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💛視点
帰り道。
二人でたわいもない話をしながら、
家路につく。
でも、一番大切なことは話さないまま。
帰りたくないなぁ。
でも、柔太郎を困らせたくないしな。
時間が止まればいいのに。
そんなことを考えていると、
運転してる柔太郎が口を開いた。
🤍「仁人って、明日仕事は?」
💛「たぶん柔と一緒だよ。午後からM!LKのYouTubeくらいかな? あれ? 午前なんかあったっけ?」
🤍「俺もなんもないよ。そっかぁ……。嫌ならいいんだけどさ……」
一度、柔太郎が言葉を止める。
💛「ん?」
🤍「うちにさ、寄らない? もう少し一緒にいたいなって」
胸が、どくんと鳴った。
💛「いいの?」
🤍「いいの?って、俺が誘ってるのに笑」
柔太郎が少し照れたように笑う。
その顔を見ていたら、断る理由なんてなかった。
💛「……じゃあ、行こうかな」
そう答えると、柔太郎が嬉しそうに笑った。
——————
🤍視点
本当に来てくれた。
玄関のドアを閉めた瞬間から、
急に緊張してきた。
これは、脈アリって思っていいのか?
むしろ、なんとも思ってないから
来れるとかではないよね?
でも、男同士だから気にしてないって
可能性もある。
そう考えると、また自信がなくなる。
リビングに入ると、仁人がソファに座った。
チラッと見る。
……照れてる。
顔も耳も赤くして、俯いてる。
それを見た瞬間、胸がぎゅっとなる。
可愛い。
でも。
俺の気持ちに気がついてるのか。
仁人だからな。
どうするかなぁ。
俺も隣に腰掛ける。
さっきまで普通に歩いてたのに、
今は隣にいるだけで心臓がうるさい。
何か言わなきゃ。
そう思って、何度も口を開きかける。
でも、言葉が出てこない。
今、言う?
いや、でも。
もし違ったら?
もし仁人が、ただ俺と一緒にいたいだけだったら?
この関係が壊れるのが怖い。
🤍「はい、お茶どーぞ」
💛「ありがとう」
受け取る仁人の指先が、少し震えているように見えた。
俺も同じだった。
でも、何も言えない。
ただ隣にいる。
それだけで幸せなのに。
それだけじゃ、もう足りない。
すると。
隣に座っていた仁人が、ぽつりと言った。
💛「……柔太郎」
🤍「ん?」
💛「俺さ……」
仁人が少しだけ俺の方を向く。
その目が、少し潤んでいる。
💛「今日、帰りたくないって思ったから。
柔太郎の家に呼んでくれて嬉しい」
🤍「帰りたくなかったの?」
💛「柔と、まだいたくて」
🤍「……」
胸の奥が、一気に熱くなる。
何か言わなきゃと思うのに、言葉が出てこない。
嬉しい。
嬉しすぎて。
どうしていいかわからない。
急に顔が熱くなってくる。
たぶん今、耳まで真っ赤だ。
💛「……柔?」
仁人の声で我に返る。
🤍「……その」
やっと出てきた声も、自分でわかるくらい上ずっていた。
仁人が不思議そうにこっちを見る。
だって、そんなこと言われたら。
期待してしまうじゃん。
俺も。
仁人と、まだ一緒にいたい。
今日だけじゃない。
これからも。
ずっと。
そう思ってしまう。
でも、怖い。
「好き」って言ってしまったら、
もう今までと同じではいられない。
嬉しいのに。
言いたいのに。
あと一歩が踏み出せない。
そんな俺を見て、仁人の表情が少しずつ曇っていく。
💛「あっ……気持ち悪かった? ごめん。聞かなかったことにして」
🤍「違っ……」
💛「あっ、ごめん、俺帰ろうかな。迷惑だったよね」
🤍「違う!」
慌てて声を出す。
でも、その先が続かない。
違う。
そうじゃない。
むしろ逆なんだ。
嬉しい。
嬉しすぎて、怖いだけ。
でも。
俺が言葉に詰まったことで。
仁人の目には、涙がいっぱい溜まっていた。
💛「……ごめん」
その声を聞いた瞬間、胸が締め付けられる。
違う。
謝らないで。
そう言いたいのに。
声が出ない。
仁人が鞄を持って、立ち去ろうとする。
その背中を見た瞬間。
考えるより先に身体が動いていた。
——————
💛視点
やってしまった……。
柔太郎、困ってるじゃん。
いてもたってもいられなくて、
恥ずかしさで胃もぐるぐるする。
ここにはいられない。
もうこれ以上、柔太郎を困らせたくない。
咄嗟に鞄を取って、リビングから出ようとする。
その瞬間。
ガシッ。
💛「……え?」
手を掴まれた。
💛「柔……?」
驚いている間に、ぐっと引っ張られる。
💛「わっ……」
身体が柔太郎の方へ引き寄せられて。
