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「え・・・」
フィフェルスは思わず声を漏らした。190番がなかったからだ。
「え・・・落ちた・・・の・・・?嘘・・・」
フィフェルスは力なく呟く。ガクッとその場で崩れ落ちる。何度確認しても190番はない。
「嘘だ・・・嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ!嘘だぁーーーっ!」
フィフェルスは頭を抱えてその場で叫んだ。その姿を見ていた受験生たちは
「うわヤバ」「何あいつ」「え、怖・・・」
と引いていた。そんなことも気にせずに混乱していたフィフェルスは少し間を開けたあとに
「アハハ。そっか・・・悲しまなくていいや。泣いても褒められないし。アハハハハッ!キャハハハ!」
と笑い出した。目は笑ってなんかいない。希望の光が目に宿っていない。完全に絶望している。
面接官はフィフェルスの姿を見て驚いた。ここまでショックを受けた受験生は今まで見たこと無かったからだ。
「え、これ・・・私のせい?ここまで絶望するの・・・?いや・・・これ・・・病んでる・・・?」
面接官は混乱した。面接官は一旦深呼吸をしてから
「これは、親御さんに連絡するべきか・・・」
と手に持っているスマホに目をやる。だが、面接官はハッとして
「そういえばあの受験生は親御さんには連絡しないでほしいと言っていたな」
と思い出して少し考えたあとに
「あの受験生の言っていたことを守るか」
と親御さんへの連絡はやめた。
フィフェルスの部屋にて。フィフェルスは家に帰って部屋に入ると急に色んな思いが溢れ出した。
悲しさ、悔しさ、絶望、怒り、たくさんの感情が混ざってよくわからない。フィフェルスは泣きながら笑った。
「アハハ・・・もう自分がどう思ってるのかすらわからないやぁ・・・」
フィフェルスのお母さんはブツブツ独り言を言っている我が子を心配した。
「泣いているのかしら。きっと何かあったに違いない。ここは母親として相談に乗らなきゃね。落ち着いたら聞こう」
と言い聞かせた。
落ち着いてフィフェルスが部屋から出てきたのは7時間後だった。フィフェルスのお母さんであるレフィンヌ・コッタイルはフィフェルスに話しかけた。
「ねぇ、フィーちゃん。今日、なにか嫌なことでもあった?言えたらだけど、相談してくれたらお母さん、否定しないで話聞くよ」
フィフェルスは少し考えたあとに
「あのね、お母さん。今日、努力が報われなかったんだ。それどころか、本気で取り組んだことを見せる前に終わっちゃって。駄目だったんだ。僕、まだまだ努力が足りなかったんだ。僕、駄目な子だったんだ・・・」
と言うとレフィンヌはフィフェルスの頭を撫でながら
「大丈夫よ。努力が報われないこともある。お母さんもそういうときあったから、落ち込まなくても大丈夫。フィーちゃんが駄目だったんじゃないの。状況や環境とか、緊張とかがあったから。最初はみんなそうなのよ。あなたは十分努力した。結果より過程が大事なのよ。よく頑張ったわ。偉い偉い」
と優しく話した。フィフェルスの目は少し光を取り戻した。すると
プルルルルル!
家の電話が鳴った。レフィンヌが出て少し喋ると振り返ってフィフェルスのほうを見て
「フィーちゃんにお話があるんだって。誰かはわからないけど、お友達かな?お母さん、洗濯してくるから安心してお話していいからね」
と言った。フィフェルスが代わると相手は面接官だった。
「あー、フィフェルスさん。面接合格おめでとうございます」
フィフェルスは困惑して
「えっと・・・あの・・・不合格だったんですけど・・・番号なかったんです・・・」
と言うと面接官は明るい声で
「補欠合格だったんですよね〜。なので、1週間後の入学試験に来てください。」
と言った。フィフェルスは驚いたがそのまま電話は切れた。フィフェルスは洗濯物を干しているレフィンヌに向かって言った。
「悩み事解決したみたい!相談乗ってくれてありがとう!お母さん!」