図書館の最下層、教員しか入れないところで秘密結社の文献などをとにかく読み漁って分かったこと。
秘密結社メンバーは何らかの個性を持っている。
「そんな昔から個性があったなんて。」
「魔女狩りで根絶やしにしたがメンバーは様々な方法で隠し通した…。」
麗日と緑谷はドイツ国立管弦楽団に関わるすべての人が秘密結社メンバーだと言うことも突き止めた。
ドラゴンは封印されている間も歌い手の歌を聞いていて、歌い手が覚醒するのを待っている。
「謳華さんの歌を遠く離れた場所で聴いていたのですね。」
歌い手は数百年に1人現れるか否か。
「ドラゴンもempを出すって書いてたから、北条の個性がトリガーになった…。」
八百万と轟は英文の古い文献を読む。
キスをすることでドラゴンから踊り子に姿を変えて世界を滅ぼす生物兵器となる。
「あれな。オイラが変わってやりたかったぜ。」
「言うてる場合か。待って、女性を歌い手に覚醒させるキスもしなければって、あれが初めてのキスじゃないの!?」
上鳴の言葉に、爆豪の論文を持つ手に力が入る。くしくも覚醒を解く方法が第三者によるキスだというページを見ていた。
「おとぎ話じゃねぇんだぞ…!!」
少し離れた所で緑谷と麗日が。
「かっちゃん、北条さんのことになるとらしくない反応するよな…。」
「謳華ちゃんが好きなんよ、きっと。」
「すっっっ!?」
「オメーらなんか言ったかよ!!」
「図書館では静かにしろ。」
「先生!!」
「戦況は!?」
円卓に全員集まって、息を呑んで話し始めるのを待つ。
「想定より早く絶対防衛線が破られた。明朝には最終防衛線を突破されるだろう。」
全員悲嘆のため息をつくなか。
「…あいつは。」
「北条は歌いつづけている。それを可能にしているのがオーケストラだ。そこに攻撃をしようものなら、指揮者の個性でシールドが張られて手も足もでないそうだ。あと2人は踊り子にガードされている。」
「完全に詰んでるじゃん。」
「残念だな上鳴、まだ悪いニュースがあるぞ。踊り子に一切の攻撃が効かない。こちらが圧倒的火力不足だ。」
「ゲームオーバーまっしぐらじゃん!!」
「踊り子が本体じゃない。」
「うん。謳華ちゃんの覚醒を解けば弱体化できるんやないかな。」
「無理ゲー一緒にやった時に出てきたボスと一緒だよ。クソ強ぇやつの裏で糸引いてるやつをぶっ飛ばせば良いんだ。」
いまいち話を呑み込むのに時間がかかっている上鳴に切島はそう諭した。
「お前らの方はどうだ??」
それぞれ調べた者が報告をしていき。
「キスか、厄介だなアイツらには近づないし。万一誰がする。」
「オイラだろ。」
「おめーのキスじゃぜってー謳華ちゃんは元に戻らねぇよ。」
「じゃあ上鳴がしろよー!!」
「オレじゃ謳華ちゃん感電しちまうだろ!!したいのは山々だけど!!」
「2人とも五月蝿いわよ。ケロッ、そこはやっぱりねぇ、皆」
蛙吹の言葉に女子は頷き爆豪を見る。相澤先生は思わず顔を背けて笑うのを我慢する。
「笑いたきゃ笑えよ。」
「すまん。でも案外アリかもしれん、2人でトレーニングしているところをたまに見かけるからな。」
「ちゃっかり抜け駆けしちゃって、お前らは。」
「黙れ塩顔っ!!」
「爆豪ちゃん、恋に関しては慎重なのね。」
「みたいねみたいね!!」
「テメェらいっぺん表でろ!!」
「それ以上騒ぐな。有益な情報が手に入った、皆よくやったな。明日の召集に備えてもう休め。」
寮に戻ってベッドに入る頃には日付が変わっていて。
「アイツはずっと歌い続けてるって言うのに…!!」
すぐに駆けつけられないことへの焦りが噴出してしまいそうで。しかしそれを上回る…。
「(オレのキスでほんとに解けんのかよ…!!)」
その事が頭に貼りついて気が休まりそうになかった。
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