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今回も良いですね💕︎湊さんに話しかけてかる人全てにシンが嫉妬してしまうのも最高ですね。笑 また楽しみに待ってますね♡♡
湊が待つコインランドリーの近くまでくると、店の外に湊が立っていた。少し離れた場所から大きく手を振ったが背を向けている湊はシンには気が付かない。
早く気づいて欲しくて走り寄ると、店内に見たことの無い男性がいるのが見えた。
背が高く、シュッとした顔立ちの外国人だ。歳は湊と同じかそれより上。
サラサラの金色の髪が風でなびいている。
楽しそうに笑いながら話している湊を見た瞬間、いかにも湊が好きそうなタイプだとシンは思った。
シンは湊の横に立つと肩を引き寄せ
「this person is mine(この人は俺のです)」
外国人に向かって言った。
突然現れたシンに湊は
「シンっ!?」
驚いた顔をしてシンを見上げる。
シンは外国人から目を離さない。
外国人は困った顔をしながら
「sorry…」
少し笑ってそう答えると
「お似合い…ですね」
今度は日本語で言った。
「おいっシン!なんて言ったんだよっ!教えろって……」
シンの腕を払いながら湊が聞く。
湊の言葉を遮るようにシンが外国人に尋ねる。
「日本語も話せるんですか?」
「少し…だけ…?」
「なら…Please don’t talk too happily。I get jealous(あまり楽しそうに話さないでください。嫉妬してしまうので)」
英語で話始める。
「you care about him(君は彼の事を大切に思っているんだね)」
「Because we’re lovers. Of course(恋人なので。当然です)」
「I see…(なるほど…)」
ジェスチャーを交えて話す様は外国人ならではだとシンは思った。
英語が全くわからない湊は
「おいっ!全く話が見てねぇって!」
2人の間に割って入ってくる。
「日本語で話せって!で、なんて言ったんだ?」
「軽く自己紹介を」
シンが答える。
「本当か…?」
疑いの眼差しでシンを見るがにっこり笑って誤魔化されてしまう。
「湊さんこそ、この方と何を話していたんですか?」
「道を聞かれたから教えてたんだ」
「説明できたんですか?」
「スクールとケヤキは聞き取れたから欅高校だろ?母校だからなっ、きちんと説明したぞ!」
「一応念の為俺が聞きます。where do you want to go?(どこに行きたいんですか?)」
「keyaki-university(欅大学)」
「ok。Please wait(わかりました。ちょっと待ってて下さい)」
シンは欅大学までの道を説明した。
「See you again(また会いましょう)」
そう言って握手を無理やりすると外国人は去って行った。
「合ってただろ?」
「違いますよ!大学です。欅大学までの道を聞かれたんじゃないんですか?」
「だってスクールって…」
「ask for directions to the school。そう聞かれたんだと思いますけど」
「わかるかっ!」
「ですね…説明はしておきました」
「お前が来てくれて助かった…危うく違う道教えるとこだったわ…」
「湊さんの力になれたなら光栄です」
「しかしお前の大学になんの用なんだろうな?」
「さぁ?ところで…英語がわからないのに随分と楽しそうに話してましたね」
「言葉が通じなくても案外心で通じるもんだぞ」
「へぇ…」
「なんだよ……」
「湊さん。タイプでしたか?」
「はぁ?んなわけねぇだろっ」
「どうだか……」
「あのな…俺のタイプはさっきの人とは全く違うぞ」
「じゃあ、どんなのがタイプなんですか?」
「それは……」
少し言い難そうな顔をして続ける。
「黒髪で…俺より背が高くて…料理ができて…頭が良くて…俺より10も歳下で…………ずっと俺の事だけ想ってくれてて……」
「それって…俺の事ですか?」
「……そーだよっ他にいねぇだろっ!お前は俺の……自慢の恋人だよ……ばか……」
言った後で顔が赤く染まる湊が可愛いくて仕方ない。
「湊さん…ハグしても良いですか?」
今すぐに抱きしめたくなる程に…。
「少し…だけなら…」
湊に近づくと、優しく抱きしめた。
「湊さんが俺以外と楽しそうにしているのを見るとつい苛立ってしまって…すみません」
「謝るな…お前が苛立ってくれるのを俺は……嬉しいって思っちまうんだから……」
シンの胸に顔を埋める湊を益々可愛いくてたまらなくて
「今すぐキスしたい…」
断れるのをわかっていても言わずにはいられなかった。
「……それはダメだ…誰か来るかもしれないから……」
「ですね…」
落ち込むシンを見て湊は、シンの腕を掴む。
「でも……」
シンを店内に連れて行くと、カーテンを閉める。
「これなら………」
そう言ってシンの首に腕をまわし湊からキスをした。
「これ以上は…」
「わかってます。十分です……」
「そんなにニヤけた顔してんなっ。こっちが恥ずかしくなるだろっ……」
「照れてる湊さん可愛いです」
「るっせぇ…帰るぞ!」
「はい」
返事をした後でシンは考えていた。
そういえば…さっき、See you again。って…また店に来るつもりなのか?それとも俺に?確かに、通っている大学だ。とは説明したけど…学生の雰囲気はしなかった…。
「シンっ!置いてくぞ」
「待ってください!湊さん!!」
慌てて湊を追いかける。
考え過ぎだろう…。そう結論づけてシンは考えるのをやめた。
数日後、特別講師としてさっきの外国人がやって来た…
それは、また別の話……。
【あとがき】
半年記念のリクエストは今のところなさそうですので…リクエストコメントいただいた方限定公開とかも考えてたのですが…やはりどこの誰だかわからない輩にコメントするのは勇気がいりますよね。
なので、通常運転で続行させていただきますね♪
このお話は続くかは未定です。笑
それでは、また次回作でお会いできますように…
月乃水萌