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柘榴とAI

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#没入感フィクション
柘榴とAI

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柘榴とAI

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「す、凄い一日だった……」
何度も何度も、timelimit:10との戦闘を繰り広げた後。
それなりの時間まで相手を付き合わせてしまったのだが、相手は全く嫌がる素振りも見せず。
むしろあっちもこっちもと、色々と教えてくれた。
凄い、凄いよあの人。
だって昔から、家系的な影響で“暗殺術”っていうのを習っていたらしい。
本物だ、本物の暗殺者だ。
現代に生けるアサシンだよ。
何かもう映画の登場人物みたいな設定に興奮しっぱなしで、今日は基礎を教わりながら、それを頭に入れた状態で何度も相手の全力を見せてもらったという。
もう一回もう一回とせがんで、結構な時間までやってしまったのだが。
「駄目ですよ、シックス。高校生では宿題だってあるでしょう? そう言ったモノの必要性は、まだその歳だと理解出来ないかもしれませんが――」
「こっちの用事が始まる前に、全部終わらせました!」
「…………お家の事情とか、無いのですか? ほら、お夕食の時間など」
「下ごしらえは全部済ませてあって、あとはちょっと手を加えればすぐ食べられます! 今日はお兄ちゃんも外で食べて来るらしいので、問題無しです!」
「勉強どころか家事までも……どうしてウチの孫と同い年なのに、こんなに違うのか……」
とか何とか、色々と問答があったのだが。
結局のところ、あまり若い子を遅くまで付き合わせる訳にはいかないとお断りされてしまった。
ただし連絡先を交換してもらい、また対戦してくれるという約束は取り付けたけど。
という事で、本日は終わりと相手から言われてしまい。
ササッと家の用事を全部済ませてから、4cardの訓練に移ったのだが。
「凄かったんです、ご本人! こう、認識の外に出て行こうとするというか。相手を見てる筈なのに、それでも視界が外れそうになる暗殺術って言うか!」
「あれだな!? ジャパニーズニンジャなんだな!? 10のNPCとは何度か戦ったが、普通に制圧出来てしまったので……そこまでやり込んでなかったんだ。なんと、惜しい事を……俺もご本人と対戦してもらえるだろうか!?」
「連絡先は教えてもらったので、此方からお願いしてみます!」
もはや戦闘訓練どころでは無く、盛り上がってしまった。
どうやら4cardは、そういう日本文化的な事に興味が強いらしく。
ニンジャ、サムライと連呼する程。
なんでもフォーの戦闘スタイルだと、制圧が容易だった様で。
むしろどうやってアレを抑えたのかと、逆に気になってしまい。
「というかアレに圧勝出来たんですか!? やっぱりフォーは凄いです! どうやったんですか!?」
「むしろシックスは、どうやってあの土俵で戦うんだ? 俺は徹底的に中距離戦に持ち込んだのだが……いつものお前を想像すると、どうしても苦戦するイメージしか湧かない」
「えぇと、ですね。私の場合は……」
などと、本当にそれはもう雑談というか、お話するだけの時間になってしまった訳だが。
でも4cardの言葉というのは、いつだって有意義なモノで。
「フラッシュライト……ですか?」
「あぁ、ライトと言われるとパッとしないだろうが、戦場においての強い味方だ。照らすだけでは無く、攻撃にも代わる。実践した方が分かりやすいだろうが……時間は、まだ大丈夫だろうか?」
「平気です! 今日はお兄ちゃんも遅いらしいので!」
「であれば、少しやってみよう。いくつかライトを渡すから、それだけ持ってフィールドに入ってくれ」
という事で、結構な時間まで4cardからフラッシュライトの活かし方を徹底的に教わるのであった。
凄い、凄いよ今日は。
一日だけで、どんどん新しい戦い方を教わる事が出来た。
というのと、私もフラッシュライト欲しい!
お兄ちゃんに相談して、6keyのアカウントにいくつか送って貰おう。
ちょっと重くなるかもしれないけど、銃に付けるヤツも使ってみたいかもしれない。
そうなって来ると、黒沢君に相談して……あとは出っ歯さんにアドバイスを貰った方が良いのかも。
あの人、ハンドガンマスターだし。
という事でワクワクするばかりの一日を過ごさせてもらう結果に。
何度でも言ってしまうけど、楽しかった……。
などとやっていれば、翌日まで興奮が抜けず。
「黒沢君! ライトの選び方を教えてください!」
「……はい? ライト?」
翌日、お昼時に呼び出した彼にお願いしてみると。
急な発言に、向こうには困った顔を浮かべられてしまったけども。
いろいろと事情を説明してみれば。
「あ、あぁ~なるほど、そういう使い方のライトね? というか、レールに付ける感じで良いのかな?」
