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エピソード1:手放すように
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目黒)お父さんお母さん、行ってきます。
__行ってらっしゃい。
そう言われ大荷物を抱えながら
新幹線に 乗り込む。
今年の春、田舎から東京の高校に
行くために1人で上京してきた。
最初は猛反対されたけど、
毎日ずっとお願いしてたら
新しいことにも挑戦しないとね。って
言われて背中を押されてきた。
目黒(今年から一人暮らしか…)
不安もありつつ楽しみな感情と
新幹線の少しの揺れの心地良さを感じて
俺は目をつぶり深い眠りについた。
ーーーーー
寝始めてから何時間たっただろうか。
俺が目を覚ます頃には
目的地の1個前、恵比寿だった。
目黒(危な、準備しよう、、)
荷物を再確認して東京の駅に足をつける。
ここが都会、東京。
ビルが高くてズラってしてて、。
目黒)やっぱ都会は凄いな…
そう思ってよそ見をして歩いてたら
前から来た人に気がつけなくて
ぶつかってしまった。
ードンッ
目黒)わっ、!
俺は尻もちをついて
後ろに倒れてしまった。
手の方を見ると少し擦れている。
?)あっ、ごめんなさい!
お怪我は、、
目黒)いや、大丈夫です。すみません、
こちらの不注意で、、大丈夫ですか?
?)手、、!あの、ほんとにごめんなさ、
これ、気持ちなので、!
そう言われて渡されたのは
封筒に入れられたお金。
パッと見て5万は入っているだろう。
目黒)え、?いや、あの大丈夫です。
?)いや、、ほんと受け取って、
じゃあ、、学校に行かないと、
そう言って去っていった人は
俺が入る高校の制服を着ていた。
多分、先輩だろう。
せめて名前だけでも。
そう思ってすぐ声をかけた。
目黒)あ、あの!
?)は、い
目黒)お名前は…
恐る恐る振り返る男の人は
細身で少しやつれている。
その男の人はこう答えた。
?)…阿部です。阿部亮平、、
目黒)わかりました。
阿部)ほんと、すみません…では、、
阿部という名の男の人を
手放すように俺は
反対方向を向き、タクシーに
乗り込んだ。
ーーーーー
さっきは不思議な人に出会ってしまった。
たしか、阿部亮平。手を擦っただけなのに
こんな大金なんで、、
お金持ちなのかな。
やっぱり東京の人は凄いな。
考え事をしながらタクシーを降りると
俺が今日から住む家に着いた。
玄関の鍵を開けて中に入る。
目黒)うん、いい。
自分が思っていた家で住み心地も
良さそう。安心した俺は
大荷物をリビングにドサッと置き
キャリーケースから
地元の名物を出す。
母からご近所付き合いはしっかりしろと
言われ渡されたものがある。
その名物を片手にお隣さんの家に
渡しに行った。
ーピンポーン
俺はチャイムを押す。
?)はーい
目黒)あ、隣に引っ越してきた目黒です。
?)今行きますねー。
なれない喋り方で喋ったから
緊張する。
ソワソワしていると
名前に目が着く。
目黒)深澤、、、
自分の地元ではあまり聞かない苗字
だったから、興味が湧いた。
するとドアが開く。
ーガチャ
深澤)初めまして!俺深澤辰哉です。
目黒)あぁ、初めまして。
目黒蓮と申します。あの、
これお気持ちとして…
深澤)うわ、!すげー!!
目黒)俺の地元の名物なので、
賞味期限はまだですけど
早めに食べちゃってください、
深澤)ありがとね!
ーーーーー
深澤さん、いい人そうで良かった。
持ってきた時計を見ると今の時刻は
昼の2時。お昼は新幹線で
済ませておいたから色々
荷物を整理することにした。
整理してから1時間が経った。
よくよく考えたら俺は
整理整頓が苦手な方で、、
最初よりかは綺麗だけど
まだ少しごちゃっとしてる。
まあ荷物多い方が安心感あるし
いいか。そう思って着々と
荷物を片付けた。
目黒)やっと終わった…
家から持ってきたものは大体綺麗に
片付けた。親に着いたのと
綺麗にできた報告を電話ですると
よく出来たね。と子供みたいな
言い方をされ少し恥ずかしかった。
まあ、なによりご近所付き合いも
上手く行きそうな感じがあるし、
制服もいい感じだよ。
そう言って少し話て、電話を切った。
目黒)明後日か、入学式。
どんな人が居るんだろう。
阿部亮平という人はほんとに
同じ学校だろうか。
まだ2日前なのに心臓が
ドクドク波打っている。
俺ならできる。大丈夫。
なんでもやれる。
今日はもう体力も限界を超えそうだし
簡単に組み立てれるベットを出して
そこに倒れる勢いで飛び込む。
目黒)疲れた…
新幹線で寝たはずなのに。
俺はまた深い眠りについた。
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