TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

日常風景

一覧ページ

「日常風景」のメインビジュアル

日常風景

3 - 真実

♥

39

2025年07月10日

シェアするシェアする
報告する

 朝、鏡の前でネクタイを締め直す。少し曲がっているのを見つけて、何度もやり直した。いつも通りに見えることが大事だ。

髪も整えて、笑顔も練習した。忘れ物はない。準備は完璧。だから今日も大丈夫なはずだ。

オフィスに着けば、誰もが同じ顔をしている。おはよう、元気?そんな決まり文句のやりとりも、もう慣れた。

少し冗談を言えば笑ってくれるし、黙っていればそれなりに受け入れてくれる。でも時々、ふと「ここにいていいのか」と思う瞬間がある。

会議中、誰かの目がこちらに向いた気がして、背筋が凍るような感覚が走る。何か見透かされたんじゃないかと、一瞬本気で息を止めた。

もちろん、気のせいだ。何も気づかれてはいない。俺はちゃんと演じている。大丈夫、大丈夫だ。

昼休み、公園のベンチでパンをかじる。空は広くて、逃げ場がなくて、でも静かだった。

子どもたちが走り回っているのを見ながら、ふと思った。あの中に、本当の顔を持ったまま生きている子はいるんだろうか。

もしこの世界が、誰かを探して暴くゲームなら――俺はとっくに見つかっているのかもしれない。

でも誰も何も言わない。ただ、じっと見ているだけ。

だから、今日も俺は“普通の人”を演じ続ける。それが唯一、生き延びる方法だから。

この作品はいかがでしたか?

39

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