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皆さんこんにちは。日奈です。
前にいっていたとうり、分岐ルート2書きます。皆さん題名から分かるように今回は、恋させます!因みに兄貴の方はBLです。地雷踏抜かないようきおつけてください。と言っても、あんまりイチャコラしないですけどね。
始める前に注意事項
↓
注意事項
・【寒いのは嫌いだ】の続きです。
・オリキャラ出ます。
・史実ネタが含まれますが、主は歴史に疎いです。
・旧国出ます。
・政治的、戦争賛美の意図はありません。
・BのLがあります。
・ソナチ要素があります。
・中二病じみてます。すいません。
・視点がコロコロ変わります。
・分岐ルート2です。
では、どうぞ↓
・・・ 津炎視点
俺の主、ドイツ第三帝国こと、ナチス・ドイツはソビエト社会主義共和国に敗戦した。
「負けた、、、?俺が?」
主は何が何だか良く分かっていないようだった。俺がドールでなければ、戦争中体調不良に何てならずに、主と共に戦えたのに。俺が喘息持ちでなければもっと動けたのに。何て、今ではもう何の役にも立たない後悔と自己嫌悪の思考だけが永遠と俺の頭を埋め尽くす。
「主、ケホッ ケホッ、大丈夫です。何とか成ります。何とかします」
主を励まそうと日の光もまともに入らない冷たい石畳の自室にある藁を敷いただけの豪華な布団にぐったりと寝転びながらも何とか声を掛ける。主は、まだたったの12歳だ。精神が幼いのだ。
きっと俺達は捕虜としてソビエトに捕まるだろう。俺の後継者ももう生まれているから近々死ぬのだろう。独華《後継者》には、まだまだ教えれてないことが多くあるんだがな。あいつはなにも知らないし、なにもしていないからな。この国に残るだろう。捕虜として捕まっても痛め付けられるのは俺だけだと良いな。何てしこうを巡らせている内に主は俺の膝に頭を乗せて眠りに付いていた。
「主、今だけは、ゴホッゴホッ、ゆっくり、寝て下さい」
そう言って体を起こし、主の頭を優しく撫でていると迎えが来たようだ。
「よう!ナチ」
あのちょっと、いや、結構ムカつく真っ赤な顔をしたソビエトが部屋に入って来た。その後ろにはそのドールの主炎が立っていた。
「お久しぶりですね。ソビエトさん、主炎さん。見てのとうり主はぐっすり寝ているので静かにして下さい」
「それと、もう抵抗するつもりもありませんので、お好きにどうぞ」
何とか咳をこらえ、淡々と冷静に言葉を発した。
「ヘイヘイ。お前は何時も冷てーな」
そう言いながらクソビエトは主を抱える。何故かだっこでも、おんぶでもなく姫抱きなのが不思議だが。
「主炎はあいつを頼む~。じゃ、俺は先行ってから」
そんなことを言いつつクソビエトは部屋を後にした。
「・・・立てるか?」
しばらくして主炎が口を開いたと思えば馬鹿な事を言い出すものでついつい眉が八の字になった。
「立てるならとうに立っていますよ」
「だよな、すまん。ちょっと失礼するぞ」
そう言って主炎は、俺を姫抱きした。抵抗する力もないし、したとて、俺の力じゃこいつに敵うわけがない。半分諦めながら主炎に運ばれた。久しぶりに感じる主以外の人間は、暖かかった。
・・・ 主炎視点
俺の主こと、ソビエトの命令で俺はナチスのドール、津炎を俺らの家に運ぶ。部屋を後にして数分後津炎は俺の腕の中でぐっすり寝ていた。
・・・
しばらくして家に着くと津炎が目を覚ました。
「お、おはよう」
「寝てたか、おはようございます。すいません」
挨拶をした後何故か謝ったのが不思議だったのだが、今は何となく掘り下げない方が良い気がして、スルーしておいた。
俺の提案で、津炎とナチスの部屋を別々にした。
家の廊下を歩いていると津炎がある扉を指差して言った。
「あの扉何があってああなったんですか?」
その扉は、炎露の部屋の扉だった。誰が間違って入ったら大変だからとかなんとか言って炎露が凍らせてたな、何て事を思い出しつつ、津炎には、「気にするな」とだけ言って炎露の部屋の前を通りすぎた。
「この部屋を使ってくれ。部屋から出るなよ」
それだけ言って俺は、主の元へ報告をしに行った。
・・・
そんなこんなで丸二日津炎達と過ごしたのだが、どこか引っ掛かるところがある。それを主にも話したらナチスもそんな感じみたいだ。
