番外編12 『執事が現代に来たらどうなる?』前編
『……。』
(どうしてこんなことに…。)
遡ること数分前。
私は元の世界の自分の家で過ごしていた。
『久しぶりの三連休〜!何して過ごそうかな〜。 』
(部屋の片付けと…。あ、行きたかったカフェにも行こうかな。)
と、その時――。
ピカッ!
テーブルに置いてあった指輪が光る。
『え?』
そしてそこから――。
ボフンッ!
魔法のように執事達が出てきたのだ。
『…え?』
『あ、主様……。』
『『えぇぇぇぇ!?』』
お互いに声を出す。
そして、今に至る。
『つまり、指輪のバグ?でここに来た…と。』
『俺もよくわかんないんすよ。食堂でみんなで飯食ってた時に急に光に照らされて…。』
『そしたらここに来てたんだ。な?ムー。』
『はい!』
『な、なるほど……?』
『ここは俺たちの世界ではないですね……。』
『うん……似ても似つかないものが沢山あるね…。』
『これなんだ?』
『ちょっとボスキさん、主様の部屋なんすから勝手に触っちゃダメっすよ。』
『主様は…おひとりで暮らしてるんですか?』
『うん。』
『なんと!危険過ぎます!』
『夜も1人ってことですよね?』
『うん。』
『この電気…全然消えないけど蝋燭で作られてないのかい?』
『洋服も変わってる生地ですね。主様が作ったんですか?』
『これはなんですか?主様。』
『ちょっとみんな落ち着いて…!』
(そうだよね…みんなとは文化が違うから説明が難しいな……。)
私は一つ一つ説明する。
『なるほどねぇ。ここが主様の世界か〜。』
『綺麗に整理されてますね。』
『女の子らしくて可愛いです!』
『あ、ありがとう……。』
『でも1人なのは心配だなぁ。』
『あぁ。変な輩に襲われるぞ。』
『大丈夫だよ。私の住む世界は比較的平和だから。それにここはタワマンだから変な人は来ないよ。』
『たわ……まん?』
『あぁ、えっと……。』
(分かりやすく伝えるには……。)
『ここはお金持ちの人しか住んでないから安全なの!』
執事達脳内変換中……。
『なるほど。つまりここは貴族が住んでるのか。それなら安心だな。変なやつは近付かねぇな。』
(納得してくれた……。)
『とにかく、みんなが元の世界にもどるまでここで暮らそうか。』
『え、よろしいんですか?』
『だってみんなのこと心配だし。この世界のこと何も知らないでしょ?』
『それはそうっすけど……。』
『まずその服だと目立つから…。着替えようか。』
私はネットで服をポチる。
『主様の世界の服ですか…落ち着きません…///』
『似合ってますよ!ベリアンさん!』
( ´ ^`)<〜ぐぅー
『腹が減ったな…。』
『何か作ろうか。ご飯作るね。』
『俺が作りますよ主様!座っててください!』
『大丈夫大丈夫。私も家では自炊してるんだから。任せて。 』
『わ、分かりました。では手伝いますから何かあれば言ってください。』
『うん。』
私は料理を作る。
ジュー…。
一方その頃――。
『緊張するな……。』
『主様の手料理…。』
『主様!野菜は抜いてくれ。』
『あとキノコもお願いするっす!』
『こらこら。好き嫌いはいけないよ。』
『主様の手料理が食べられるなんて…幸せです。』
『楽しみだなぁ〜!』
『ラト君。主様が困るから座ってようね。』
『すみません、つい気になって…。』
『主様の部屋には不思議なものが沢山あるなぁ…。』
『ここがたわ、マン?ってやつ?広いな。主様はお金持ちだったんだな。』
『流石ですね、主様は。』
『あ、ぬいぐるみが置いてあります!可愛いなぁ。』
『あ、これなんだろう。』
『勝手に触らない方が良いのではないか。』
(みんな自由だなぁ。)
私は横目でみんなを見ていた。
数時間後――。
『はい、みんなお待たせ。白米とわかめと豆腐の味噌汁と肉野菜炒め、焼き魚のホイル焼き、オリーブオイルをかけたアボカドとトマトの蒸し焼きもあるよ。他にも沢山あるから好きなの食べてね。』
『……。』
『あ、あれ。どうしたの?』
『いえ…凄く美味しそうで驚いてしまって。』
『しかも好き嫌いの偏りがないように魚もお肉も用意してくれて……。』
『ふふっ。私達は幸せですね。こんな優しい主様に仕えられて……。』
『そんな!褒めすぎだよ、せっかくだからみんなには美味しく食べてもらいたいなって思って…。 』
(可愛いなぁ……主様。)
こうしてみんなは沢山モリモリ食べてくれました。特にバスティン。
次回はみんなとショッピングは波乱だらけ!?
後編に続く!
コメント
4件
執事達が現世にいるとか想像するだけでテンション上がっちゃいます٩(๑>∀<๑)۶
通知来た瞬間見ちゃった!続き待ってる!ゆっくりでいいよー(* ˊ꒳ˋ*)