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康二 side
本当はこんな事したい筈じゃなかった。
正直焦っていた。
長い事しょっぴーに対する片思いを拗らせているのは俺だって同じだった。阿部ちゃんより先に俺が告白していればきっと状況は変わってたはずだ。
あのノートを手にした時、自分の中で箍が外れたような気がする。真っ直ぐとしょっぴーに対する想いが綴られたそのノートには俺の顔が熱を帯びるほどしょっぴー愛に溢れ・・・俺は正直阿部ちゃんに敵わないと思った。
酔っ払ったしょっぴーは可愛くて綺麗だった。
俯き節目がちのしょっぴーは冷たい手で俺の腕を掴むと〝気持ち悪いよぉ〟と言って俺に擦り寄るようにコトンと寝てしまった。
目の前でぐっすりと眠る大好きな人を前にして俺は理性を保てなかった。抱き抱えて俺の家に連れて行くとベットに寝かせた。
翔太💙『ンンっ…頭痛い…お水くらさい……』
呂律が回っていなくて可愛いったらない。俺はキッチンにあったお酒をコップに入れ寝室に行くと口に含んでしょっぴーに口移しした。嫌がるしょっぴーを見てはどこか自分の中に蠢く独占欲のような感情が溢れ出て〝自分のモノ〟にしたい欲望が沸々と溢れ出るのを感じていた。
翔太💙『やっイヤ…何コレ//んはあっ…喉熱い』
目をキョロキョロと左右に動かし、制御出来なくなった身体をベットに沈み込ませ手で温もりを探している。
翔太💙『リョウ…どこ?ンンッ熱い…』
しょっぴーは熱いと言って上半身裸になると、腕を掴んで俺をベットにあげた。
翔太💙『亮平くん…そこに居たのンフッ////ねぇ気持ちいことして?』
人を識別できない程に酔っ払い、俺を誘った。綺麗で柔らかい頰を撫でるとくすぐったそうに肩を震わせ俺にキスをした〝ん?いつもと何か違う…〟そう言ったしょっぴーを誤魔化すように貪った。嬉しそうに俺の足に絡められたしょっぴーの足はイヤらしく股間を擦り上げてきて、そこで俺は完全に理性を失った。不乱に貪り尽くす。最初で最後かもわからないしょっぴーの全てを舐め尽くし、しょっぴーの中に俺を刻んだ。
翔太💙『ンンンっリョウ激しい////』
一つも悲しいだとか惨めだとか不思議と思わなかった。しょっぴーを抱く〝俺〟を受け入れ感じているのは確かだから。それから数回しょっぴーにお酒を飲ませた。こんなにお酒に弱く酔っ払うなんて俺だけの秘密にしよう。
可愛いしょっぴーの姿をカメラに撮った。
腰を捩らせ善がる。
腕を伸ばし俺を求める。
四つん這いにさせると俺の屹立を咥え、首を伸ばすと天を仰いだ。
首筋に光る汗。
そのどれもが美しく写真に収めた。
これも俺だけの秘密・・・
力尽きたしょっぴーは何度か絶頂を迎えると、そのまま枕に突っ伏して朝まで目覚める事はなかった。可愛いお尻を数回撫で俺もその隣に横たわった。この時、しょっぴーのカバンに入っていた阿部ちゃんの家のモノと思われる鍵を盗んだ。
康二🧡『いつか本気で俺のこと見てや////しょっぴー』
その後送られてきた阿部ちゃんのソロ曲を聞いて俺の疑念は確信に変わった。
〝阿部ちゃんには勝てない〟真正面からアプローチしても敵わないと思った。普段ツンデレなしょっぴーを後も簡単に虜にする阿部ちゃんが嫉ましくて仕方なかった。
今は残されたしょっぴーの写真だけが俺の手元に残りしょっぴーの記憶にない一方的に愛した〝記録〟は俺だけのものだった。
〝隠し玉〟何て最低な事を…
こんな可愛いしょっぴー誰にも見せたくない。
スヤスヤ眠るしょっぴーの寝顔一枚だけ残して全て削除した。
これ以上自分を嫌いになりたくなかった。
また明日からタイと日本の往復が始まる。メンバーから送られてくる〝頑張れ〟の中にしょっぴーの言葉は見つからない・・・
翔太 side
朝起きると佐久間の姿はなかった。スマホに〝鍵はポストの中〟とだけ短いメッセージが残されていた。髪を乾かさずに寝てしまった。スキンケアもサボった酷い顔の自分を、鏡越しに睨みつけると、シャワーを浴び仕事の準備をする。
佐久間に〝昨日はありがとう〟とだけメッセージを送った。
