テラーノベル
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今日は空舞の様子がおかしかった。というか、あれは束縛に近いものだと思う。だから少しキツい言葉を言ったのだけど。
あまりいい気分では無いので、図書室に行く。すると、やけに目立つ金髪の子がいた。目が合うと、その子はすごい形相で走ってきた。
「Please tell me Japanese!」
「Yes,sure…?」
話を聞くとその子は転入生らしい。カナダから来て半年は経っていて、簡単な日常会話ならできるみたいだ。でも、今日奏舞から相談を受けたらしく、それがあまりにも難しかったので日本語をもっと勉強したいのだと言う。さっきはあまりにも必死になっていたから、思わず英語が出たと言っていた。
「なるほどね、まぁ奏舞は日本語下手だからな…」
「日本人でも日本語下手なの?」
「日本語って難しいから。周りくどく…えっと、ストレートに言わないんだよね」
「タシカニ…」
英語の表現は単純だ。故に日本語のように分かりにくいことが少ない。誰もが理解できるような会話が多いのだ。
「あと、喋るのが早い人とかいるしね」
「そう!聞き取りにくいからタイヘン…」
随分悩みは多いようだ。でも、半年でここまで日本語を喋れるなら充分だと思った。
「もしかして、奏舞のこと好き?」
「ううん?ただ、困ってるように見えたから…困ってる人は助けたい!」
ティナはとてもいい人なんだと、その時実感した。
「ティナ、ありがとう。でもね、これは空舞っていう、奏舞の兄弟の問題なの。ティナが気にすることなんてなにもない」
「本当に?」
「うん。代わりに、私の悩みを聞いてくれるかな?」
「もちろん!」
「友達になってくれる人を探してるの」
「それ、本当に!?」
ー奏舞sideー
今日は一人で帰った。愛楽は図書室に行きたいって言ってたから、その気持ちを尊重した。空舞は知らない。いつの間にかいなかったから、もう家に着いているかもしれない。
こういう時、双子というのは不便だ。
「ただいま 」
「おかえり」
澄舞が出迎えてくれる。小学生になってから随分大人びた気がする。でも、俺の中じゃまだまだ赤ちゃんのままだ。
「奏ちゃん、あのね、空ちゃんが息絶えたの」
「え“っ?」
「ずっと動かないの」
流石に心配になり、気まずさを玄関に置いて空舞の部屋に入った。すると、ベッドで横たわっている。
「く、空舞大丈夫?」
「…」
返事がない。まさか、本当に。
「空舞!」
「うるさい!うるさいうるさい、お前ほんっとうるさい!なんでお前が、お前が…」
泣き腫らした兄の顔は、こっちまで泣けてきそうなほど情けなかった。
コメント
1件
うわあ、今回もすごく良かったです…!図書室で飛び込んできた金髪の転入生・ティナが可愛くて、つい微笑んじゃいました。「困ってる人を助けたい」って真っ直ぐな言葉が心に沁みます。最後の空舞くんの「うるさい!」からの泣き腫らした顔、あの切なさが胸に刺さりました。双子ならではの距離感と感情の行き違いが絶妙で、続きが気になって仕方ないです…!
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