side shp
彼には申し訳ないが、俺はまだ寝れてない。ガーデンから差し込む外光は、薄いが彼をよく照らしている。
「ふふっ」
自然と笑みが溢れ、久しぶりに誰かと寝たことにも喜びを覚えた。まだ数分しか経っていないのに、深い眠りについてしまっている目の前の彼は、もう起きないような、そんな気持ちを増幅させる。
彼に手を伸ばす。
肌に触れ温かさを覚える。
そんな当たり前の感覚に安心を覚えてしまった。未だに静かな一階。
そう思うとこの二人だけの空間は、もう、他には誰もいないような。そんな、気持ちになったのだ。別に気に病んでるわけじゃない。寂しいわけじゃない。親に振り向いてほしいわけじゃない。
「んぅ。んー。」
寝言とまでは言わないが、声を出し、触れたのがバレたかのように彼は寝返りをうつ。
あの少年も、あの先輩も、あの彼もすべて彼で、好きだと感じだゾムさんは今目の前で、何も知らず眠っているのだ。刻々と時間が進む中、時間に置いてかれ、気持ちが悪い。今彼を襲っても、この気持ちが晴れるわけでもない。二文字の言葉は俺の心を苦しめるだけの醜い人間の欲の塊だった。「だめだよな。」
彼を見つめ安心し、自分も眠りにつくことにした。
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