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はぁ…今回も美味しい神作ありがとございます…❗️💕︎💕︎ 心中落ちって本当に綺麗だと思うんですよ❗️ ですけど生きて幸せになって欲しかったような気もします❗️ けどお互いの恋心が確認できたのは良かったなと安心しました❗️💕︎💕︎ 次の神作も見に来ます❗️❗️ 後誕生日絵描けたのでゴールデンウィーク中には出したいなと思ってます❗️
いいですねぇ…心中オチってほんと、好きです……他にこのふたりが幸せになる方法はなかったのかな、と思いたくなってしまう気持ちもありますが、お互いの恋心を確認できたのは良かったなと……来世では幸せに長生きして欲しいです、!神作ありがとうございました!!!
注意書___。
・初心者の為下手です。
・全てフィクションです。
・思い付きながら書いておりますので、誤字脱字がある場合が御座います。
↓読む際は御考慮下さい。
俺には好きな人が居た。
名は海野棰靖(アマノ スイセイ)、御館様…一般のヤクザで言う組長の御息女だった。
箱入り娘でありながら戦闘力も思考も全て桁外れの天才で抗争でも先頭に立ち戦う。
其れに指揮も群を抜いていた。
美人で天才で勇敢で御館様の御息女で…そんなの誰でも好きになると思うだろう。
だがその予想は外れだ。
学内では畏怖の目で影口を言われ、組織内では嫌がらせを受け気味悪がられた。
冷徹、悪魔、死神、忌み子、心無し、化物、異物、獣…ずっとそんな言葉が絶えなかった。
俺は嫌がらせ等はしなかった、けど助けもしなかった。
関わりたくもなかったから避けて、見て見ぬふりをした。
ただ其れは彼女も同じだった。
嫌がらせも影口も何をされようとも無抵抗で罰も与えない。
影口が聴こえても、暴力を振るわれても、犯人が分かっていても、誰が仕掛けたかを見ても。
全部の罠に引っ掛かって、傷が出来て、見知らぬふりをして…何も知らない、何も聴こえない様に振る舞っていた。
喜怒哀楽を知らない少女。
昔、気味が悪いと言われ差別を食らった俺でさえも少しばかり不気味だと思って居た。
その考えも彼女によって覆された。
ある日の抗争時に助けられた、冷徹で人が死んでも何も思わないそんな彼女にだ。
驚いてる俺を差し置いて棰靖は銃を片手に口を開いた。
「何故驚いているのかは分かりませんが、そんなのは後にしなさい」
「もう自身が戦えず無理だと判断したら逃げなさい、もし貴方と私が生きていたら又後で話しましょうね」ニコッ
そう笑顔で言い、銃のリロードが終わると敵の中心部へと走って行った。
淡々と話して特攻と言うほぼ確定な自殺行為をした彼女に不思議と興味が湧いた。
その抗争は死者は無しで怪我人は俺含む十数名と言う結果となった。
数日後の俺は助けて貰った御礼を言いに庭の方に居るらしい棰靖の元へと向かった。
庭へ着くと怪我をして居る彼女を見付けた。
ほんの少し吃驚した、自殺行為をした彼女が怪我をしても不思議ではないのに。
此方に気付いた棰靖は多少目を見開いた。
俺が生きている事に驚いたのだろう、まぁ俺はただの構成員だから仕方無いと思った。
「こんにちは、御互い生きていましたね」
微笑みながら話してきた彼女は見てきた印象よりも優しい雰囲気だった。
「嗚呼…、前回は助けて頂き…有難う御座いました、助けて貰わなければ今頃の俺は死んでいました」
あの瞬間、倒れた時撃たれそうになったのを庇ってくれたのだ。
だから実際に俺は死んでいた、本来ならば守らなければいけない存在に守られてしまった。
「俺のせいで怪我をさせてしまいました、申し訳ありません」
正直、その時迄は守ろうとすら思っていなかったのを今は恥じている。
流石に解雇か破門か…若しくは罰として殺されるか…そんな事を思っていた。
すると、
「礼何て良いですよ、私は貴方が生きていて良かったと思っています」
「怪我と命、どちらが大切か分かりますね」
予想外だった。
真坂そんな言葉を掛けられるとは更々思っていなかった為、大いに驚いた。
俺にとって…助け船だったんだろう。
だが今回の場合は別だ、例えこの人がお人好しとは言え限度がある、場合によっては彼女を死なせていた様な行為だ。
許してはいけない行為、罰しなければいけない様な無礼行為、不敬罪にすら成りかねない。
そのままにしておけば良い物を俺は構わず話し始めた。
「…ですが此れは許されざる行為です、せめて何か罰を下さい」
少しの沈黙があった後、棰靖は口を開いた。
「あの、貴方の名前は何ですか?」
突然だなとは思いつつも、名乗らなければ話しにはならないと納得した。
「俺は…一般構成員、山吹夏輝(ヤマブキ ナツキ)と申します、夏輝で大丈夫です…」
「分かりました、夏輝君ですね、私の名前は海野棰靖、棰靖で構いませんよ」
(いや其れは無理だろ…仮にもアンタお嬢様的立ち位置何だぞ…???)
