「、、では、、対戦よろしくお願いします」
グル「wそうだな、対戦よろしく」
前世の癖でつい言ったことにも笑いながら、目の前のグルッペンは面白いものを見つけた子供のように、一生懸命チェスに向いた。
クッソ
ほんまに
なんでこんなめんどくさいんや。
頭の中で愚痴を吐きながら、チェスの駒を移動させる。
ふぅ、と頭の中でため息をついた時だ。
あ、今婚約破棄について言えばええやん。
そうしよそうしよ、、、。
「あ、あの」
グル「ん?なんダ?」
「この婚約についてなんですけど、、。
やめませんか?
だって、私ですよ?〇〇・ヴィルヴァルトですよ?噂だっていい噂なんて聞いたことない、あの〇〇・ヴィルヴァルトですよ?」
グル「急な自虐ネタ草」
「フューラー家のためには確実にならないと思うのですが、、、。私と婚約することによって、今いるあなたの位置が落ちてしまうというとは、避けるべきことですよね?メリットがデメリットをゆうに超えています。
なので、この婚約は取けs、グル「チェックメイトだゾ」、、、、は?」
グル「だから、チェックメイトだ」
「え、うs、、」
危ない、差が出るとこだった、、、。
「わぁ!本当ですね!さすがですグルッペン様!」
これでぱーぺき。前世から引き続いているこのわざとすぎるお膳立て。こんなんで喜ぶ奴なんてフィクションだって思うやろ?んなことないんよ、実は。
しかし、この目の前にいる設定上策士の少年は喜ばない前者側の人間だった。
いや、喜んではいるけど、喜んでる場所が違う。
グル「ふっwお前、さっきからちょっとずつだけど、素の姿が見え隠れしてんねん」
あぁwバレてたわ。
「ははッ」
取り敢えず笑っとこ。
グル「取り敢えず笑っとこって思ったやろ?」
「!!、、そんなこと微塵も思ってないですよ?」(ニコニコしとこ)
そう言うと、グルッペンはどーだかな?と口角を片方だけ上げて笑った。
あぁ、ムカつくなこいつ。
グル「さっきから見ているとお前には、癖があるんだな?」
「?みんなあると思いますよ?」
グル「あぁ、それはあるにはあるんだが」
何が言いたいんだこいつ。そうやって遠回しにする奴って会社とかで嫌われるぞ。特に理系の奴に。「結論は?まとめてくれない?」って言われるぞ。
ちなみに私の友達はそれ言い過ぎて、上司に「お前人間の言葉を喋ってくれ。今のままだと結論は?って鳴き声の鳥だ」と言われてて、「僕は、鳥類のように進化した存在じゃありません!れっきとした、哺乳類です!」って言ってて上司が頭抱えてたぞ?
グル「めんどくさいって思っていそうな時、お前は瞬きをした後に右下を見るんだよ。その後、下から見上げるんだ。俺と話している時、ほとんどしてたなw」
「、、、、、んなこと思っていませんよ〜」
やばい心当たりがありすぎる、、、。なんでこんなに観察してんだよ。チェスやってたんだぞ?流石に気持ち悪いという域を越してるって、、。
グル「ほら、今だって。今、さっき俺が言ったことと同じことをしたゾ?どうだ?正直言ってくれ。面倒くさいか?」
ん?と催促するように顎で私を扱う。
なんて失礼な奴。クッソうざいやつだな。
「、、、婚約破棄してください」
私もお前を上回るぐらいには、面倒くさくて失礼な奴なので。
ジッと彼のことを見つめ続ける。
彼は、さっきの勢いは折れて私の目をただただ見続けていた。
グル「、、お前は本当に彫刻みたいだな。空想上の生き物みたいや」
こいつ絶対一人っ子やろ。人の言うことなんて聞かずに、周りの大人がお前の為だけに動いてる時間を見たことあるやつに決まってる。いや、こいつのことだ、きっとそのメガネの奥にある目に少しカーブでもつけてみれば周りのメイドは、ハートを高鳴らせながらやってくれたんやろうな。
ハッと貶したくなるのを必死で抑える。
「では、その空想上の生き物の言うことに耳を傾けて下さい。婚約を、、」
グル「破棄なんてしない」
、、、、、、
「は?」
グル「w破棄するとでも思ったか?」
「、、、はい」
彼は、チェス版の上に手を置いた。
そして、私の顎の下をゆるく掴んで強制的に目を合わせてきた。
「っ!」
視線だけでも外そうとしたって無駄だった。
彼に見られている、その事実とかれの瞳を見るだけで私のハトのように固まってしまったから。
そのメガネの奥の瞳は、まるで私を縛り付ける鎖のように輝いていた。冷たくて、痛いぐらいの自己中な光。
グル「こんな面白いやつなんだなんて知らなかったんやから。そんなの手放すわけないやろ?なぁ、〇〇」
私の名前を呼ぶ。
それと同時に彼は私の首元にあったネックレスを鷲掴みにして、今度は顎ではなくそのネックレスを引っ張って私の胴体こど上にあげた。
私もチェス版に手を置いて、目を見開き彼を見つめる。
その瞳は、さっきまで薔薇のように、自分に自惚れている赤色に光っていたはずの瞳なんてなくて、昼ドラなんか比にならないぐらいにドロドロした光を反射する隙も与えない欲とか感情とかを混ぜて混ぜてできた色をしていた。
あぁ、マジで、なんでこんな面倒ごとに悩まされなかんのやこの7歳児は。
グル「だから、離したくない」
これ七歳児達がやってると思うとギャグに見えてくる
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