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ステータスについては後で確認して検討することにしよう。
次はこれだ!
俺は目の前の竈に向かって鑑定! と念じた。
すると、今見ている竈自体に半透明のプレートが貼りつくように現れ ”古い竈” とでた。
俺はキョロキョロと周りを見回した。――よし誰もいないな。
そして、次は腰にさげてるショートソードを引き抜き鑑定! と念じる。
すると、またもや半透明プレートが現れ ”ミスリル合金ショートソードA+” とでた。
なるほど、武器は材質やグレードもわかるのだな。
ふんふん、なるほどね。
まだ、いろいろ検証していかないとよく分からないが、歩く道すがらに鑑定していけばおいおい分ってくるだろう。
そうか、鑑定できる距離なんかも重要だよな。
俺は再度キョロキョロと周りを見まわす。
――通報事案である。
傍から見れば完全に不審者扱いされるだろう。
そうだ、あの大岩はどうだろう。
大岩に向けて鑑定! と念じる。
(…………)
何も表示されなかった。
うーん、ちょっと遠すぎたのか?
では、今度は馬車の後ろに繋がれている馬に向かって鑑定!
すると半透明のプレートが出てはいるが小さいプレートの真ん中に ”馬” と一文字でているだけだった。
うわぁ、使えね――――。
いや、まあ使いはするんだけどぉ。
どっかのコイキ○グよりは使える……かな?
くそー次だ、次いくぞ!
おっ、シロが居るな。シロに向けて鑑定!
すると半透明のプレートが現れ ”シロ・フェンリル・可愛い” と出た。
なんじゃこれ!
いや、まあシロは可愛いし、けして間違ってはいないけど……。
これって、おそらく距離の問題じゃないの?
距離……か。
「シロおいで――――」
俺が呼ぶと向こうからシロが駆けよってくる。――可愛い。
んんっ、まさか俺の考えが反映されたのか?
いやいやいや、距離だよな。
シロが来てくれたので背中を撫でながら鑑定!
すると出やがりましたよ。やっぱり距離が関係しているようだ。
シロ Lv.10
年齢 ー
【契約者】 ゲン
HP 2048⁄2050
MP 1840⁄1880
筋力 755
防御 674
魔防 820
敏捷 633
器用 380
知力 670
【特殊スキル】 身体頑強 状態異常無効 感覚共有(超)
【スキル】 鑑定 (7) 魔法適性(全) 魔力操作(9)
【魔法】 風魔法(7) 火魔法 (7) 氷魔法 (7) 聖魔法(9) 回復魔法(9) 結界魔法(7)
【加護】 ユカリーナ・サーメクス
うひゃー、凄いステータス。
シロは聖獣フェンリルだから当然なんだろうが、これを見てしまうと何ともいいようがない。
もうね、何ていうか凄すぎてお家に帰りたくなったよ。――味方でよかった。
うん、気を取り直してシロのスキルを見ていきますか。
このステータスで Lv.10 なんだね。状態異常に対しては無効なのか、耐性とかではなくて。
感覚共有ってなんだ?
おおっ、鑑定も持っているじゃないか。――しかもレベル高!
あとは魔法関係かな。
見せてもらってないものは 氷魔法・回復魔法・結界魔法か……。
これらについては、誰も居ない所で検証していかないとな。
しかし……、このままシロを町に連れて行ってもいいのだろうか?
あ――っ、見なかったことにしたい。
…………
そんなわけで、鑑定 (3) では有効距離は1m以内が妥当という結果になった。
それ以上離れると鑑定精度が極端に落ちてしまうのだ。
この世界での『鑑定』とは手に触れて行うもの、という感覚でいいだろう。
さて、次は『インベントリー』の検証だな。
と、その前に解体作業の進み具合を見ておくかな。
シロを連れて解体現場をまわってみる。
ひっ剥がされた魔獣の皮が積み上げられている。もう8割方は終わっている感じかな。
「どんな感じですかぁ。水は必要ですかー?」
「え~とね、じゃあお願いしようかしら~」
「いやー、水汲みばかりさせて申し訳ない。解体はもうすぐ終わるからそれからお昼にしよう」
俺はバケツ2つを持って再び川へ向かった。
「まぁ、疲れはしないけど腹は減るんだよなぁ」
途中で竈のところに寄り、シロと干し肉を口に銜えながら川まで歩いていった。
川岸でバケツを洗ったあと水を汲む。
そして隣にいるシロに、
「シロ、結界魔法ってどんな感じになるんだ?」
それを聞いていたシロは俺の方を向いて四肢を踏ん張る。得意げに『うん、まかせてー!』といった仕草で魔法を発動してくれた。
うんうん、なるほどなー。
魔力操作のスキルを所持しているお陰なのか、目の前に結界が張られていることがわかる。
「じゃあシロ、これの内側にもう一枚出せるか?」
すると、シロは少し間をおいて結界をもう一枚展開させた。
「よーしよし、凄いぞぉ」
シロの頭をやさしく撫でてあげた。
「これから結界を展開する際は初めからこうして2枚張るんだぞ。いいか?」
すると、シロは尻尾を振りながら ワンッ! と吠えて返事をしてくれた。
わかっていると思うが念のためにもう一度やらせてみた。
うん、できているな。完璧だ!
「いいかシロ、2枚破られる前に手前に一枚づつ追加で張っていくんだ」
そのように俺が説明していくとシロは確りと頷いてくれたので理解はしてくれただろう。
あとは反復訓練をさせればとっさの時も安心だな。
両手に水桶を持ってみんなの所に戻ってきた。
「ここに置いておきまーす」
俺がそう言うと、マクベさんは顔はそのままに手だけを上げて応えてくれた。
おそらく、集中していて目が離せなかったのだろう。
それからコリノさんの方にもまわっていく。相変わらず無言でもくもくと作業している。
バケツを見ると水がかなり汚れていたので、
「お水換えてきますねー」
と言って、ひったくるように水桶を持ってきてしまった。
ガンダで川を往復し、水を入換えたバケツを戻す。
「ここに置いておきますねー」
そう伝え、直ぐに踵を返すと、
「ありがとう」
小さな声が後ろから聞こえてきた。俺はそのまま振り返らずに手を上げてその場を去った。
なんて事はない、ただのかっこつけである。
それからしばらくして解体作業はすべて終了した。
後始末はシロにお願いしている。魔法が使えることはバレているようなので……。
狼どもの成れの果ては業火に包まれた! 10分ほどで骨も残らずキレイに燃え尽きてしまった。
あとはお昼を頂いてから残っている灰を土に埋めるだけである。
なんとか予定どおり昼前には出発できそうだな。
因みに昼食はハイウルフの肝臓を食べてみたのだが、これが意外と旨かったのだ。