棰靖と話しているとツッコミが止まらなくなりそうになる。
棰靖の名前は勿論知れている、構成員だからと言うのもあるが、何時も上司に見たら離れろと言われていたのが一番の理由かもしれない。
棰靖の名を知っているのを彼女は知ってる。
確かに初めましてだが、俺の名前を聞けば其れで良いだろう、そんな事を思っていると棰靖が話す。
「では夏輝君、人の命は何時まで続くと思いますか、短時間?其れとも永久?」
「えっ、」
不意に声が漏れてしまった、今迄そんな内容は聴かれた事は無かったし、考えた事もほぼ無かった。
其れに聴かれるとは思ってなかった、と言うか考えてすら居なかった。
答えないと無礼になると思った俺はその問いに答えた。
「知りません」
又もや沈黙が流れた。
いや、うん、素直すぎたのかもしれない、何と言うか…俺は何してるんだろうと自分でも疑問になってしまった。
すると棰靖は笑った。
「夏輝君は凄い素直ですね!」
「分かりませんや他の意見が来ると予想していましたが、真坂知らないと出てくるとは思いもしませんでした!(笑)」
豪快かつ淑やかに笑う彼女を見て、彼女も笑うんだな、何て当たり前な事を思った。
しかも危うく、口に出そうだった…。
「確かに知らないですよね!、私にも分からないです」
少し笑いが収まった彼女は又話し始める。
「人の命は簡単な事で途絶えてしまう、形あるものは何れ壊れる…」
「壊れてしまえば元には戻らない、物も人も同じ原理…、けれど人と言うのは本当に一度きりですからね」
「その一度きりを一分一秒でも多く謳歌して欲しい…守った理由は此れだけで十分ではありませんか?」
この人の何処が冷徹で悪魔なのだろうか、人の事を考えて守って優しい人だ。
その日以降、若しくはあの日から彼女への印象はガラリと変わった。
棰靖と交流して数年が経つと、彼女の事が色々と知れた。
彼女は何時も計画に出るであろう死人を最低限にしていた事、怒らない理由、感情を表に出さない理由等、結構な収穫となった。
彼女は愛し方を知らない、愛された事が余り無く大人の様に接されていたからだろう。
因みに俺は何故か棰靖の護衛役の二人に認められ、護衛役の三人目となってしまった。
棰靖に会えるから良いばかりだが…、少しの判断で間違えた時の事を考えると末恐ろしい。
構成員時代の仲間に棰靖は本来こう言う人なんだと噂を流してみたが効果無し。
悪い噂は絶えなかった。
其れに最近、棰靖が怪我をする事が多くなって居る気がする。
棰靖は大丈夫と言っているが、時々一人で泣いている姿を見付ける。
「棰靖さん」
声を掛けると泣き止んで、
「夏輝君、どうしたんですか?」
と、何事も無かったように笑って見せる。
俺は棰靖に信用されていないんだなと痛感する。
「見掛けたので」
ただそんな彼女へ掛ける言葉が分からない。
端的な言葉を返す俺はこの人からどう見えているのだろうか。
俺に出来るのは何も言わず隣に座って一緒に居る事しか出来ない、其れでもまぁ多少は安らぐだろうか?
