この作品はいかがでしたか?
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今日はクロコダイルの休日なのだが、なぜか俺も一緒に外に連れ出されています。
明らかに高そうなブティックやらに連れて行かれたりして、どうもそわそわする。ドレークさんに連れて行ってもらったあの高級な靴屋を思い出す…。
不意に、クロコダイルが俺の耳に触れる。
「ん…社長?」
「穴、開いてるのか」
「ピアスの穴ですか? 結構前に開けましたけど、あんまりピアスはつけてないですね」
ピアスの穴が安定するまでは、穴が塞がらないようにピアスつけてたりしたけど、最近はあまり良いものが見つからなくてつけてないんだよなぁ。と思っていると、クロコダイルは俺をジュエリーショップに連れていく。
クロコダイルはどこか嬉しそうにピアスを俺に合わせる。派手すぎないシンプルなデザインのものを選んでくれるあたり、この人のセンスの良さを感じた。
結果的に彼が選んだのは緑色のピアス。なんというか、彼を彷彿とさせる色で……。いやいやいや、なんでもない。なんでもないからな。
会計を済ませた後、クロコダイルはまた俺の手を引いて店を後にしようとしたので、慌てて引き止める。
「待ってください! こんな高いもの貰えないですよ!!」
「おれの贈った物を身に着けたくねえって言うつもりか?」
「いや、そんなことは無いですけど……」
「じゃあいいだろ」
「いや、でも……」
俺が渋っていると、彼がジッと俺を見る。
「……あ、ありがとうございます」
俺は諦めて彼からの贈り物を受け取ることにした。
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