次の瞬間。
ぎゅっ。
正面から抱きしめられた。
何も考えられなくなった。
柔太郎の腕が背中に回っている。
💛「……柔太郎?」
やっと出た声は、自分でもわかるくらい小さかった。
返事はない。
ただ、抱きしめる腕に少しだけ力が入る。
そして。
腕越しに、かすかな震えが伝わってきた。
柔太郎も震えてる。
💛「……柔太郎?」
もう一度呼ぶ。
すると、耳元で小さな声がした。
🤍「……帰らないで」
その一言で、胸がいっぱいになる。
……そんなこと言われたら。
帰れなくなるじゃん。
💛「……なんで?」
聞くのが精一杯だった。
🤍「もう少しいたいって言ってくれたじゃん。帰らないでよ」
柔太郎の声も震えている。
🤍「ごめん、俺の反応が悪かったよね。嬉しすぎて……。ごめん、傷つけたよね」
柔太郎の抱きしめる力が、さらに強くなる。
でも、その腕は震えていた。
こんなに強く抱きしめているのに。
柔太郎も、怖いんだ。
そう思ったら。
なんだか愛おしくなった。
俺も、そっと背中に手を回す。
💛「帰るとか言ってごめんね」
肩口で首を横に振る柔太郎。
しばらく、そのまま何も言わなかった。
ただ抱きしめ合っている。
柔太郎の鼓動が聞こえる。
俺の心臓も、きっと同じくらいうるさい。
やがて、柔太郎が小さく息を吐いた。
🤍「……仁人」
💛「ん?」
🤍「俺……」
そこで言葉が止まる。
💛「……うん」
先を待つ。
でも、柔太郎はなかなか言わない。
抱きしめたまま、何度も息を吸って。
何かを決めようとしているみたいだった。
俺も、何も言わずに待つ。
ここで急かしたらいけない気がした。
でも。
本当は、早く聞きたかった。
🤍「……いや」
💛「なに?」
🤍「ごめん。やっぱ……」
また言葉が途切れる。
胸が、きゅっとなる。
💛「……柔太郎」
思わず名前を呼ぶ。
その声に、柔太郎が小さく息を呑んだ。
ゆっくり身体を離す。
でも、手は離れない。
目が合う。
さっきまで近すぎて見られなかった顔が、今はすぐそこにある。
柔太郎の目も、少し潤んでいた。
🤍「仁人……もう言ってもいい?」
少しだけ震えた声。
💛「……うん」
🤍「俺らの関係、変わるけど。我慢できない」
一度、柔太郎が息を吸う。
それでも、なかなか次の言葉が出てこない。
その沈黙さえ、今は愛おしかった。
胸がいっぱいになる。
たぶん。
俺がずっと聞きたかった言葉だ。
だから。
💛「早く言えよ……。俺も聞きたい」
柔太郎の目が、大きくなる。
そして。
一度だけ目を閉じる。
まるで、最後の勇気を振り絞るみたいに。
そして、俺をまっすぐ見た。
🤍「仁人が好き」
少しだけ声が震えている。
🤍「大好き。誰にも渡したくない」
その言葉を聞くだけで、胸がいっぱいになる。
柔太郎の手にも、力が入る。
🤍「俺と付き合ってください」
ずっと欲しかった。
この言葉を。
💛「俺も好き。柔太郎のこと、大好き」
言った瞬間。
柔太郎の目が、少しだけ見開かれる。
そして、ふっと力が抜けたように笑った。
🤍「……今から恋人?」
💛「ふはっ!! うん、恋人」
二人とも、緊張が切れたみたいに笑ってしまう。
柔太郎が可愛くて。
今度は俺から柔太郎のことを抱きしめた。
ぎゅっと抱きしめる。
さっきまで怖かったのが嘘みたいに、嬉しい。
しばらく抱き合ったあと。
少しだけ身体を離す。
寂しい気持ちになって、上を見上げると、柔太郎と目が合った。
🤍「……キスしていい?」
柔太郎の声が、すぐ近くで響く。
💛「……うん」
ゆっくり距離が縮まる。
吐息が触れそうなくらい近くなって、
思わず小さく息を呑んだ。
💛「……っ」
唇が、そっと重なる。
柔らかく触れて、離れて。
💛「……ん」
思わず漏れた小さな息に、自分で恥ずかしくなる。
🤍「……仁人」
名前を呼ばれる声も、いつもより少し低い。
また唇が重なる。
今度は、さっきより長く。
💛「……ふっ」
息が混ざる距離に、頭がぼんやりする。
離れたとき、二人とも何も言えなくて。
ただ近い距離のまま、照れくさそうに笑った。
🤍「……顔、赤い」
💛「柔太郎もだよ」
🤍「……だって、好きな人とキスしたから」
💛「……もう」
また恥ずかしくなって、両手で顔を隠す。
🤍「仁人?」
柔太郎が心配そうに名前を呼ぶ。
💛「……見ないで」
🤍「えー、見たい」
💛「やだ。今、絶対変な顔してるから」
そう言いながらも、顔を隠したまま俯いていると、柔太郎がそっと手を伸ばしてくる。
🤍「仁人の顔、ちゃんと見たい」
