テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
52
歌大好き!
78
#異世界
あのち
1,469
16
「 なんで。 」
────────────────────────
朝 俺はいつもより早く学校に来た
松本 「……あれ、珍しいっすね!」
「……」
松本 「…嶺二さん? …今日は確か、体育ありますよ〜!俺、楽しみすぎて眠れませんでした!」
「……おう」
…松本、普通……だな。
普通過ぎる。
昨日、俺の目の前で泣いたのに。
いつも通り俺に話しかける
…逆に変だ。
松本 「そういえば挨拶してませんでした! おはようございます〜!!」
「……おう」
こいつ、頭おかしいのか?
恥ずかしくないのか?
松本 「今日も一日頑張りましょうね!」
「………おう」
……
なんでこんないつも通り…なんだ?
────────────────
授業中 俺はなぜか松本の事ばっかり見ていた
「……」
松本 「ここ難しいんだけどどういうこと?」
佐原 「ああ、ここはね……」
「……」
授業中もいつも通り。
…俺が……おかしいのか?
松本 「ようやく昼だ…」
「……だな」
昼、俺はまた松本に焼きそばパンを頼んだ
松本 「ちょっと待っててくださいね!」
「……」
松本 「買ってきましたよ!」
「…………あり…がと」
松本 「…え」
「なんだよ」
松本 「……昨日のこと、もしかして気にしてます?」
「………は?」
松本 「分かりやすすぎっすよ〜! 授業中もずっと俺の事ばっかり見てたし」
「……」
……図星すぎる
松本 「……あの後俺、実家に行ったんです。兄貴と」
「……」
松本 「実家に久しぶりに言って、親とも兄貴とも話し合って、”相談”できる所は相談してきました。
だからもう俺ピンピンです!!」
「……そうか。」
本当にピンピンなのか? …こいつは。
……それと、相談…って何だ? 殴り合い…
殴り合いを…したのか!?
「……相談…というのは、殴り合いをしたのか?」
松本 「……は…? 殴り合い?」
「………相談って…?」
松本 「いや、話しました 」
「…話す?」
松本 「兄貴が思ってた事言って、俺も兄貴に対して思った事を話しました。」
「………」
松本 「俺、今まで勝手に否定されると思ってたんです。でも昨日初めて聞いたんです」
松本 「………兄貴、心配してただけでした」
「………」
松本 「だから、話しました。そして親にもこの事を言ったら兄貴怒られてましたよ〜」
「……」
意味が分からない。
言葉だけで終わるのか?
殴らないのか?
痛く、ならないのか?
松本 「………嶺二さん?」
「……話すだけで、変わるのか?」
松本 「……全部…ではないですけど、変わると思います」
「……」
松本 「嶺二さん…って、誰かと相談したことないんですか?」
止まる。
「……」
相談?
何だそれ、困った時に言うやつか?
……
じゃあ俺は、誰に何を話せばいいんだ?
「……ない」
松本 「…え」
「…困ったら、自分で終わらせるだろ」
空気が止まる
松本 「……それ、しんどくないんですか?」
「……別に」
松本が少しだけ困っている表情をしている
松本 「…嶺二さんって、案外変な人……なんですね」
「……は?」
松本 「いや、喧嘩強いのに相談の方知らないんだなって」
「……」
何言ってるんだ、こいつは
相談なんて、
弱い奴がするんだろ?
松本 「………あともうちょっとで終わりますよ!
