薄紅色の桜の花びらが揺れる4月。
少年死刑法の更生プログラムから、
半月経過した平日の昼下がり――。
いわゆる『刑務所』の重々しいイメージとはかけ離れた、
近代的な外観が特徴的な、奥多摩少年刑務所の正門に、
ふたりの少年少女の姿があった。
ある少年は、少年刑務所に収監された時よりも、
少し大人びた顔立ちをしており――。
「もう二度と、こんなところに来るんじゃねぇぞ的なイベントはないんだな…」
また、ある少女は触れれば切れるような鋭さを、
ほんの少しだが和らげているように見えた。
「でも、暫くは監視がつくみたいよ。
現に…今も何人か、こっちを見てる」
「保護司の保護観察じゃなくてガチの監視!?
おいおいマジかよ!」
「ふっ、冗談よ」
「鷹巣(たかす)が言うと…冗談に聞こえねぇんだよ」
奥多摩少年刑務所の前には、ひと気がほとんどなかった。
多少はマスコミやら*************
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