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家に帰った後、きんときとBroooockはそれぞれの方向へと別れ、Nakamuとシャークんの二人だけが一緒に帰る道を歩いていた。冬の日差しが二人の頬を撫で、街の新年の飾り付けは今も明るい灯りを輝かせていた。
「そういえば〜」Nakamuが沈黙を破り、シャークんに目を向けた。「初夢って知ってる?元旦の夜に見る最初の夢のことなんだけど、その内容が新しい年の運勢を予示するらしいよ」
シャークんは一瞬Nakamuを見た後、少し困惑しながら頷いた。「聞いたことはあるけど、特に気にしたことはないな。なんでそんな話を?」
「もちろん、初夢の話をするためだよ!」Nakamuは楽しげに笑い、「昨晩夢に何を見たの?特別な夢があった?」と続けた。
シャークんの心に冷たい波が押し寄せた。昨晩の夢が頭に浮かび、Nakamuの姿がぼんやりと思い出されるが、その夢は非常に曖昧で、言葉にできない感情だけが残っていた。彼はその夢を口に出すつもりはなく、冷静を装いながら「特に何もない、普通の夢だよ」と答えた。
「えーつまらないな〜」Nakamuは口を尖らせて不満そうに言い、シャークんの肩を軽く掴んで揺すった。「早く教えてよ、何を見たの?まさか本当に忘れたわけじゃないよね?」
「本当に何も特別じゃないって!」シャークんはNakamuの視線を避け、耳が少し赤くなった。
Nakamuはシャークんのその反応を見て、ますます好奇心が湧いた。手を離し、わざと不満そうに口を尖らせて言った。「じゃあ、君が言わないなら、先に俺が話すね?」
シャークんは少し安心し、Nakamuを見つめ返した。「じゃあ、君は何を見たの?」
「実は、君が夢に出てきたんだ……」Nakamuが言いかけると、シャークんはその言葉に期待を込めて反応した。しかし、Nakamuの次の言葉で彼の心は一気に沈んだ。「それに、きんときも出てきたんだ~」
シャークんの表情は瞬時に暗くなり、嬉しさが一瞬にして失望に変わった。軽く明るく振る舞い、「ああ、そうなんだ。きんときが出てくるなんて賑やかだね。」と返した。
「そうなんだ、夢の中で三人でカラオケに行ったんだ!!」Nakamuは続け、シャークんの微妙な変化に気づかず話を続けた。「きんときの声本当にいいな〜って再び思った」
シャークんは内心で少し苦く感じた。自分の夢にはNakamuだけが出てきたのに、言葉には出さず「はは、きんときは確かに歌うの上手いからね。けど、君の夢は本当に普通だったな。もっと面白いことが起こると思ってたのに」と軽く笑った。
Nakamuは真剣に考えているふりをして言った。「確かに普通だね。でも初夢ってそんなもんじゃない?友達が出てくる夢の方が、何か変なものを見るよりずっといいよ」
「そうだね。」シャークんは淡々と返しながら、心の中では少し不満を感じていた。もしNakamuの夢に自分だけが出てきたら、どれほど良いだろうかと。
二人は静かに帰路につきながら、それぞれの思いを胸に抱いていた。冬の寒風が吹きすさぶ中、彼らの心の距離は少しずつ近づいているような気がした。