ただいま〜
「俺が観たかった映画あって良かった〜!ごめん、何もかも出してもらって」
「いーのいーの、誕生日なんだし。それじゃお菓子の準備するかー!あ、ケーキ、冷蔵庫入れとくから」
「ありがとー。よし、まずはゲームだな!」
「負けた方風呂洗いな」
「そんなん言っていいの?勇斗、俺に勝ったことあった?笑」
「勝負は最後まで分からないものですー」
そんなお互いを煽り合ってゲームを始めた。で、どっちが負けたかと言うと、もちろん俺。どっちにしろお前にやらせるとかねーし。
「よっしゃ勝ったぁー!!じゃ風呂洗い、お願いしまーす」
「はいはいわかりましたよー」
仁人の嬉しそうな顔見て満足した俺は風呂を洗いに行った。再びリビングに戻ると、仁人が映画を観るためにいろいろと準備をしてくれていた。
「仁人は座ってていいのに…」
「楽しいからいーの」
「ありがと。」
「はいよ。てか、今日さ風呂沸いたら一緒に入らない…?」
「え…?なになに、なんのドッキリ?」
え、今日って俺の誕生日だっけ?とスマホの日付を見直す。いつもは俺から誘っても恥ずかしいからと言って90%の確率で入れないが、まさか仁人から誘ってくるとは思いもしなかった。
「いや、今日くらいいいかなって思って…だめ?」
「いや、全然。むしろありがとうございます////」
「きも…」
「仁人から誘ってくるなんて…何でもしていいってことですよね?」
「…やっぱなし!前言撤回!」
「無理ですぅ」
そんなやり取りをしていたら風呂が沸いた。結局仁人さんは俺と入ってくれるらしい。もう風呂の熱なのか、はたまた自分の熱なのか分からない。とりあえず洗い終わって湯船に浸かり、風呂を出た。
「気持ちよかったー」
「なー」
「仁人〜髪乾かすからこっちおいで」
「あざーす」
「…はい、終わり」
「ん、ありがと。よし、じゃあ映画みよ!あ、待ってケーキ持ってくる」
「そんだけテンション高いと観てる間に寝るだろ笑」
「寝ない寝ない」
「絶対寝ます。」
そうして借りてきたDVDを次々と観た。案の定テンションの高かった吉田さんは、最後の方になると目がウトウトし始めた。
(ほらな、言ったろ笑)
俺は静かに仁人を抱き寄せ、寝かしつけるように優しく叩く。すると、今にも寝そうな仁人が口を開いた。
「あ、おれ…たんじょうびぷれぜんと…きまったわ…」
「え、今?もう夜だしお店閉まってるから買いに行けないけど」
「ん〜…?だいじょーぶ…だいじょーぶ」
「そんで、何が欲しいの?」
「ん〜とね…はやとのちゅー…」
「はい…?」
「おれのことしの…たんじょうびは…はやとのちゅーでいいよ…」
まさかの最後の最後に爆弾を投下された。しかもとてつもなく巨大な。流石に理性が無くなりそう。
(お前、ほんとに可愛いな)
仁人にプレゼントをあげるつもりが、俺が貰った気分。風呂にキスに…多分仁人は起きたら覚えていないだろうが、俺の記憶に深く刻まれた。
途中のDVDを止め、寝ている仁人を姫抱っこで寝室に運び、ベッドに寝かせた。そしてそっと口付けをする。
「ん。誕生日おめでとう。おやすみ、仁人」
end.
コメント
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キュンが止まりません。 最高です!