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「だからオレは透子が不安にならないように経験も自信も全部身につけて、ずっと透子に気持ちを伝え続けた」
「うん。樹はずっとそうやって気持ちを伝え続けてくれてた。ダメだね。年上なのにこんな自信なくて頼りないなんて」
「ホラ。またそう言う」
「えっ?」
「また年上だからって」
「あっ・・ホントだ」
無意識に言った言葉に、樹は素早く反応する。
「透子はそれでいいんだよ」
そして樹は私をいつでも否定することなく、こうやって今の私を受け入れてくれる。
「このままで・・?」
「そう。別に自信なくたっていい。年上だからって頼りがいある透子を求めてるワケじゃない」
「樹・・・」
「自信がなければ自信持てるように、オレがいつでもどこでもずっとこの気持ち伝え続けてあげる」
「うん・・。こうやって樹が気持ちを伝え続けくれたから、どんどん自信も持てるようになった」
「でしょ?それに透子が頼りがいあったら困るのオレだし」
「え?なんで?」
「透子にはオレに頼ってほしい。オレが透子をこの先もずっと守るから」
「樹・・・」
まっすぐ目を見て、まっすぐ伝えてくれる言葉。
「オレは透子が頼ってくれれば、それがオレの自信になる」
そんな風に考えたこともなかった。
樹の負担になりたくなくて、年上らしく年上の自分であり続けなければいけないって、きっとどこかで思ってた。
だけど、樹は逆にそうじゃない今の自分を必要としてくれる。
自分自身考えることもなかった、気付きもしなかった私という存在を、樹はこうやって気付いてくれて認めてくれる。
あぁ・・もう年下だとか年上だとかそんなのもう関係ない。
樹という存在自体が、私のすべてを満たしてくれて、私にこんなにも力を与えてくれる。
「やっぱ樹ってすごいや」
「何が?」
「私がずっと悩んでたことや気にしていることも、こうやって簡単に解決してくれて、それどころかこんなにも幸せな気持ちにさせてくれる」
「ただオレは透子が好きなだけ」
「うん。その気持ちだけで、こんなにも救われるんだね」
「それを言えば、オレの方こそ透子がいてくれるだけで、たくさん救われて来たから。透子がいなきゃ今のオレはいないんだよ?透子がいることで今のオレはここにいる」
「そっか・・。あの日出会えたから、今の樹はいてくれてるんだ」
「そうだよ?だからオレたちの出会いは必然だって言ったでしょ?オレたちが今こうしていられることは、自分たちで作ってきた必然的な運命ってこと」
「そうだね。この年齢とこの関係だからこそ、今こうしていられるってことだもんね」
「そう。だから透子はずっとオレを信じて、そのまま好きでいてくれればそれでいい。そしたらオレが透子をずっと幸せにしてあげる。オッケ?」
「オッケー。大丈夫。今はもう何の不安も心配もない。ただ樹のこと今までよりも、もっともーっと好きになったってだけ」
「なら、これからもっと幸せになるだけじゃん」
「そだね」
そう言い合って二人で微笑み合う。
うん。こうやって隣に樹がいてくれて、こうやって微笑んでくれれば。
もっと幸せになっていくだけ。