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学校鬼ごっこ

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学校鬼ごっこ

7 - 第7話 出口

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2024年10月31日

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美咲は小屋を飛び出し、心臓が高鳴る音を感じながら校庭を走り抜けた。

遠くで響く鬼の足音が、彼女の背後に迫ってくる。

時間がない。絶対に逃げなければならない。

その思いが彼女を駆り立てた。

「出口、出口…どこにあるの…」

美咲は日記を胸に抱え、周囲を見回した。

学校の構造は複雑で、迷路のような廊下が続いている。

秘密の出口を探し出すには、まずこの学校の全体像を把握しなければならなかった。

思い出したのは、翔太と共に探検した時のこと。

校舎の中央には、古い図書室があった。

翔太が「そこには、学校の秘密が隠されているかもしれない」と言っていたのを思い出す。

「図書室だ…!」

美咲は決心し、全速力で図書室へと向かった。

走りながら、彼女は頭の中で日記の内容を反芻した。

鬼ごっこの起源や過去の生徒たちの運命、そして「秘密の出口」。

何かが結びつくはずだ。

美咲は、その情報をすべて思い出さなければならなかった。

図書室の扉を開けた瞬間、彼女は静けさに包まれた。

大きな本棚が並び、埃をかぶった本が無造作に並んでいる。

窓から差し込む薄暗い光が、不気味な雰囲気を醸し出していた。

「これが…翔太が言っていた場所…」

美咲は心の中で呟きながら、図書室の中を慎重に歩き始めた。

彼女は本棚を一つ一つ調べながら、どこかに隠された秘密の手がかりがないか探していた。

何冊かの本をめくりながら、「鬼ごっこ」に関する記述がないか探ったが、見つからない。

「ここには…何もないの?」

焦りが募り、思わず声に出してしまった。

その瞬間、背後からかすかな物音がした。

美咲は振り向くと、そこには影が立っていた。

それは人間のような形をしていたが、すぐに目を疑った。鬼だった。

顔には不気味な笑みが浮かび、ゆっくりと彼女に近づいてきた。

「逃げられると思っているのか?」

鬼の声は低く、冷酷だった。

美咲は恐怖に凍りつきながらも、反射的に図書室の隅にある書類を掴み、近くの本棚の陰に隠れた。

鬼は彼女の行動に気づき、じわじわと近づいてくる。

「必死に隠れても、見つけられないと思っているのか?この場所には、君のような弱者の逃げ道はないのだ。」

鬼は冷笑を浮かべていた。

美咲は心臓が早鐘のように打つ音を感じていた。

逃げられない。

逃げる手段が、目の前の鬼によって奪われようとしていた。

しかし、その時、日記の一節が彼女の頭に浮かんだ。

「過去に逃げ切った者は、鍵を手にした」という言葉だ。

もしかして、その鍵はこの図書室に隠されているのかもしれない。

「どこかに…鍵が…」

美咲は再び周囲を見回した。

鬼が近づく中、彼女は意を決して本棚を引っ張った。

すると、壁に向かって小さな扉が現れた。

「これか…!」

美咲は鍵の存在を感じた。

鬼が目の前に迫る。

美咲は迷わず小さな扉に飛び込んだ。

扉はすぐに閉じ、彼女は暗いトンネルの中に消えた。

狭く、湿った空気が充満している。

「逃げたか…」

鬼の声が遠くから聞こえ、少しだけ安堵の息を吐いた。

だが、今はまだ安心できない。美咲は全速力でトンネルを進む。

トンネルは長く続き、どこまで行けば出口にたどり着くのかわからなかった。

暗闇の中を走り続けるうち、突然、光が見え始めた。

「出口…!」

美咲はその光に向かって突進し、トンネルを抜けると、目の前には広い空間が広がっていた。

そこには、一面に広がる青空と、大きな門が立っていた。

「これが…秘密の出口?」

美咲は驚きと喜びが入り混じった感情に襲われた。

しかし、その瞬間、彼女の背後にあったトンネルから鬼が現れた。

美咲は一瞬の恐怖に凍りつくが、すぐに逃げなければならないという思いに駆られた。

「行け、行け!」

美咲は自分に言い聞かせ、出口へと急いだ。

鬼が迫ってくる中、彼女は全力で走った。

出口の扉が近づくと、美咲は思い切って扉を押し開けた。

外に出ると、そこは静かな校庭だった。

暗い学校の外に出た瞬間、彼女はほっとした。

しかし、背後から響く足音は止まらない。

鬼は彼女を追ってきている。

美咲は振り返ることなく、逃げ続けた。

「絶対に逃げ切るんだ…翔太のためにも…!」

美咲は心の中で叫び、出口を目指して全力で走り続けた。

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