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少年院の跡地で、五条悟とリムル=テンペストは互いの力を探り合うように対峙していた。
五条の放つ**『蒼』が、リムルの『暴食之王(ベルゼビュート)』**によって空間ごと飲み込まれた瞬間、二人の間に奇妙な沈黙が訪れる。
「……僕の術式を食べるなんて、本当に規格外だね」
「あんたも、俺の攻撃をヌルッと避けるんだから、大概だろ。……それで、あんたが五条悟、とか言ったか?」
リムルは五条の目隠しを指差す。
「その目隠しの下、どうなってるんだ? 見せろ」
リムルの言葉に、五条はわずかに驚いたように目を見開いた。
「へぇ、僕の目が見たいなんて言う人は珍しいね。ま、悪いスライムじゃないって言うなら、ちょっとだけならいいよ」
五条が目隠しをずらす。
その下から現れたのは、澄み切った青空のような瞳――『六眼』。
ありとあらゆる呪力と術式、空間の構造さえも見透かす、神の目だ。
「……なるほどな。こっちの世界の『神の目』ってわけか」
リムルは五条の六眼を真正面から見据える。
**『智慧之王(ラファエル)』**が、五条の瞳から得られる情報を秒速で解析していく。
『告。個体名:五条悟の六眼は、世界中の情報とエネルギーの流れを常時観測・解析する特殊能力です。膨大な情報処理能力と、精密な術式コントロールを可能にします』
(ほう。俺の『智慧之王(ラファエル)』と似たような能力だな。でも、こっちのほうが物理的だ。……面白い)
その時、虎杖が恐る恐る五条に話しかけた。
「あの、五条先生。この人、本当に何者なんですか?」
「んー、そうだねぇ」五条は目隠しを戻しながらニヤリと笑う。「まあ、今日から君たちの**『臨時特別講師』**ってところかな。上のジジイどもには内緒だけどね」
「講師!? この人が!?」
釘崎が叫ぶ。伏黒も驚きを隠せない。
たった今、特級呪霊を一瞬で葬り去り、五条悟と互角に渡り合った「スライム」が、自分たちの先生になるというのだ。
「悪い話じゃないだろ? 君の持つ情報も、俺にとっては興味深いからな。……それに」
リムルは、ふと日本の街並みに目を向けた。
少年院のすぐそばには、煌びやかなネオンの光が瞬く繁華街が見える。
高いビル群、行き交う自動車、電光掲示板に映る人々の笑顔。
(……懐かしいな。前世の日本の景色と、ほとんど変わらない。あの頃は、ただの人間だったのに)
遠い記憶に思いを馳せるリムル。
その表情は、少しだけ寂しげに見えた。
「――この世界で、俺が何をできるか、少し試してみたい気分だ」
そう呟くリムルの瞳には、すでにこの世界の未来を見据えるような、揺るぎない光が宿っていた。