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「ねぇ…菫子サン」
外を眺めていると、後ろから声がやってきた
キラキラと輝くその光はまるで私を照らしてくれるようだった
「…パスで」
「まだ何も言ってないよ…」
何も言わなくても分かるから
目から血が出そうなほど、その..気配はおぞましかった
「菫子サンはさ…後ろを振り向かないよね」
「…現実をあんまり直視したくないからね」
「それに、凪斗との約束もあるし 」
私はあくまで死にたくないから
凪斗とはあまり近づきたくない人物だから
「…ははっ…まだ守ってくれるんだね」
「…約束はあまり破りたくない性格なの知ってるでしょ?」
「でもさ…たまには現実を直視してみない?」
たまには、ねぇ…
その言葉には何が込められてるのか…分からない
「キミってさ…僕の姿見たことないよね?」
「さすがにここまで来たなら見てくれると嬉しいんだけど…」
…角生えてる自分を見て欲しいだけでしょ…
「…いいよ」
「本当!?嬉しいな!」
私が後ろを振り向くとそこには案の定、角が生えた凪斗の姿があった
「ハッピーハロウィ〜ン…なんちゃって…」
「まだ早いでしょ…」
「ところでボク、お腹すいたんだけどさ…」
「…食べるな」
この世界には鬼という種族がいて、凪斗もその1人だ
この世界は弱肉強食であり、鬼がヒエラルキーが1番上なのだとか…
「えー…でも勿体なくない?」
「鬼に食べられた人は幸せになれるって聞いたことあるし…」
「そんなのデマに決まってるでしょ… 」
「とにかく、私は死にたくないの 」
「…背中を見せられると不意に食べちゃいそうになるからさ…」
「…食べれば?」
「えっ?」
「いいの?」
「食べれるものなら、ね」
「それってどういう…」
私がフードを取ると、凪斗はすぐに察した
「…そっか…キミも鬼だったんだね」
「私は何百年も生きているから、あまり知られたくないんだよ」
「…はは」
「まだこれからも一緒に居てくれるのかい?」
「…飽きなければね」