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せんせい。

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せんせい。

14 - 主役

♥

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2025年03月27日

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青空を見上げた。青の中にある灰色の雲に隠れた虹が綺麗だった、フレームに残したいと思ってポケットからスマホを取りだして構えた。

目に写した景色と違って少し濁っているがシャッターをぱしゃりと押した

先生こういう写真好きかなぁ


校庭に生えた桜の木も徐々にピンクに色付いている三日後にある卒業式には満開になっている頃だろう

「くしゅっ!!!!」

春風に飛ばされた花粉でこの頃くしゃみが止まらない。

対してこの学校に思い入れもないが卒業式では花粉で泣いてしまいそうだ

先生と連絡を取ることも学校以外で会うことも日常に溶け込んでいたものがすっかり洗われて、また前みたいに先生と生徒そんな関係になってしまった。

でも先生に対する気持ちはずっと変わっていないし、きっと先生も俺に対する気持ちは変わっていないと思う

前みたいに好きって伝えられる卒業するまで、あと三日でぜんぶ先生に伝えられるんだ

そう思うと心臓の鼓動がどくどくと聴こえて早くなる

使い古して汚れたシューズも入学した時と比べて少し小さく感じるようになった制服も今になれば全て懐かしくて、過去に戻りたくなる

数少ない思い出にふけながら、ぼーっと空を眺めていると屋上の出入口の扉が開いた

rb「あれっ、先客がいた」

sha「ぁ、せんせ…」

青色の布で包まれた弁当箱らしきものを片手に屋上に来たのはrbr先生だった

rbr「shaはごはんたべおわったの?」

sha「今ちょうど」

rbr「そーかじゃあ俺shaの隣で食べちゃお」

よいしょっと、俺の隣に腰をかけると青色の布を開いて弁当箱の蓋を開けた

rbr「じゃじゃーん!美味しそうでしょ」

誇らしげに俺に弁当の中身を見せる

その中身はいかにも色とりどりで健康的な食材が沢山入っていた

sha「先生手作りなんですか…?!」

rbr「そうだよ朝早起きして毎日作ってるんだから」

ピックにさされた卵焼きを口にしながら言う

sha「へぇ…先生って早起きとか得意なんですね」

rbr「んふ、俺だって教師だよ?当たり前じゃん」

ふふと笑う横顔は頬にえくぼが見えた

sha「…卒業式おわったあと体育館の裏きてください」

rbr「え~、なにしてくれるの?」

sha「ひみつです」

rbr「んふ、じゃあ楽しみにしてるっ」

sha「…えへへ」

rbr「なに、どうしたの」

sha「なんかこうやって先生と話すの久々な気がする、やっぱおれ先生と話すのすき」

rbr「なッ!?…ぇ、かわいい」

目を見開いてこっちの方を見るがまだその期待には応えられない

sha「せんせいそういうのは卒業してからですよ??」

rbr「あぁそうだよね、そうだそうだ…」

ごほ、と席を払うと正気を取り戻したように弁当の蓋を閉じた

rbr「昼休みも終わったしそろそろ下降りよっか」

sha「はーい」




三日後



小さい村の長い坂道を登った上にある少し古い校舎には数えても数えきれないくらいの生徒の青春と希望が詰まっている

「ぁーッ!!ちょっと**先に行かないでよ~!!」

「もぉ、花のバッジつけるの遅いんだって」

今日、3月◎日この高校の卒業式が行われる

教室で花のバッジをつけ合う生徒の髪はいつもよりカールがかかっていたりワックスでがちがちに固めた髪は随分気合いが入っている

rbr「shaは髪結ばないの?」

ブレザーの胸ポケットについている黄色い薔薇のバッジは俺がつけてあげた

shaには黄色がよく映える

sha「まあ、結べる長さだけど俺髪結べないし」

茶髪で肩までかかった髪は初めて見た時から変わらずサラサラで、赤く朝日に反射した

rbr「俺が結んでやるよ」

sha「先生結べるの!?」

rbr「妹居たからよく髪の毛結んであげてたんだよ」

ある程度髪をまとめると手首につけていた髪ゴムで少しキツめに縛った

rbr「ん、できた」

俺がそう言うと教室のすぐ隣にある男子トイレに駆け込んだ

またバタバタと足音がすると目を輝かせて

すげえっ!と喜んだ

sha「先生なんでもできるんだね」

rbr「んふふそりゃどーも」

shaにはハーフアップがよく似合う

これに着物なんて着ればそこら辺の巫女さんより何倍も可愛いだろう

sha「…せんせー俺の事じっと見て何考えてんの」

rbr「別に~?」






卒業式が始まり俺を先頭に卒業生が体育館へ次々と入場する

全員を着席させると左端の職員が座るパイプ椅子へ俺も同じように座った

3年生のたくましい横顔がよく見える席だった

卒業式が終わると何人かの生徒は涙をしながら退場した

相変わらずshaはこのクラスにも学校にも無関心だったようですんとした顔で体育館をあとにした

教室に戻ると派手な風船を交換し合う女子生徒もいたり、泣きながら抱き合う生徒も居たりした

そんな生徒を後ろ目に机に突っ伏して寝ようとするshaの席へ近づく

rbr「…sha、最後くらいクラスの人と話しなよ」

sha「別に思い入れないし…先生居ればなんでもいいもん」

rbr「…んふふ、体育館裏連れてってくれるんじゃないの」

俺がそう言うと少し耳を赤くして渋々席を立った

sha「…ん」

rbr「shaはさ~、中学の時は友達居たんでしょ」

sha「居たけど高校離れたしもう今は連絡先もしらないよ」

2人きりになると自然と敬語は抜けていて制服も着崩して明らかに俺に心を許しているのが分かった

体育館裏は半分整備されておらず、草が生い茂って暑くて湿ったい空気は額に少し汗が滲むくらいだった

sha「…面と向かっていうのは、さ…その、恥ずいんだけど…」

髪の毛を触って不安を紛らわそうとしている顔が重力に負けてshaの目が見えない

rbr「なぁに、はっきり言ってみて」

sha「…その、ね…先生のことずっと好き…だから…また付き合って…?」

さっきまで自分の足元を見ていたであろう赤面した顔がゆっくりと俺の方を向いて恥ずかしそうに眉をひそめた

そんなshaを優しくぎゅっと抱きしめた

sha「そ、そういうのじゃなくてっ…!!返事はどうなの…!!」

rbr「ぁーそうだったね、…おれもすきだよこれからよろしくね」

sha「…ん」

俺の返事を聞くと安心したのかゆっくりと肩の力が抜けて俺の胸に顔を埋めて、ゆっくり抱き返した

shaの俺より一回り小さい手が腰に触れる

抱き合った感覚が、俺の腕に収まる小さい生物が全てが心地よくてこのまま壊してしまいそうなくらいに愛おしく思えた

rbr「これから俺の家で卒業パーティしようよ」

sha「…いいの?」

rbr「だって今日の主役はshaだよ」











卒業式経験者ですが文字に起こすとなると難しいのでカットしました

shaとrbrが離れた空白の期間も書くの難しかったから3000文字くらい書いて気に食わなくて消した😄



本当はこの話で終わらせたかったけど🔞🔞入れたかったので次回で終わりにします

なるべく早く投稿できるように頑張る

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