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玲央 vs 氷月 - 実力試しの一戦
宝島から帰還し、司帝国との和解も進んだある日。玲央は村の広場で軽く体を動かしていた。そこへ静かに歩み寄る影が一つ――氷月だった。
氷月「これは…君が”歌いながら戦う” という戦士ですね。千空たちの仲間として、どれほどの実力か。ぜひ見せてもらいたいものです。」
玲央は腕を組み、氷月を見上げると、軽く肩をすくめた。
玲央「あたしの戦い方がそんなに気になるって? ま、ノってきたねぇ!」
氷月は静かに管槍を構え、その切っ先を玲央に向ける。
氷月「ええ。実際に見なければ分からないこともありますから。」
周囲ではゲンや龍水、金狼、銀狼たちが興味深そうに見守る。ゲンが楽しそうに口笛を吹きながら言った。
ゲン「おっとぉ? 氷月ちゃん vs 玲央ちゃんのエキシビションマッチ、開幕ってワケだねぇ!」
玲央は足でリズムを刻むように地面を踏み、体を揺らし始める。戦いのリズムを自分のものにするためだ。
玲央「じゃあ、いっちょやりますか! ロックに決めるぜ!」
氷月「フフ…それは楽しみですね。」
⸻
開戦 - 氷月の一撃
玲央が口ずさみ始めたのは、アップテンポなロックのリズム。地面を蹴る足音、呼吸、心臓の鼓動までもが音楽と同調し、彼女の戦闘モードが加速する。
玲央「ノってきたねぇ!」
氷月は一瞬の隙も見せず、静かに構えたまま玲央を観察している。次の瞬間、氷月がスッと間合いを詰め、管槍の鋭い突きが玲央を襲った。
氷月「まずはこちらから。」
玲央は素早く横に跳び、管槍の一撃を紙一重でかわす。しかし、氷月の追撃は速かった。槍を素早く引き、すかさず逆の手で管槍の下部を玲央の腹部へ突き出す。
玲央「っとぉ!」
玲央はリズムに乗るように身体を回転させ、衝撃を最小限に抑えながら後方へ飛ぶ。
⸻
リズムに乗る戦闘 - 玲央の反撃
地面を蹴り直し、玲央は一気に氷月との間合いを詰める。歌に合わせ、拳をリズミカルに打ち出しながら戦う玲央のスタイルに、氷月も目を細めた。
氷月「これは…面白いですね。」
玲央は拳と蹴りを織り交ぜ、まるでダンスを踊るように攻撃を仕掛けていく。
玲央「ほらほら、ついてこれる? ノリノリでいくぜ!」
氷月は管槍で玲央の攻撃を受け流しつつ、冷静に観察を続ける。
氷月「戦闘と音楽の融合…合理的とは言い難いですが、実に興味深い。」
玲央はニヤリと笑い、リズムを変える。軽快なテンポから、急に静かなビートに切り替えると、氷月も一瞬、動きを読めなくなった。
その瞬間、玲央の蹴りが氷月の防御を崩す。
氷月「!」
玲央の膝蹴りが氷月の腕を弾き、わずかにバランスを崩させた。
玲央「決めるぜ!」
しかし、氷月も負けてはいない。即座に体勢を立て直し、管槍の柄を玲央の肩へ押し当てる。
⸻
試合終了 - 氷月の評価
互いに距離を取り、玲央は息を整えた。氷月は微笑を浮かべ、管槍を下ろす。
氷月「実に素晴らしい戦いでした。音楽と戦闘を融合させるとは、まさに芸術の域ですね。」
玲央は笑いながら肩を回す。
玲央「ま、あたしのロックはこんなもんよ!」
ゲンが大きく拍手し、龍水も興味深そうに頷いた。
ゲン「いやぁ、いい試合だったねぇ! 玲央ちゃんの戦闘スタイル、マジで面白いよ!」
龍水「フフン、まさに”新世界の戦士”だな。」
氷月は満足そうに頷き、玲央を見つめる。
氷月「戦士としての実力は申し分なし…ですが、君のリズムに乱されぬよう、私もより鍛錬を積むとしましょう。」
玲央は自信満々に拳を握りしめ、ニヤリと笑う。
玲央「またいつでも相手してやるよ!」
こうして、玲央と氷月の実力試しは幕を閉じたのだった――。