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Chapter23.いざ魔王城へ
「観測者よ…… よく来たな。」
ARKHEが振り返ると、 そこには—— 幹部とは比べ物にならない、深淵の気配。
「……まさか…… 魔王……!」
虚の境界が、 まるで“世界そのもの”をひっくり返すように歪む。空が裂け、 地が沈み、 黒い鎖が空間を貫いて仲間たちを絡め取る。
「……これは……転移阻害結界!? いや、違う……これは“捕縛陣”……!」
仲間たちが次々と動きを封じられ、 その場に崩れ落ちる。
空間の裂け目から、 漆黒の王冠を戴いた影が現れる。
その存在だけで、 空気が凍り、 魔力が軋む。
「ようこそ、我が城へ。 よくぞ来た、我が“光の器”の守護者たちよ。」
仲間たちは動けない。 声も出せない。
ただ、 ミナ・セラ・ないこの三人だけが、 転移陣の外にいた。
魔王の声が、 空間を超えて響く。
「 “光の欠片”よ。 貴様の力が目覚める前に、 貴様の“光”を一つずつ奪ってやろう。仲間たちは預かった。 欲しければ、我が城まで来るがいい。」
ミナは膝をつき、 拳を握りしめる。
「……僕のせいで…… みんなが……!」
セラがそっと肩に手を置く。
「違うよ。 あなたのせいじゃない。でも……行かなきゃね。」
ないこが剣を背負い直す。
「よっしゃ。 三人で行くか。 ここからが本番だろ?」
「……うん。みんなを、取り戻す。」
夜
焚き火の火は小さくなり、 虫の声だけが響いている。
セラとないこは、 疲れた身体を休めて眠っていた。
ミナはその横で、 そっと目を開ける。
「……セラちゃん。 ないこくん。 本当は……一緒に行きたかった。 でも……これ以上、誰かを巻き込みたくない。」
そっと立ち上がり、 荷物の中から小さな転移石を取り出す。
ARKHEが残した、 魔王城への座標が刻まれた転移石。
「僕が行く。 一人で、みんなを取り戻す。」
ミナは転移石を握りしめ、 静かに呟く。
「座標、固定。 転移、開始。」
白金色の光が彼を包み、 空間が歪む。
その瞬間、 彼女の姿は夜の闇に溶けるように消えた。
朝。 セラが目を覚まし、 ミナの姿がないことに気づく。
「……ミナ?」
ないこも目をこすりながら起きる。
「んぁ……? ミナ、どこ行ったん……?」
焚き火のそばに落ちていた紙を見つけ、
セラが震える手で拾い上げる。
読み終えた瞬間、 彼女の目に涙が浮かぶ。
「……バカ……!」
「あいつ…… 一人で行きやがったんか……!」
セラは立ち上がり、 転移陣の残骸を見つめる。
「……行こう、ないこくん。 ミナを追いかけなきゃ。」
「あいつが一人で行ったなら、 俺らは二人で迎えに行くだけ。」