「…、夏輝君…有難う…」
消えそうな声で俺に礼を言う彼女は今迄見たことがないくらい弱々しかった。
「夏輝君、少し悩みを聞いてくれませんか」
ある日そんな事を言われた。
棰靖にしては珍しいなと思いつつも、俺ははい、と答えた。
「私、近々婚約するそうです」
頭が真っ白になった。
何と言うか、頭に石を投げられた様な…そのせいで頭が働かず、何も口に出来なかった。
お構い無しに棰靖は話す。
「私より遥かに年齢が高い人でした」
「…私自身、婚約したくありません」
昔から嫌とか言う人では無かったから又驚き、少し安堵した。
何故安堵したかは分からない。
「…こんな事なら、夏輝君が貰ってくれませんか」
俺の考えも思いも全部置き去りにして話している。
願う事なら貰いたい、だが彼女は?婚約を避けるために言っているのか?駆け落ち…いや目立つか、何て馬鹿な考えを空回りしている。
気を抜けば感情が口に出てしまいそうだ。
先程から色々と聞いて混乱してしまっている、だが何か言わなければいけない、何かしら言葉を掛けないと駄目な気がした。
「わ、分かりません」
真面目に相談に乗って、色々と話しているなら良かったのだろう。
口に出した言葉は端的すぎる、冷酷だと彼女を傷付けるだけだ。
だが彼女は笑った。
「昔と変わらず素直ですね(笑)」
「貰って何て流石に冗談ですよ、貴方も嫌でしょ?(笑)」
泣きそうな顔が隠せていない、冗談では無いだろう。
嫌じゃない、好きだから側に居る。
本人に言えずに溜まっていく。
伝える時なんて来ない。
そう思っていた。
数日後の朝、棰靖に会いに行ったが誰も居なかった。
「!!、夏輝!!」
慌てた様子で上司兼護衛の一人、妖燈(ヨウトウ)が声を掛けてきた。
来る途中等でも見掛けなかったから見てないと答えると、そっか、だよな、で済まされた。
何かあったのだろうか。
「あの、何かあったんですか」
聞くとお前なら良いかと答えてくれた。
「実は朝から居なくてさ…、俺も成も探してるんだよ…、置き手紙すら無くて、」
「今迄こんな事無かったのにッ…」
行方不明…?、何故そんな事に…
「夏輝!!妖!!」
「成!」
成瀬(ナルセ)さんは俺の直属の上司兼もう一人の護衛だ。
二人は何時も冷静で温厚な人達だが、矢張今回に限っては本気で焦っている。
二人にとっては恩人が消えたのだから仕方無いが、俺も内心焦りまくっている。
「妖は西!!夏輝は東を探せ!!」
「はい、!」
抗争は日常茶飯事。
生死は隣り合わせ。
だから”私”が此処で死んでも、誰も不思議には思わない。
それに私は嫌われてるから…。
此れで婚約は破棄される。
私にだって嫌なものはあるもの、一度くらい否定しても良いでしょ?。
御館様が抗争の事を話し、私が立候補したら良いと言ってくれて助かった。
敵の壊滅は置き土産にしておくには少し足りないなと思っていた。
みんな、私が居なくても上手くやれるかな?
妖燈君も成瀬君も夏輝君も…何時も大変なのに、私の我が儘で御免ね。
会えなくなるのは、辛いな。
「棰靖さんッ」
夏輝君?どうして此処に居るんだろう。
「どうしてこんな自殺行為をしたんですか」
…そうだね、ある意味新手の自殺だね。
婚約するのが嫌だから、何て理由は通じないよね、それなら逃げれば良かったんだから。
「…黙りですか」
うん、御免ね。
納得何てして貰えないだろうから、ほぼ黙りかな。
_____…
突然、銃弾が夏輝君の脇腹を貫いた。
致命傷だ。
「…何で避けなかったんですか」
夏輝君は気付いていた、なのに敢えて避けていなかった。
「一人死なせる訳にはいきません」
何で…、君が死んだら駄目だよ、私は君には死んで欲しくない。
不安を感じ取ったのか、気紛れか、夏輝君は私に言った。
「貴女が…何を恐れて、何を願って、何でこうやったのか、それは俺には分かりません」
「でも俺は貴女の護衛です、だから貴女が死ぬなら俺も死んで、彼の世で護衛をします」
揺ぎの無い目、この忠義は本物だ。
私はこの子のただの主君、主君が死ねば解放されるか構成員になるかだ。
どうして此処まで…。
嗚呼…死にたくないなぁ…。
此処まで強く思った事は無かった、妖燈君も成瀬君も一人にしたくない。
夏輝君を死なせたくない。
又みんなで笑ってたいな…。
流石の俺も棰靖も意識が遠退いてきた。
此れで最期か。
遠退いて行く中、棰靖が俺に一言だけ呟いた。
「好きだったよ…」
…そうか、両思いだったんだ。
早く気付いて、あの時貰うと答えていたらこうなっては居なかったのかもしれないな。
棰靖。
「又来世で___。」
「なぁ二人共、墓は此処で良かったのか」
「報告だ、お前達が死んだ後にあの二人も亡くなった、守れなくて御免な」
「妖燈からは赤のカーネーション、成瀬からはハーデンベルギアだ」
「私からはネリネと言う花を捧げる」
「又会いに来る、それではな」
「棰靖、夏輝___…。」