エピソード2:心臓の音
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朝目を覚ます。今日は入学式。
一昨日東京について阿部亮平という
男の人とぶつかり5万円を渡されて、
昨日色々と考えた。
やっぱりお金持ちだとしても、
擦り傷に5万円はデカすぎる。
“阿部亮平”がもし先輩なら、、
というか学校に今日きてるのなら。
という考えを持ち
封筒に入れたまんまの5万円を
スクールバッグにつめる。
張り切りすぎと緊張で早めに起きて
早めに支度を終わらせれたから、
余裕もってドアを開けた。
誰もいないシーンとした家。
俺は理由もなく独り言を呟いた。
目黒)よし、、行ってきます。
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電車に揺られ、学校についた。
ここが高校。
目黒(友達できるかな)
なんて小学一年生みたいに
考える余裕が見えてきた。
ドアにはられたクラス表を
見て、自分の名前を探す。
目黒)目黒蓮、、目黒蓮、、
あ、あった。4組か。
自分の名前が書かれていたところは
4組。他の人の名前も少し
見ておこうかな…
?)わ!俺4組だ!!ねー、涼太は?
涼太?)翔太声でかい、、俺は3組だよ。
翔太?)えー、離れたの?なら俺
喋りに行くから
涼太?)んもぉ、、、
翔太、涼太、、双子かな。
周りの人の声と自分の心臓の音だけが
聞こえてくる。もう緊張してないのに、
なんでこんなソワソワしちゃうんだろう。
先生)皆さん、おはようございます。
入学生の皆様、ご両親の方は
体育館に移動をお願い致します。
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ー体育館にて
俺は自分の席に座る。
なんでか心臓がうるさい。
ドクドクしてて、嫌いじゃないけど
好きでもない、、かも。
翔太?)俺渡辺翔太。よろしく。
目黒)え、あ、!はい!
目黒蓮です、!
ビックリした。クラスが同じで
席が近いのか。さっき
涼太、っていう人と一緒に
喋ってた人だ。
急に話しかけられるのって
東京では普通なのかな。
ドキドキしてたのは、
翔太っていう人に話しかけられる
前触れだったのかな、
いや、まだうるさい。
渡辺)目黒、どうした?
目黒)あ、や、なんでもないです、笑
渡辺)そのカチコチした喋り方やだ。
タメがいい。
目黒)あ、、うん。わかった。
渡辺)ふふっ、じゃーね。
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校長先生の話が着々と進む。
時計の秒針の音を消すかのように
スピーカーの音がデカい。
いや、それ以上にさっきより
心臓がうるさい。病気?
なんなの。鼓動が早くなる
校長)続いて、この学校を代表して、
阿部亮平くんからお話があります。
じゃあ、よろしく。
ードクンッ!
いま、、阿部亮平って言った?
阿部)皆様、ご入学おめでとうございます
阿部亮平です。
いや。やっぱり、あの人だ。
顔もおんなじ。声もおなじ。
まるでこの時を予言していたかのように
心臓の音が阿部亮平と聞いた瞬間
強くギュッとなった。
目黒(こんな早く会えるなんて、!!
あの5万円を早く渡さないと、!)
俺はこのあとも、阿部亮平しか
頭になかった。
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__おーい、!
目黒)…?
渡辺)おーい!!!
目黒)うわっ、!
渡辺)もう帰る時間だけど、
さっきから何ぼーっとしてんの、
目黒)ああ、なんでもない!
ありがとう翔太君。
渡辺)翔太でいい。じゃあね目黒。
目黒)あ、うん!
そう言って翔太は涼太という人に
駆け寄って帰って行った。
俺は阿部亮平に会いたくて
先生に声をかけた
目黒)先生、あの、阿部亮平という
人に会いたいんですけど。
先生)おお、君は目黒君か。
すまんね、阿部くんはもう
帰って行ったよ。
目黒)そうですか、、
ありがとうございます。
先生)気ぃつけて帰ってな。
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俺は気づいたら電車をおりて
家の前にいた。
目黒(あれ、、、家?)
阿部亮平が頭の中でいっぱいで、
無我夢中だった。
結局姿を見ただけで、5万円は
まだ俺の手元にある。
いや、ネガティブになっていられない。
入学初日に阿部亮平を
見つけれたんだから、ラッキーな方だ。
深澤)あれ?目黒くんじゃん!笑
目黒)あ、こんにちは、
今話しかけてくれたのは
お隣さんの深澤さん。
深澤)今日入学式なの?
目黒)はい!さっき行ってきました、
深澤)ならお昼まだだよね?
俺働いてるところでなんか作るよ?
目黒)え?
深澤)ああ、怪しいか、、笑
働いてる所は岩本照ってゆーやつとか、
ラウールって人が居るんだけど……
怪しいとは思わないけど、
東京の人ってこんな馴れ馴れしいんだな。
翔太もそうだし、、
うん。何事にも挑戦しよう。
阿部亮平を今だけ頭から消そう。
なにかと急展開だけど、、
目黒)ついて行ってもいいですか?
深澤)ん!りょーかい!笑
目黒)あの、なんて呼べば……?
深澤)んー、ふっか!ふっかって
照から言われてるから!笑
目黒)なら、、ふっかさんで。
深澤)なら俺は目黒くんのこと
なんて言えばいい?
目黒)なんでも大丈夫ですよ。笑
深澤)ふーん!そっか、、
じゃあ目黒の目をとって、
めめ!!めめでいいよね?
目黒)ああ、、はい。大丈夫ですよ笑
めめ、うん。いいです。
深澤)んじゃあ駅行くから
行こ!
目黒)はい!
俺はふっかさんの背中を追いかける
ように歩いた。
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next⇒エピソード3:『ダンベル』
コメント
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なんだか、お話し好きかもです😊続き楽しみです💖