第2話
zm side
部屋にエミさんがいた時はびっくりしたけど、泣いてたの見られてなくて良かった。
絶対引かれる。
あんな優しくしてくれとったけど絶対裏では…。
いや、考えんとこ。
あの人と、居ると楽しい。
人ってこんなに暖かいんやなぁ。
母さんと一緒に居る時のあの気持ちに似てる。
母さん元気にしてるんやろか。
俺がここに来た、10歳の時以来会ってない。
そもそも俺がここに来たのは俺が人前で能力を見せてしまったからだ。
あの時、もっと別の方法が思いついていれば、こんなことにはならんかったんやろか。
幼zm side
zm「いーち」
「逃げろ逃げろー!ww」
zm「にー」
「どこに隠れたら見つからんかなー?」
zm「さーん」
友「あ、!ここの草の後ろとかどうー?」
zm「よーん」
友2「ええなー!」
zm「ごー」
…
zm「じゅう!」
zm「もういいかーい?」
「もういいよー!」
zm「よし!全員見つけたろ」
zm「どこにおるんかなー…」
友「ここ最強かもなボソッ」
友2「やんね」
zm「…ん?」
zm「なんか声が聞こえたような…」
友「やばい…」
zm「居らんなー」
zm「あっち探してみっか!」
友2「あっぶねぇー」
zm「あ!見つけたー!」
友3「まじかー…やっぱゾムは強いなー!!」
zm「さて、あとは2人やけど…みんなで探そ!まじで見つからんねんな…」
友3「おっけー!」
zm「あ、まって此処に居るんちゃうかな?」
友3「確かに。ちょうどいい感じやしね」
zm「あー、!居ったー!」
友「くっそー。見つかったか…」
友2「ええ隠れ場やったのに…くやしー」
zm「じゃあ、もっかいやr…ッ!」
『おい、!!後ろ…!』
友「…え?」
「動くなよ」
友「嘘…」
友2「だ、だれk」
「喋るな!!」
「こいつの親は居るか?呼んでこい!」
友2「…ッ」
zm「…離せ」
「あん?」
zm「離せ!」
zm「俺の…、俺の友達を離せ!!」
バリバリバリッ
という音が辺り一面に響く。
そして、白い光に包まれた。
光が消えて行く頃には、不審者が後ろに突き飛ばされている光景が目に入ってきた。
zm「ハァッハァハァ…ッ」
「なんで…?そうか、…此奴!能力者かよ…!」
「クソが…」
不審者は何処かへ逃げていった。
zm「ハァハァ…」
友3「ぞ、ゾム?」
友2「大丈夫?」
zm「…うん」
友「ありがとう…!助けてくれて。かっこよかった!」
友3「ねぇ…!今のやつ何?」
zm「…分かんない」
友2「彼奴、能力者がどうのこうの言ってたけど…」
友「ゾムってもしかして能力者やったん?」
zm「分かんない…。分かんないよ」
警官「君たち…!」
『ん?』
警官「此処でさっき、能力…いや、不思議な現象が起きたと通報があったんだが…何か知ってるかな?」
友「ゾムが、ピカーって光る奴出してんのはみたけど!」
警官「…なに?ゾム君というのは…」
zm「俺やけど…」
友「ゾム君はね、僕を助けてくれたんd」
警官「ゾム君!今すぐ他の子達から離れるんだ!」
『え?』
zm「な、なんで…?」
警官「いいから、早く!!」
zm「う、うん」
警官「君のお家を教えてくれ!」
zm「こっちですけど…」
(警官「先輩…!能力者発見!応援お願いします。場所は〇〇市××町…」)
『ゾム…』
警官「此処が君の家か」
zm「は、はい」
警官「お母さんが、お父さんを呼んできてくれ」
なんでお巡りさん僕のことめっちゃ聞いてくるんやろ…?
zm「うん。お母さーん?」
母「はーい!」
母「おかえりー」
zm「お母さん、なんかね、警察の人が僕の家教えてって言ってて…」
母「…ッ」
母「使っちゃったのね。能力。」
警官「そうなると、知っていたんですか?息子さんが能力者ということを」
母「…知っていました」
母「能力者には、生まれつき左腕に黒い紋様があると聞いたことがあって。ゾムにもそれがあったので」
警官「では、何故私たち警察に言わなかったのですか?貴女は犯罪を犯すことになるのですよ。能力者隠蔽という。国家反逆罪にあたります」
母「…誰が自分の子供を進んで警察に預けるのですか…!」
母「そんな非人道的なことできるわけがないじゃないですか!」
警官「法律を守らない、という方がよっぽど非人道的だと私は思いますけどね」
母「…ッ」
警官「とにかく、息子さんは私たち国が責任を持って預からせていただきます。貴女はもう会うことはないでしょうね」
母「…ポロッ」
zm「…?お母さん?大丈夫?」
母「…うん。ごめんねゾム。こんなお母さんで…」
zm「”こんな”じゃないよ。僕はお母さんが大好きだから」
母「…!お母さんもよ」
警官「話は終わったか?行くぞ」
警官「貴女は私について来て下さい。ゾム君はこのお兄さんに付いて行ってね」
zm「母さんと一緒じゃないん?」
警官「そうだよイラッ。また会えるから。早く行くんだ」
zm「また会えるん⁉︎良かったー…。じゃあまたね、母さん!」
母「…ッ。ま、たね」
警官「さあ、君は今日から此処で住むんだよ」
zm「此処に?1人で?」
警官「そうだ。また口答えしたら…」
zm「…ッ分かってます」
警官「じゃあな」
zm「…なんで?…なんで?なんで僕はここで住まなきゃならないの?コンクリートで出来てて寒いし、冷たいし、1人だし。なんの拷問なんだよ」
zm「俺の生きてる意味ってある?」
zm side
嗚呼。
また思い出してもうた。
なんであんなに鮮明に覚えてるんやろう。
何年も何年も前のことなんに。
あの時の、友達は今どうしてるんやろか。
立派な大人になってるんやろか。
…名前忘れた。
嘘だろ?
あんな仲良かったのに。
彼奴らの、彼奴らの名前。
思い出せない。
俺は、彼奴らが
大切だったのに。
…
em「ぞ…ん?」
em「ゾムさん?」
zm「ぁ…。エミさん。俺寝てた?」
em「はい」
zm「…ごめんなボソッ」
em「…?」
コメント
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この作品好き! これからも頑張って!! (っᐡ^-^)っ=͟͟͞͞💕
続き 待ってます!