テラーノベル
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「うるせぇ! 妖界でバッタリ会うとか、どんなホラーだよ!」
「静かにしろ神代! 声がデカい!」
路地裏でギャーギャーと怒鳴り合う遼太に、慶介が血相を変えて詰め寄ってきた。その切れ長の瞳は、昼間の『雨河』のときよりも明らかに焦色を帯びている。
「……ってか如月、お前さっきからなんでそんなにキョロキョロして――」
「説明は後だ。来るぞ!」
慶介が遼太の腕をガシッと掴んだ、その瞬間だった。ドガァァン!!!と激しい爆音が響き、二人がさっきまで立っていた路地裏の木箱や壁が、禍々しい紫色の妖火によって吹き飛んだ。
「うおっ!? なんだ、襲撃か!?」
「チッ、もう追いつかれ――霧谷、いや神代! 飛ぶぞ!」
「はぁ!? お前、急いでるって追われてるのかよ!」
「見ればわかるだろ!」
慶介が鋭く指を鳴らすと、彼の背後に目に見えない風の足場が展開される。
「おい、掴まれ!」
「指図すんな如月!」
文句を言いつつも、背後から迫るおぞましい複数の妖気を感じ取った遼太は、慶介の着物の帯をひっ掴んだ。二人の『覚』の強力な妖力が爆発的に解放される。お互いの精神が干渉し合って脳内には『キィィィン!!』と凄まじい耳鳴りが響いたが、背に腹は変えられない。ドンッ! と地面を蹴り、二人の身体は一気に夜空へと舞い上がった。常盤木中学校の制服とは違う、漆黒の神代の和装と、慶介の高級な羽織が、妖界の生暖かい夜風に激しくなびく。足元には、怪しげな赤提灯がどこまでも広がる妖界の街並みが、ミニチュアのように遠ざかっていく。紫色の満月に向かって、二人の美少年が並んで空を疾走している。
「おい如月! 誰に追われてるんだよ!」
風圧に負けないよう、遼太は空中で慶介の横顔に怒鳴った。慶介は風を操りながら、苦々しそうに顔を歪める。
「……西の『心喰い(こころくい)』の残党だ。如月の家が預かっていた、他人の精神を操る禁忌の呪具を盗み出しやがった。それを俺が奪い返して、ここまで追ってきたんだよ!」
「マジかよ! じゃあお前、西から逃げてきて、一時的に東の常盤木中学校に身を隠してたってことか?」
「そうだ! 人間の学校なら妖気が遮断されるからな。なのに、まさか隣の席に『東の神代』がいるなんて、どんな嫌がらせだよ!」
慶介の言葉に、遼太は思わず空中でありながら笑ってしまった。
「ハハッ、そりゃお互い様だろ! 俺だって今日一日、お前の『無音(ノイズ)』のせいで頭が割れそうだったんだからな!」
「笑い事か! ほら、後ろを見ろ!」
慶介が顎で指した先、夜空の雲を割って、何十匹もの巨大な怪鳥の姿をした妖(あやかし)が、猛スピードでこちらを追いかけてくるのが見えた。その背には、おぞましい仮面をつけた『心喰い』の術者たちが乗っている。
「しつこいな……! 如月、お前の風で一気に引き離せ!」
「言われなくてもやってる! だが、二人分の体重を抱えての高速飛行は、さすがに魔力の消費が激しい……!」
慶介の額に、微かに汗が浮かぶ。どれだけ天才と称される名門の跡取りでも、まだ中学1年生だ。限界はある。そのとき、遼太の目がニヤリと細められた。
「如月。お前、他人の心は読めるのに、同じ覚の俺の心は読めないよな?」
「……は? 当たり前だろ、ハウリングするだけだ」
「じゃあ、言葉で言ってやる。――『合わせろ』」
「え?」
新庄 駿
182
#文芸アクション
大正
4,228
#主人公最強
ウサギ様
396
慶介が目を見開いた瞬間、遼太が慶介の手を強く握りしめた。神代の血に流れる、圧倒的な精神障壁(サイコ・シールド)の力が解放される。キィィィィィィン!!!!二人の距離がゼロになったことで、本日最大級のハウリングが脳を揺らした。だが同時に、二人の周囲に「いかなる術も通さない、絶対的な拒絶の結界」が球体となって展開される。
「如月、お前は飛行の加速だけに全力を注げ! 敵の迎撃は、俺の結界で全部弾き返す!」
遼太の力強い言葉に、慶介は一瞬だけ呆気に取られたが、すぐにその端正な唇を不敵に吊り上げた。
「……フッ、悪くない。いくぞ、神代!」
慶介の放つ突風が、二人の身体をロケットのように加速させる。背後から迫る『心喰い』たちの呪詛や妖火が次々と飛んできたが、遼太の張った透明な精神の壁にぶつかり、ガラスのようにパリンパリンと虚しく砕け散っていく。
「すげぇ……本当に全部弾いてる……!」
「当たり前だ、東の神代を舐めるなよ! ほら、もっとスピード上げろ、雨河くん?」「その名前で呼ぶなよ、霧谷くん?」
夜空を切り裂き、光の矢のように逃げ去る二人。追っ手の怪鳥たちは、もはや追いつくことすらできず、はるか後方へと置き去りにされていった。紫の月光に照らされた二人のイケメンは、頭の奥の激しい耳鳴りに耐えながらも、なぜかお互いに、可笑しくてたまらないといった笑顔を浮かべていた。学校での偽りの関係から、妖界での命がけの共闘へ。二人の絆は、この夜空で一気に加速していく――。
【参加募集(先着残り1名)】
魔物→1人(転校生)(種族は考えてください、妖のライバル)
〈書くこと〉
名前(読み)
性格
(好きな物)
(嫌いな物)
(特技)
(魔物枠は種族も)
コメント
21件
今よろし?
俺も参加したい!もう遅い?
参加したい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!