引っ掛かる所、例えばな、俺が葉巻を吸いながら津炎の様子を見に行ったら両手を差し出して「灰皿」と言ってきたり、ベッドを用意してるのに床で寝たり、スープとパンだけの質素な飯を「豪華なんですね」とか言うわ、風呂に入るのには流石に付き添わないとと言うことで一緒に入ったら自分の事を「傷物」とか言うし、極めつけには身体中に傷や痣があった。これに関しては、ナチスの方が酷かったらしいが、ナチスの方は、戦場に出ていたからある程度の傷はあると思っていたのだが、それが火傷後や鞭で叩かれたような後になるわけがない。それは勿論津炎もだ。まぁ、明らかにおかしいのよ。
捕虜に関してはある程度の情報がこっちに渡されるんだがな。
「「はぁ」」
書斎に俺と主二人分のため息が響く。
「主、とりあえず、もう一度二人で情報を確認してみよう」
「だな。まず、ナチスから」
〈名前:ナチス・ドイツ ♂
持病:無し
その他
・戦場を笑いながら駆け巡ることから「悪魔」と言われている。
・生まれて直ぐに事務作業を淡々とこなしていた。〉
「という感じだな」
「主、この、〈生まれて直ぐに事務作業を淡々とこなしていた〉っておかしくないか?」
資料の書いてある紙を指差して言う。
「確かに。生まれて直ぐって、ある程度の知能と体をもって生まれるとしてもおかしいよな。俺の時は、人間と、主炎がやってたしな」
「それに、戦場で確かに笑っていたが、その顔はひきつっていたな」
主は苦笑いを浮かべながら言った。
「主、津炎のほうに行くぞ」
〈名前:津炎 ♂
持病:無し
その他
・ナチス・ドイツのドール
・戦場にはでないものの極悪非道な薬を作って人を簡単に殺めた〉
「だとよ。この前ずっと咳し続けて心配したら『いつものことだ』なんて言われたんだが、持病、あるんじゃね?」
「まじかよ」
「それと、主も知ってるだろうが、俺らのドールは戦争中やその予兆がある時阿保ほど体調を崩す。そんな中、能力を使ってなんかするなんてできねぇわって話」
俺が話終えるとしばらく沈黙が続いた後「はぁぁ」とまたもや二人分のため息がこだました。
「癪だが、アメ公に電話すっか」
「俺は炎利(アメリカのドール)に電話するわ」
そう言って二人は書斎を後にした。
「もしもし、主炎だ、炎利?聞こえてるのか?」
『何ですか?!今すんごく忙しいんですよ!』
「津炎の情報おかしな所だらけだったんだが?」
『えぇー!そちらで何とかしてくださいよ。はい!炎帝さん今行きます!何ですか、陸華さん。えぇー!ちょっと待ってて下さい!』
うわー大変そうだけど俺には関係ないかなんて事を考えている主炎であった。
『取り敢えず!此方も大変なのでそちらの事はそちらで処理してください!では!』
「あ、おい!炎利!」
応答もなく、ただ無機質な機械音が鳴るだけで終わってしまった。
・・・
部屋に戻って見ると主も似たような感じだったそうで、イライラしていた。
「と言うことで調べてみたが、予想道理と言ったところだな」
主の目の前にある机に資料を叩き付けるようにして置く。
「主炎、お前は本当に仕事が早いよな」
「まぁ、それなりに今まで色々とやって来たからな。簡単に読み上げるぞ」
・・・
「虐待を受けてたり、色々と上層部がやったことを擦り付けてるって感じだな」
これで色々と歯車が噛み合った。あの発言も理解した。
「津炎には、幸せになってほしいな」
なんて、小さく呟いた俺の声は主に聞こえてないと良いんだがな。今思えば、もうすでに俺は津炎に恋していたのかもしれない。
・・・ 炎露視点
第二次世界対戦が終わると兄貴は捕虜を連れてきた。まぁ、俺には関係ないか。なんて事を思いながら今日もボーッと窓から外を見つめる。
そんなある日のことだった。兄貴が今日も懲りずに部屋の前まで来て話す。
『炎露、起きてるか?今日は弟子を連れてきたんだ。出てこなくても良いからさ、ドア越しで良い。話してみないか?』
今日は一人で来なかったらしい。だが俺は、何を言われても出たくない。また、誰かを傷付けたくないんだ。
『師匠、この部屋アルカ?』
『あぁ』
兄貴の弟子は、女の子何だな。鈴みたいな綺麗な声だな。
『えっと、炎露、アルネ?我は中華アル。随分と暗くて寂しい部屋アル。外からでも伝わるアルヨ』
鈴みたいな声が、少し悲しそうに、寂しそうに俺に話しかける。どうして、どうして。
「どうしてお前が悲しそうなんだよ」
気が付いたら声が漏れていたらしい。俺の声は低くて、無愛想だから直ぐに誰かを怖がらせてしまう。でも、彼女は違うみたいだ。
