけられた。
誰だと振り返るが、誰かわからない。
…いや、見覚えはある。
「は、はい。そうですが…。貴方は誰ですか…。?」
男は目を見張り、自分自身の頭をがむしゃらに撫でる。
「まっじかよ….。ホントに覚えてませんか…?」
ハッと、頭の中に出てきた。この人は、こいつは
「もしかして…チーノ…?」
彼は嬉しそうな顔をする。
私の手を取り、上下にぶんぶんと降る。
「そうです!!チーノです!!○○さん、やっと見つけました!」
犬のようにはしゃぎ、私を抱きしめる。
「チーノ…恥ずかしい。ここ人気多いから、うち来てよ。」
「いいんですかっ!行きます!」
二人は顔を合わせ、微笑む。
いつでも、どんなときでも、むかえにいくから、まっててね。
コメント
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チーノさんかわい
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