という事で、ハンドガンに付けたりするパーツを色々と紹介してもらったのだが……凄い、ライトだけでもいっぱいだ。
色んな特徴とかを教えてもらいつつ、どう違うのかとかを聞いていたのだが。
「出っ歯さんにも相談した方が良いですかね……?」
「え? 出っ歯?」
「ホラ、やっぱりハンドガンと言えば……みたいな」
「…………いや。いやぁ……えぇとですね」
何故か、ちょっと微妙な反応。
不味かっただろうかと、思わず首を傾げてしまったけども。
どうやらそういう訳では無いらしく、ちょっとだけモゴモゴしてから。
「で、あればさ! えぇと、今度の週末とか、一緒に探しに行ってみない? ホラ、口頭だけだとどうしても使用感とか分かんないし。実際に使ってみて、こんな感じなんだって確かめながらの方が良いって言うか……」
「そ、そんな事出来るんですか!?」
「前行った様な場所にとかなら、持ち込みで何でも使えるし。俺、手持ちのヤツとか全部持って行くよ!」
私は、絶対に友達に恵まれたと思う。
というか、黒沢君は何でこんなにも色々してくれるのだろうか。
もはやお礼がお弁当だけでは足りない気がしてならないんだけど。
「是非! 是非行きたいです! 前の時も楽しかったですし、銃にライト付けるの初めてです! しかも実際に触れるんですよね!?」
昨日の興奮が抜けきらず、物凄く喰いついてしまったのだが。
家に帰ってから気が付いた。
コレってもしかして、今回もデートなのでしょうか?
◆
やらかした、間違い無くやらかした。
何がきっかけなのかは知らないけど、また白川さんが夢中になっている事を良い事に付け込む様な真似をした。
何普通にデート誘ってるんだ俺! 普通さ、もうちょっと色々無いか!?
相手もあっさりOKしてくれたし、結果的に問題は無かったんだけど。
これじゃ本当に相手に合わせて利用している感じがして、物凄く申し訳ないんだけど。
というかシックスの正体が~とか悩んでいた癖に、リアルでこういう事があると、すぐ舞い上がるんだからどうしようもない。
白川さんが出っ歯に頼る~みたいな発言をしていたので、思わず提案してしまっただけなのだが。
子供か! まずは相手が求めてる物を優先しなさいよ!
とはいえ出っ歯だって男子だし、割とナナさんに夢中になっているけどゲーマー女子好きだし。
もしもアイツのテンションがリアルで出て来たら。
「俺の家なら何でも揃っている! 見せてやろうではないか! 好きなだけ触るが良い!」
「良いんですか!? 是非行きます!」
みたいになってみろ、俺死にたくなる。
まぁ、そっちは一旦思考から外すとして……。
あれから兄貴の訓練も激しさを増し、尚且つ“実績を残す”方向でシフトしてもらった。
“プロ”になる。
これを目的とし始めたからこそ、遊んでる暇なんか無いだろうって話なんだけど。
それでもやはり、白川さんにお願いされると全部協力したくなるというか……。
こういう事の相談は、俺にだけして欲しいって言うか。
「ぐあぁぁぁぁぁ……でもホント、流石に今日の発言はチャラいってぇぇぇ……白川さんのお兄さんに知られたら、絶対警戒されるヤツゥゥ……」
などとベッドの上で悶えていると。
「次のデートが、決まったかい? 弟よ」
兄貴が、扉を微妙に開けて覗き込んでいた。
「これでも思春期なので! いちいち覗かないで貰えますかね!? ホントに不味い状況だったらどうする訳!?」
「ヤバそうな時は避けるっての、安心しろ」
「それは全然安心出来ないヤツ! 兄貴耳も良いんだからマジで止めてよ!?」
とりあえず枕をぶん投げておいたが、相手はソレを顔面で受けながらも。
ケッケッケといやらしい笑い声を上げながらスス~っと頭を引っ込めて行く。
ウチの兄貴、マジでステルス能力に長けているから質が悪い。
ゲームだけじゃなくてリアルでもそんなの事出来るのかよ! って言いたくなるくらいに。
というか、今更だけどこれまでの助言とかも怪しいよね。
実は隠れて見ていたりするんだろうか?
いや、流石にそこまではしないか……。
仲は良いとしても、やっぱり“常識的な距離”ってのがある訳だし。
それくらいは、兄貴だって理解している筈だ。
良い大人が、高校生のデートを覗いたって何とも思わないだろうしね。
という事で、思い切りため息を零してから。
「あ、でも……普通のフラッシュライトなら、兄貴もいくつか持ってたっけ。サンプルみたいな感じで企業から貰ってた、凄いヤツ」
さっき文句を言ったばかりで申し訳ないけど、それ等を借りる為に兄貴の部屋へと向かうのであった。
結局最後は頼るところも、ホントにガキだよね……俺。
コメント
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第137話読みました!シックスちゃん興奮冷めやらずでかわいい…!暗殺術にニンジャ文化、そしてフラッシュライト戦術と、一日で一気に世界が広がった感じが伝わってきました。黒沢くんも「またデート誘っちゃった…」って自覚あるのに断れないの、青春だなぁ笑 お兄さんの覗き&いやらしい笑い声も含めて、あっちもこっちも賑やかで楽しい回でした!