やぁ。 さっきぶり。
“また”失敗だね。
ぇ? 僕は誰かって?
あぁ、そうか キミは”憶えていない”のか
ごめんごめん、もう一度やり直すよ。
はじめまして。
僕の名前は”__”、よろしくね。
ん? 名前が判らない?
じゃあ此処では”天使”とでも名乗ろうか。
尤も、皆が呼ぶ名だ。
僕は自分の事を天使だとは思わないが、
皆が云うのならそうなのだろう。
ひとつ質問。
キミは”異能力”を手に入れたいかい?
手に入れたいと思っているのなら、
辞めた方が善いよ。
異能力なんて、あっても無駄さ。
異能力はとても危険なモノだ。
ソレで身を滅ぼす者もいる。
僕の異能は「天使と悪魔」って云うんだ。
僕に触れた人は寿命を僕に取られる、
逆に僕が誰かに寿命を与えることも出来る。
勿論、人から取った寿命だけじゃなく
僕自身の寿命を削って与えることも可能だ。
然し、寿命を与えられた者は
一部の記憶が曖昧になったり、
或いは消えてしまったり。
もうひとつの使い道は、
寿命を使って傷を治癒することだ。
これも一部の記憶に影響を及ぼすけどね。
僕はこの異能のお陰で、
人と触れ合うことができないんだ。
どう? この噺を聞いても異能力がほしい?
まぁ、キミが欲しいのなら僕は止めない
僕がキミに異能を与えられる訳じゃないし。
今の噺は、僕の異能を説明したかっただけ
なんで説明するのかって?
そりゃ、今からキミと僕は
“ヨコハマ”に行くんだから。
異能力者がひしめく裏社会で次は会おう。
目を覚ましたら、僕が所属してる
武装探偵社に来るといい。
きっと彼処ならキミを歓迎してくれるよ。
其れ迄、死なないように頑張りな。
それじゃ、僕は先に行くね。
後は任せたよ。 “神咲”くん。
ぁ、そうだ 伝えるのを忘れていた。
この物語の主人公は僕だからね、
キミに主人公の座はあげないよ。
でも無能力者ってのも可哀想だ。
んー、仕方ないから戦闘能力と頭脳は
MAXにしてあげようじゃないか。
今度こそ、先に行くよ。
向こうでまた会おう。







