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名前 ⇨ 〇〇
『』 〇〇
「」 宮治
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「……なあ、それ一口くれへん?」
放課後の誰もいない教室。課題を片付けていた私の横で、治君がじっと私の机の上を見ていた。そこには、購買で最後の一つだった期間限定の『はちみつレモンパン』。
『いいよ、半分こする?』
「お、話がわかるやん。恩に着るわ」
治君は嬉しそうに目を細めると、私の手からパンを受け取り、器用に半分に割った。差し出された片方を口に運ぶと、爽やかな酸味とはちみつの甘さが広がる。
『ん、美味しい!』
「……ほんまや、これ当たりやな」
もぐもぐと幸せそうに頬張る治君。バレーをしている時の鋭い表情とは正反対の、この緩んだ顔を見るのが私は密かに好きだった。
『治君、口の端にクリームついてるよ』
「ん? どこや」
彼が指で適当に拭おうとするけれど、全然違う場所を触っている。見かねて私が『こっちだよ』と指差すと、治君は動きを止めて、じっと私を見つめた。
「……取ってーや」
低い声で、甘えるように言われる。
少しドキッとしながらも、私は指を伸ばして、彼の口角についた白いクリームをそっと拭った。
すると、治君が私の手首をひょいと掴んだ。
『……!』
「自分、それ、捨てるんもったいないな」
驚く私の目の前で、治君は私の指先に残ったクリームを、ぺろりと自分の舌で掠め取った。
「……あ、甘っ」
いたずらが成功した子供みたいな顔で笑う彼。
夕方の教室の光が、治君の銀髪をキラキラと透かしている。
「……なあ、次はパンやなくて、お前の味でもええ?」
耳元で囁かれた言葉の意味を理解した瞬間、私の顔ははちみつレモンパンのパッケージよりも真っ赤に染まった。
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初めての投稿です😖
短い作品を出していきます‼︎
これからもよろしくお願いします💗