『炎露はそんな声アルカ。低くて落ち着く声アル。師匠、少し、我と炎露の二人だけにしてほしいアル』
『わかった。又来る』
彼女が兄貴を別の場所に移動させたらしい。俺自身女性と一体一で話したことないから緊張するんだが。
『炎露、我の能力はね、身体強化アル。そのせいで力加減を間違えてよく物を壊して怒られるアル』
彼女は、俺が何も答えなくても気にせずに世間話を続けていく。その声は楽しそうで、可愛らしくて、本人に会って顔をみたいとか、思うようになっていった。俺は案外チョロいのかもしれない。
『我には、妹が居てネ。この前こんな面白いことをしてたアル』
「ハハッ。面白いな」
気が付けばドア越しだけど、会話が出来るようになった。
『ねぇ、炎露。ちょっとで良いから出てきてくれないアルカ?』
「っ!無理だ。もし、俺が触れてしまったら、大変な事になるんだぞ」
俺が言い終わると彼女は黙ってしまった。少し声がでかかったか、なんて考えて、怖がらせたかななんて反省をしていると、また、彼女が話しかけてきた。
『炎露は優しいアルネ。我の妹にも見習ってほしいアル』
笑い声混じりで話す彼女の声を聞いて心底不思議だと思った。
『お前、声は少し無愛想だけど、言葉一つ一つは全部優しいアルヨ。我は、4日位此処に泊まるアル。その間は此処に来るから又話そうネ。じゃ、我は寝るアル~♪』
そう言って、彼女は部屋の前から離れていった。
久しぶりに笑った気がする。久しぶりに話した気がする。久しぶりに楽しいと思った気がする。全部、全部、彼女の、中華のおかげじゃないか。このままで良いのか?部屋に籠ったままで良いのか?いいや、駄目だろう。だけど、もし、又兄さんみたいになったらどうする?そんな事を自問自答を繰り返した。
何回も、何回も考えた結果、俺は、中華に会ってみたくなった。でも、不安は残る。俺の能力の事だ。なら、どうしたら良い?簡単な話だったんだ。今まで制御しようなんて考えていなかった。でも、制御したら、中華に触れることもできる。猶予は今日含めて4日、できる、できないじゃない。やるんだ。
どうせ、寝たって悪夢を見るだけだからって寝てなかったが、こんな隈だらけの顔で会えない。今日も、明日も、明明後日もしっかり寝よう。食わなくても平気だからと今まで手を着けなかった飯もしっかり食おう。
なんて事を考えていると、夜になっていた。取り敢えず、今日はもう寝よう。
その日は、悪夢を見なかった。
・・・
朝になると兄貴が何時も部屋の前に飯を持ってきてくれる。今日は、食うんだ。
フォークは凍ったが、何とか食える。
「うまい」
久しぶりに食ったボルシチは懐かしい味がして、涙が出てきたけど、旨すぎて手が止まらなかった。
食べ終わったら、部屋の前にそっと戻しておく。9時位になったら話に来るついでに回収しに来る。
『お、炎露、今日は食ってくれたんだな。良かった。どうだ?久しぶりに食った飯の味は』
感極まったのか、涙声で兄貴は話す。驚いていたら兄貴が立ち去ろうと、歩き始めた音がした。俺は慌てて「旨かった!」って言ったら、さっきよりも涙声で『良かった』と言った。こんなに喜ぶならこれからも旨かったって言おうかな。
俺は全然現役な訳ではないから、基本暇だ。部屋に籠ったままだから余計に暇だ。でも、今日から暇ではない。能力の制御の練習をするんだ。と言っても、さっぱりやり方がわからん。取り敢えず、自分の能力の事をまとめるか。
「俺の能力は、雪と氷を生み出して操る。雪に関しては、しっかり操る事もできる。氷ができていないだけ」
「待てよ、雪と同じようにしたら行けんじゃね?雪はああしたいこうしたいって考えたら出来ただろ。じゃあ氷も、、、?」
「物は試しだ。取り敢えず、この凍ってる机で試してみるか」
「溶けろ、溶けろ、溶けろ」
そんな風にしてイメージしながら机に向かっていると、さっきまでカッチンカッチンに固まっていた机が、少しづつ溶けていって、しっかりと木目が見えるようになった。それを十秒位続けると、完璧に溶けきった。
「成功した。これの応用で、凍らせないのも出来るかもしれない」
次に俺は、机が凍らないイメージをして机に触れた。
5秒、10秒、15秒、20秒と机は凍らずにいた。
「しゃ!」
つい、成功した嬉しさで油断した。その瞬間に机は又凍り付いた。
「あー。常にイメージしておかなきゃなんねーのか。って事は、常に2つ位同時に考えねーとなのかよ」
半分無理な事をやっているような気がしてきた。これ、本当に出来んのか?