その言葉に、胸がまた大きく跳ねる。
逃げるように顔を伏せようとしたけれど、柔太郎の指先が顎に触れた。
強引ではなく、確かめるようにそっと顔を上げさせられる。
💛「……柔太郎」
🤍「うん。俺、ここにいるよ」
柔太郎の目と合う。
恥ずかしくて、また目を逸らしそうになる。
でも、柔太郎の手が頬に添えられた。
そのまま、指先が前髪に触れる。
🤍「……前髪、少し乱れてる」
💛「えっ……」
🤍「直してあげる」
柔太郎の指が、優しく前髪を撫でる。
何度も、ゆっくりと。
髪を整えるだけなのに、触れられるたびに胸がくすぐったくなる。
💛「……そんなに撫でる?」
🤍「うん。だって、仁人が可愛いから」
💛「……もう、また言う」
また顔が熱くなって、今度は隠すこともできずに俯きそうになる。
けれど、柔太郎が前髪を撫でながら、そっと顔を覗き込んだ。
🤍「顔、隠さないで」
💛「……無理」
🤍「お願い。もう少しだけ、仁人の顔見せて」
その声が優しくて。
俺は観念して、ゆっくり顔を上げる。
柔太郎の指先が、もう一度前髪を撫でた。
🤍「……やっぱり、可愛い」
💛「……ばか」
そう言いながらも、もう顔を隠すことはできなかった。
柔太郎は嬉しそうに笑って、撫でていた前髪をそっと整える。
そのまま、額に軽くキスを落とした。
💛「……っ」
🤍「これも、嫌?」
💛「……嫌じゃない」
🤍「よかった」
柔太郎の手が、もう一度優しく前髪を撫でる。
その優しさが嬉しくて、胸の奥がまた熱くなる。
でも、さっきからずっと、唇に残る柔太郎の感触が忘れられない。
もっと、触れてほしい。
そう思ってしまう自分が恥ずかしくて、なかなか言い出せない。
けれど、柔太郎が心配そうに俺の顔を覗き込んだ。
🤍「……仁人?」
💛「……ねえ、柔太郎」
🤍「ん?」
💛「さっきの……もう一回、してほしい」
言った瞬間、顔が一気に熱くなる。
柔太郎も驚いたように目を見開いたあと、すぐに嬉しそうに笑った。
🤍「キス?」
💛「……言わせるなよ」
🤍「ごめん。でも、嬉しくて」
柔太郎の手が、頬にそっと添えられる。
🤍「もう一回してもいい?」
💛「……うん」
今度は、俺から目を逸らさなかった。
柔太郎がゆっくり顔を近づけてくる。
触れる直前、柔太郎の目が一度だけ俺の目を確かめる。
その優しさに、胸がいっぱいになる。
そして。
柔太郎から、そっと唇が重なった。
さっきよりも自然で、柔らかいキスだった。
触れて、離れて。
それだけなのに、胸の奥まで満たされていく。
唇が離れたあとも、柔太郎の顔はすぐ近くにある。
🤍「……夢みたい」
💛「……俺も」
恥ずかしくて俯きそうになると、柔太郎が小さく笑った。
🤍「仁人からお願いしてくれるの、可愛すぎる」
💛「……もう言うな」
🤍「だって、嬉しいから」
そう言って、柔太郎はもう一度、今度は短く唇を重ねた。
💛「……柔太郎」
🤍「ん?」
💛「……好き」
🤍「俺も。大好き」
その言葉に、二人で顔を見合わせて笑う。
付き合えたことが嬉しくて。
好きな人と、同じ気持ちになれたことが嬉しくて。
柔太郎の手が、そっと俺の手を探す。
指先が触れて、ゆっくりと絡まる。
そのまま、もう一度だけ見つめ合う。
今度は、どちらからともなく笑って。
柔太郎が自然に顔を近づけた。
俺も目を閉じる。
そして最後に、柔太郎から優しくキスをされた。
さっきまでの緊張が嘘みたいに、自然で、あたたかいキスだった。
唇が離れても、手は繋いだまま。
🤍「……これからも、ずっと一緒にいてね」
💛「うん。柔太郎こそ、離れないでね」
🤍「離れないよ」
そう言って、柔太郎は繋いだ手をぎゅっと握った。
その温もりが嬉しくて。
俺も握り返す。
今日から俺たちは、恋人。
まだ少し照れくさいけれど。
柔太郎となら、これからもずっと一緒にいられる気がした。
#ごほんにんには関係ありません
ma
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コメント
1件
読ませていただきました。「早く言えよ」のタイトルがもう最高でしたね……!仁人の「俺も聞きたい」って気持ちがその一言に詰まってて、柔太郎が「言っていい?」って何度も確認するところも、好きすぎて怖い感じがすごく伝わってきました。キスシーンも自然で、変に甘すぎず、特に前髪直す仕草がめちゃくちゃ良かったです。お互い震えながらも一歩ずつ近づく感じ、読んでて胸がいっぱいになりました。お幸せに……!🤍