亮平からは俺の体調を気にするメッセージが届いていた。〝早く会いたい〟と言えずにいる俺の人差し指が、意地らしくスマホの宙を浮いている。会いたいの代わりに〝体調はすっかり大丈夫だよ。お仕事頑張って〟と送ると心配していたのかすぐに返信が来た。〝明日の午前中には東京に帰るから待っててね♡〟可愛らしく最後にハートマークが付けられ昨夜の事など吹き飛ぶくらいに嬉しかったし胸がドキドキ高鳴った。
何か亮平が喜ぶ事出来ないかな…
付き合ってから二人でまだどこへも出掛けられていない。また買い物とかも行きたいし、駄菓子屋さんとかも行きたいな…
亮平の行きたいところってどこだろう。美術館とか好きそうだな。
亮平の事を思い浮かべていると、とても幸せな気分になる。
翔太💙『早く帰って来〜い』
マンションを出て日陰で涼む猫にそう言うと、澄ました顔で一瞬だけ俺を見て半回転してお腹を見せると伸びをして見せた。俺のどこが猫に似てるんだ?もう少し愛想いいぞ。
8月の日差しを避けるようにビルから伸びた影を伝い歩いた。亮平の居る沖縄はもっと暑いのかな?なんて終始亮平の事が頭をよぎった。
こんな俺も悪くない・・・
今日の仕事は雑誌の撮影。その後は最悪な事にラジオの収録は康二とだ。どんな顔して会ったらいいんだ・・・普通に収録できるか不安しかない。
撮影が思っていたよりも早く終わり、ラジオ収録があるスタジオまではタクシーで向かう。向かっている途中康二から連絡が入った。収録前少し話がしたいと言われ近くの喫茶店で落ち合った。
康二🧡『しょっぴーこっち』
よくも普通の顔で会えるもんだと感心し向かい合って座ると、いつもの康二じゃなかった。昨夜おそらく眠れなかったのだろう目を腫らし憔悴しきった康二の姿がそこにはあった。康二は謝罪の言葉を何度も繰り返し泣き崩れた。俺は責め立てる言葉が見つからなかった。
康二🧡『なんか言うてぇな』
無言で謝罪を聞いていた俺は〝お前を弟みたいに思ってる〟そう言うと肩を震わせ益々泣いた。
康二🧡『しょっぴーに嫌われたら俺生きていかれへん・・・』
翔太💙『嫌いだなんて言ってないだろ?康二は仕事も一生懸命向き合ってるし、グループに欠かせない大切な仲間だそれに明日から海外だろう?応援してるよ』
康二🧡『俺は一人の男として見て欲しかってん。失恋ってこんなにしんどいねんな。阿部ちゃんと仲ようしてな』
屈託ない笑顔で笑うのが康二らしい。いつも俺を笑わせて、意外と甘えん坊で弟気質な所が可愛かった。
翔太💙『康二にはいつも笑ってて欲しい。泣いてるお前なんて見たくないよ』
康二の頭をわしゃわしゃと撫でると〝優しすぎるんよ、しょっぴー〟と言ってまた泣いた。
康二🧡『しょっぴー・・・安心して、俺とエッチなんかしてへん。嘘ついてん。ホンマあかん奴やな俺…ごめんやで』
今度は俺が泣いた。良かった…。
亮平を傷つけてしまった事がずっと辛かった。康二は悲しい顔を一瞬見せたものの笑顔を取り繕って〝お幸せに〟最後に一筋涙が流れると〝あぁもう今のがホンマに最後の涙やからな〟と言ってハニカンだ。
その後のラジオ収録はまるで何事もなかったかのようにいつものように楽しく終わった。数時間後に康二はタイへ飛び立つし、亮平は沖縄から帰ってくる。
康二🧡『しょっぴーこの後サウナ行かへん?』
翔太💙『いや、お前明日海外だろ早く帰りな』
〝ええやんかぁ〟と言う康二と別れてタクシーに乗った。マンションへと戻り亮平の部屋のベットに横になると、亮平から電話が入った。
亮平📲『翔太、お土産何がいい?』
翔太📲『亮平くんがいい////あのね…早く会いたい』
やっと言えた〝会いたい〟を自分で言ってくすぐったかった・・・
電話の向こうの亮平からも〝俺も…早く会いたい〟と返ってきて電話が切れると、ベットの上にコロコロ転がった。その日は亮平の匂いが残るベットの上で朝までぐっすり眠った。
コメント
18件
データ消しちゃったの勿体ないよなあ🧡
でもエッチしてないって嘘ついたのは後々何かの火種になりそう🤔
全話読み返してきました。 みんなを惑わす魔性の💙? 💙は裏表なくまっすぐだから 毒牙ぬかれちゃうのかな?