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───────黒い瞳───────
この世界では稀に、黒い瞳を持って生まれてくる子供がいる。其の子供のことを人々は「忌み子」と呼ぶ。
なぜ「忌み子」と呼ばれてるのか、─────────────────
今から何千年と前、この世界は「悪魔」に支配されていた。「悪魔」は突如として現れ、次々と人間を喰い殺していった。
喰い殺しては、消え、喰い殺しては、消え……そのようなようなことが何度も何度も続いた。
そしてある日、奴らは私の大切な家族にまで手を出したのだ。私が駆け付けた時はもう家族は変わり果てた姿に変わっていた。「悪魔」飲み込まれそうになる程に真っ黒い目を私に向けキミの悪い笑顔を見せた途端、私の目線が急に下がった。急な出来事で理解が追いつかなかったが「悪魔」を見てすぐに理解した。「悪魔」は私の足を持っていたのだ。痛みに苦しむ私に、まるで見せつけるかのように「悪魔」は私の家族を喰い殺していった 。
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(……あれ?…………開かない…)
いくら押しても引いても開かない、本気でやってみても開かない…
(えっ?…開かないと困るんだけど…ダメだ開かない…どうしよう…)
「?…どした?新人くん、お困り事?」
後ろから声を掛けられ、振り向くと鮮やかな瞳がこちらを見ていた。
(あっ、境さん、おはよう御座います。……お困り事と言えばお困り事なんですけど…)
「うん、おはよう。…どったの〜?」
(扉が……開きません。)
「扉が開かない?…新人くんって冗談言うんだ〜。……本当に?」
頷くと、境さんはドアノブに手を掛け回した。
「…本当だ〜。ドアノブのドの字すら動かない〜、誰が接着剤で固めたな〜、えっ、楽しかったのかな?……新人くん…ちょっと離れてて、怪我すると危ないから。」
言われたとうり境さんから少し離れた。
(とてつもなく嫌な予感が…気のせいだよね?………気のせいであって欲s)
そう願ったがその願いが叶うことはなかった。
今まで聞いたことのない音が耳に届いた。見ると、扉が粉々に砕けていた。
「開いた〜!」
笑顔で境さんが此方を向く。なぜか、みるみる内に境さんの顔が青ざめていった。後ろを向くと、
「この扉は絶対に壊すなってあれほど言ったよな?ラエ?」
お兄さんが、有り得ないぐらい怒っていたからだ。
「お兄………ごめ〜んッね!!…そんな嫌な顔しないでよ〜!」
「あのな!俺が、いなかったらどうするつもりだったの?まだ俺が居たからなんとかなるけど……おい!聞いてるのか!ラエ?」
「痛い、痛い!ほっぺい〜た〜い!」
お兄さんは境さんのほっぺを常りながら聞きてくる。
「おはよう少年、よく眠れた?」
(……おはようございます。お兄さん!はい、よく眠れました)
「そっか、……朝食あるから先に食べてな、ラエは俺と一緒に扉直すからな!」
お兄さんが、嫌な顔をした境さんの頭に優しく手を置いた。
「ほら!嫌な顔しない。頑張ったらラエの好きなお菓子作ってあげるからさ……」
お菓子と言う単語を聞いた瞬間、境さんは目を輝かせる。
2人から視線を外し、席に着く。
目の前には、いつの間に置いたのだろう、美味しそうな朝食が置いてあった。
(美味しそう〜!………いただきます!)
すっ、と優しい力で切れる少し分厚めな卵焼きを口に運ぶと、少し甘い卵焼きだった。
野菜がいっぱい入っているお味噌汁を一口飲んで、香ばしい香りを漂わせている焼きジャケを食べようとした瞬間、
凄まじい音が耳に入ってきた。