今週は先輩との練習だ。
木兎さんならあと1時間はやるだろうってくらいの時間に「そろそろ帰ろうか」と言ってくれるのでいつもより家に帰ってからゆっくり出来た。
そんなこんなで今週も3日目。
やっと週の半分…あと半分で木兎さんに会えるんだ…と思い巡らしていたら先輩に呼ばれた。
自主練についてだろうと思い小走りで駆け寄ると「お前木兎と付き合ってるの?」と言われ状況を理解するのに時間がかかった。すると「木兎と付き合ってんだろ?」と先輩が言い直した。
俺はパニックになっていたがそれを悟られないようにいつもの無表情で「何言ってるんですか。冗談きついですよ。」と答えた。
すると先輩は数枚の現像した写真を取り出した。
その写真には先週木兎さんと手をつないで帰った時の2人の様子が写っていた。
咄嗟にいくつか言い訳を考えたが写真がある以上いくら否定しても意味が無いだろう。
写真をみて動揺している俺を見て先輩は「やっぱりそうだよな〜じゃないとおかしいもんな」と1人納得していた。
「エースに色仕掛けで正セッターになろうなんて最低だな。お前も騙されてる木兎も。」
この人は何を言ってるんだ
「昨日もその前も練習付き合ってやったけど飛び抜けて上手いって訳でもないのに」
「エースのお気に入りだったなら納得だよな」
「エースが出ないって言い出したら困るから監督も従うだろうし」
ものすごい勘違いをされているがまわりから見たらそう見えるのだろうか
「木兎さんは…そんな人じゃありません。」
俺の事をどう言われても構わないし、セッターとしての腕にも自信はない。でも、木兎さんを貶されたのはどうしても許せなかった。
「木兎さんはそんな中途半端にバレーをやるような人じゃないです。」
「木兎さん、木兎さんってうるせぇんだよ」
「うぐっ…!」 ドスッと鈍い音がして気づくと俺は倒れていた。腹を殴られたようだった。
痛みと恐怖で俺がうずくまっていると先輩は「俺疲れたしそろそろ帰るわ。あと、約束通り今週は自主練するからな…?」
そう言い残し先輩は去っていった。
次の日からはもう自主練ではなくただただ殴られているだけだった。
こういうタイプは無駄に刺激しない方がいいと判断しあまり抵抗しないようにしていた。
幸い相手もこの事が周りにバレたら困るからか顔など見えるところは殴ってこなかったため今週が終わるまでの辛抱とひたすら耐えていた。
そうして遂に地獄の1週間が終わった…と思っていた。
……To be continued
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