「いや、やるんだ。中華に会いてーしな」
中華のおかげでやる気が出てきた気がする。
今日は中華が話しに来てくんねーのかななんて事を考えながら部屋の机やら椅子やら凍ってる物全部溶かしていた。
「やっと全部終わった」
凍ってる物全部溶かし終えるのにまぁまぁな時間がかかったが何とか終わった。この後は物を触っても凍らないようにする練習をただひたすらに机で練習した。無意識下でも出来るようにひたすらに。
夕方になると中華が話しに来る。内容は世間話で、なのに、声だけでも分かるぐらい楽しそうに話してくれるのが嬉しかった。
そんなふうに過ごしていたらあっという間に中華の滞在期間が過ぎて行った。
・・・
毎日一生懸命物を触っても凍らないようにする練習を続けて、他の事に相当集中し過ぎない限り平気になった。
なんとなく、窓の外を見ていると、兄貴と中華らしき人物が立っていた。中華はキャリーケースを持っているからもう帰るのだろう。今、行かなくてはいけないのに、勇気が出ない。
そんな時、後ろから声が聞こえた気がした。
ー俺が背中を押してやるー
ー大丈夫だ。安心しろ。行け!炎露!ー
その声を聞いた瞬間俺は走り出した。今まで重い鉄のドアに思えていたドアが軽く、簡単に開いて、転けそうになりながらも必死こいで走って、外に出て、後先考えないで思わず叫んだ。
「中華!」
その瞬間、兄貴も中華も驚いたように此方を見た。
「炎露アルカ?」
目を大きく見開いて確認するように尋ねる。
「あぁ。中華、ありがとう。お前のおかげで勇気が出た」
「それは、良かったアル」
そう言って中華は俺に向けて優しい笑顔を見せた。その時に、俺は中華に惚れたんだって理解した。
その後、兄貴が柄にもなく泣きながら俺に抱きついてきて大変だった。
・・・ 愛華視点
今年は、2025年か。時が経つのは速いなとか考えていると、リビングでニタニタしている主炎と炎露を見つけた。
主炎は主が死んだものの、津炎がなぜか生き続けたから、意地でも死ぬものかと、今でも生き続けている。
私達ドールは数名だが、鈴華の呼び掛けでシェアハウスで暮らしている。
そう言えば最近、炎露と中華は付き合ったらしい。勿論、主炎と津炎も付き合っている。
と、長くなったな。なんて事を考えながらもう一度ソファーに座っている二人を見る。
「何ニタニタしてるんだ?気持ち悪いぞ」
思わず眉間にシワを寄せながら二人に言葉を発する。
「いや、津炎との馴れ初めを思い出して」
「いや、中華との馴れ初めを思い出して」
言う事もタイミングもことごとく同じなんだなこの二人は。まぁ、兄弟だもんな。仕方ない、のか?
「まぁ、幻滅されないよう頑張れ」
とは言っておいたものの、あの顔は津炎と中華には見せないように此方が徹底しよう。なんて事と、彼奴らが幸せならいいのだろうなんて事を考えている自分がいる。
ふと空を見上げると雨が止んで綺麗な満月が顔を出していた。
「確かに、“雨が止んだ”な」
私の独り言は誰でもなく、月には届いたのだろう。
・・・
以上です。長くなってすいません。
最後の「雨が止んだ」は、色々と調べて書いたんですけど、「付き合った」という意味になるそうです。
ルートの名前考えたんですけど、ルート1が、「物依存ルート」で、今回のが、「恋と努力ルート」って感じなんですけど、、、気にしないで下さい。
では、6967文字お疲れ様です。
バイ