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こさめ視点
🦈「……おそい」
こさめは机に突っ伏しながら呟いた。
みこちゃんがプリントを出しに行って、
それを追いかけるみたいにすっちーも出て行って。
もう五分くらい経つ。
🍍「待ってる犬じゃん」
なつが後ろから笑う。
🦈「違うし」
🍍「いや絶対待ってる」
🦈「待ってない!」
🍍「でも扉めっちゃ見てるぞ」
🦈「っ……」
図星。
こさめは慌てて顔を逸らした。
すると、いるまが呆れたようにため息をつく。
📢「お前ほんと分かりやすいな」
🦈「うるさい〜……」
🌸「こさめはほんと感情が顔に全部出る」
🦈「やめて」
🌸「ちなみに今は“気になる”顔」
🦈「やめてってば!」
恥ずかしい。
そんなに分かりやすい!?
その時、教室の扉が開いた。
反射的に顔を上げる。
――あ。
戻ってきた。
すっちーとみこちゃん。
二人は並んで教室へ入ってくる。
ただそれだけ。
ただそれだけなのに。
胸の奥がじわっと苦しくなる。
🍵「おまたせ〜」
すっちーが笑う。
🦈「遅かったね」
👑「先生捕まっちゃって」
みこちゃんも穏やかに笑った。
その空気が自然すぎて、胸がちくっとする。
二人って、なんかお似合いだ。
優しくて、
穏やかで、
ふわふわしてて。
並んでると空気感が似てる。
🍵「……こさめちゃん?」
気づけば、すっちーが覗き込んでいた。
🍵「またぼーっとしてる」
🦈「してないし」
🍵「してるよぉ」
近い。
やめてほしい。
今そんな顔で見ないで。
🍵「顔赤いけど暑い?」
🦈「暑くない!」
🍵「じゃあなんで赤いの?」
🦈「知らないし!」
なつが吹き出す。
🍍「かわいそ、こさめ」
🍵「え、俺なんかした?」
すっちーが本気で分かってなさそうな顔をする。
それがまた苦しい。
🦈「……すっちーってさぁ」
こさめはぽつりと呟いた。
🦈「距離近いよね」
🍵「え?」
🦈「誰にでもそうなの?」
言った瞬間、しまったと思った。
何聞いてるんだろ。
重い。
やだ。
でももう遅い。
教室が少し静かになる。
すっちーはきょとんとして、
それから困ったみたいに笑った。
🍵「……こさめちゃんには昔からこうだから、分かんないや」
どくん。
その言葉だけで、心臓がうるさくなる。
特別みたいに聞こえるからやめて。
期待するから。
でも。
“こさめちゃんには”って言いながら、
すっちーが見てるのはみこちゃんなんだ。
分かってる。
ちゃんと。
🦈「……そっか」
こさめは笑った。
平気なふり。
慣れてる。
好きな人の特別になれないことくらい。
コメント
1件
うわあ、こさめの視点、胸がぎゅっとなる……。「待ってる犬」とか、すっちーに「距離近いよね」って聞いちゃうところとか、全部がもう分かりやすくて可愛くて切ない。最後の『慣れてる』って言葉に、これまでの彼女の想いの重さが全部詰まってる感じがした。藍翠さん、青春のほろ苦い空気感を本当にうまく描きますね……!