家早く帰りたいっすね」
「……おう」
俺は自分の席に戻り、座った
────────────────────
松本 「嶺二さん、さようなら!」
「……お前は、帰らないのか?」
松本 「俺ちょっと約束があって……」
帰る時、俺は松本と帰ろうとしたが 約束がある と言われた
「……そうか、気をつけろ」
松本 「……! はい!!」
俺はそういう松本を後にして、下駄箱へと向かった
「……」
俺は、2階にある生徒室へ向かう
その理由は… 嶺二さんのことを知りたいから だ。
今日の昼、嶺二さんが相談の意味を分かっていなかった。
それを余村先輩に知らせるために。
コンコン
余村 「どうぞ〜」
ガチャ…
「……失礼します。」
余村 「あれ、松本くん」
白宮 「珍しいですね」
葛西 「……どうしたの」
「……相談…があって。」
余村先輩が少し笑う
余村 「どうしたの? …ここいいよ」
「……ありがとうございます。
……今日、嶺二さんに相談は何か聞かれたんです」
空気が止まる
風間 「……!」
葛西 「……」
白宮 「…」
余村 「……そう」
「半分冗談かと思いましたけど、本気でした。
相談って、殴り合いの事かって言われて」
風間 「……あいつ…」
葛西 「……」
余村先輩が考えてから言う
余村 「……松本くん」
「……はい」
余村 「嶺二くんって、困った時人に頼るっていう発想自体が少ないのかもしれない。 」
「……」
余村 「だから、相談を知らないんじゃなくて知らなくても生きてこられたのかもね。」
「……そう…ですか。」
余村 「…でもね、知ろうとしてるなら違う。」
「……違う?」
余村 「今日、相談って何? って言われたんでしょ?」
「はい」
少し笑う
余村 「……なら、大丈夫かもしれない。」
「……」
余村 「本当に閉じてる人って、聞こうともしないから。」
「………」
「…本当に…そうなんでしょうか。」
俺は無意識に口から出てきてしまった
余村 「……なんで?」
「…今日、嶺二さんにそう言われたあと俺、意味がわからなくて黙ってしまったんです。」
「……そうしたら、「困ってたら自分で終わらせるだろ」…って。」
風間 「……本当にあいつは…」
葛西 「……」
白宮 「……狂ってるんですか…本当…」
余村 「……」
余村先輩は少しだけ黙ってしまった
驚きもしないし、怒らない。
ただ、静かに考えてる
余村 「……そっか。…松本くん」
「……はい」
余村 「その時、返せなくて良かったと思うよ。」
葛西「……」
風間 「……は?」
白宮 「……」
余村 「だって、答え知らないのに返したら多分、嶺二くんもっと閉じちゃうと思うから。」
「……」
余村 「…嶺二くんってね、人に聞くの慣れてない…と思う。だから勇気出して聞いた時に正解返されるより、」
余村先輩が少し笑う
余村 「一緒に困ってくれる方がいい時がある」
「……」
余村 「松本くん、黙ったでしょ」
「……はい」
余村 「それ、悪くないよ。
嶺二くん、意外と人が逃げる方が慣れてると思うから。」
葛西 「……」
風間 「…」
白宮 「……」
空気が止まる
余村 「…だから、残ってくれる方が苦手なんじゃないかな。」
「……」
俺は少し下を向いてしまった
「……俺、何かしてあげた方がいいですか」
余村先輩は少し考えてから言う
余村 「…今は、いつも通りでいてあげて。」
「……」
余村 「嶺二くん多分、自分が自分に困り始めてるから」
「……分かりました。
教えてくれて、ありがとうございます。」
余村 「うん、もう大丈夫?」
「…はい、もう大丈夫です」
俺はドアに近づく
「ありがとうございました。」
風間 「また困ってる時おいでな!」
白宮 「…来られすぎたら困りますけど」
「……」
余村 「…松本くん」
「…はい」
余村 「また、嶺二くんの事について知りたくなったらおいで。」
「……分かりました、ありがとうございます。」
余村 「うん、じゃあまたね!」
「…はい…!」
俺はそこでドアを閉じた
「……」
胸が重い。
…それは、何故か分からない。
……
嶺二さん、一体貴方は何者で、
何を抱えているんですか…
あんなに小さい身体で、俺達と同じ子供なのに…
「…」
一体、何を抱えているんですか…?
コメント
1件
うわっ…第9話、めっちゃ重くてあったかかった…😭💕 「相談」の意味を殴り合いと思ってる嶺二くんに、松本くんが「話すだけでも変わる」って返したところがグッときた…。 余村先輩の「一緒に困ってくれる方がいい時がある」って言葉、胸に刺さる…。 嶺二くんがどう変わっていくのか、すごく気になるし応援したくなる😢💖