コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
冬彰
フォローさせていただいてる方のイラストから着想を頂きました。ポッキーの日ネタ
べったーからの移行です
「なぁ、冬弥。お前、太いのと細いのどっちが好き?」
「……は?」
春、という言葉が似合う昼だった。木漏れ日、そして明るく暖かな太陽。そんな雰囲気をぶち壊す発言が耳に入ったような気がした。もう一度、東雲色に尋ねてみるか
「…今、なんと言った?」
「だから……太いのと、細いの、どっちが好みって」
なんか変なこと言ったか?と彼は眉をしかめる。いや、おかしいだろう。そういうのは、こう、夜、とか……
「それは、今じゃなきゃダメなのか?」
「んー…だめ」
ぺろ、と彼は舌を出す。だめだったらしい。本当にか…?絶対に今みたいな平和…?な空間で聞くようなことじゃあ無いだろう、が。今じゃなければいけないのなら仕方ない……(?)我儘な相棒に付き合うか…。やはり、モノ、の話なのだろうか?俺は何を言っているんだ、ここは学校なのに。
「…彰人はどうなんだ?」
「あ、オレが先に聞いたのに。ま、いいや……オレは…太い方、だな」
…俺のが太いからか(自意識過剰)どき、と胸が高鳴る。使うのは、絶対にこの場面ではないけれど。
「周りは細い方がすき、らしいけど。オレは、なんか、たべてるって感じかするから…そっちだな」
少し照れくさそうに笑いながら彼は言う。たべてる、とは比喩…なのだろうか。まあ、確かに彰人は、上手そうに咥えているか。
「…で、冬弥は?」
しかし、どう返せばいいのだろう。この質問をする、ということは立場を変えたい、ということだろうか。いや、拒否はしないが。……考えさせて欲しい。…まあ、彰人のは細くは無いから……。
「俺も太い方…だ、な」
「あ、まじ?よかった……」
目の前の東雲色はぱっと顔を綻ばせた。あ、まてまて…
「まっ、てくれ。いや、別に、彰人と繋がれるのならなんでもいいんだが、しかし、なんというか。まだ準備だとか、諸々できていなく……」
首を振っていれば彼がカバンからなにか出すのが見えた。赤い、箱。
「太いのしか買ってなくてな、いやー、冬弥も同じでよかった、買い直すのメンドイだろ?」からり、と彼は手に持った箱を振る。パッケージには見覚えのある文字の羅列。
「……」
なる、ほど。
(筆m)